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世界一子どもが幸福な教育は世界一の教育なのか

先日、保育士時代の先輩とお会いする機会があり、改めて日本の教育について考えるきっかけをいただいた。

実はこの先輩、学びのためにご家族でオランダに2年移住されていたのです!
オランダにいる間に幼稚園や小学校などを熱心に見学され、教育について学ばれたそうです。
ご自身のお子さんも現地の学校に通われ、たくさんの学びを得たとおっしゃっていました。

その辺のはなしに興味津々なわたし。
根掘り葉掘り聞いて、教育の奥深さを改めて感じたので書いていきたい。

ちなみにユニセフが2020年に発表した「先進国の子どもの幸福度ランキング」では、オランダが1位、日本は20位です。

オランダの学校生活

まず「オランダは自由だよ」と聞いていたので、自由とは言ってもお昼の時間とか下校の時間とか決まってるしなんでも自由ってムリそう。
どうなってるんだろう?
とずっと思っていました。

聞けば、
・年間でクリアしなければならない勉強範囲は決まっている。
・1週間ごとに、何をどれくらいいつまでにやるかは自分で決める
・お昼の時間などは決まっている

らしい。

朝行くと朝礼などはなく、机に入っている課題を黙々とこなす。
その課題は自分が決めた範囲の勉強で、算数をやる子もいればオランダ語をやる子もいる。
分からなければ先生を呼んで教えてもらえるし、縦割りなので上級生にも教えてもらうことができる。

アウトプット多めだけど先生から一斉に学ぶインプットの時間ももちろんある。

先生が時間になるとリンリーンと鈴を鳴らして、果物を食べる休憩タイム。他にも外に出て遊ぶ時間などもあるそう。

「自由」と聞いたので、本当に何してもい良いのかと思っていたのですがさすがにそうではなく、勉強タイムにうるさくしているとそれは注意されるみたいです。

ただ、大きく違うなと思ったのは先生の関わりかた。

自分が決めた分の課題が終わっていなかったり、思うように進んでいない場合は「やってないじゃない」とか「やりなさい」とか一切言わない。

「どうしたー?これ進んでないけどなにかあったー?」
というように、傾聴の姿勢から入るらしい。

これだけ「聞いてもらえる」という安心感があれば子どもも自立していくだろうなと思った。

一方で移民の多い国のため、学校によって色も大きく変わってくる。

最初に通っていた移民の多い学校では落ち着いて学べない子がいたり、実際に通われたお子さんが言うには「いじわるを言ってくる子がいた」そうだが、保護者に話をしてもあまり通じないようなこともあったそう。

その後通ったオランダ人ばかりのモンテッソー教育の小学校では落ち着いて学ぶことができ、雰囲気も良かったらしい。

つまりオランダだからって全部の学校がすばらしい教育ができているかと言ったらそうでもないということみたいだ。

不登校の概念がない

特に驚いたのは「不登校」は存在しないということ。

オランダではホームスクーリングも許可されていないので、学校に行かせるのは親の義務。
「じゃぁ集団になじめない子はどうするんですか?」と聞いたら、その子が通える環境作りやケアをするのも学校の責任と教えてもらった。

なるほど。
あくまでも学校が子どもに寄り添う形なのだ。

色々と聞いて分かったのはオランダ人の相手に寄り添う姿勢がハンパじゃないということ。
「相手の価値観や個性」を受け止めて、「自分の価値観や個性」もしっかり自覚して大切にする。

もちろん人間なのでトラブルやケンカもあるそうだが、根本にはお互いを尊重する概念が存在する。

これを聞いて日本人が「やりたいことがわからない」とか言ってるの理解できないんだろうなと思ったのが本音。

だってオランダ人は子どものころから自分がどうしたいのかを決めて、それを尊重してもらって生きられる環境があるから。

日本ではできるのか

こうやって聞いていくうちに、それって日本じゃ難しいかもと思うことがあった。

傾聴するのは保護者も同じで、こどもが「イヤ!」と言ったら「そうか。どうした?」と言ってソファでゆっくり話を聞くスタイルらしい。

でもさ、日本人忙しいじゃん?
ソファでゆっくり話してたら明日もあるのに寝るの遅くなるじゃん?
朝もバタバタで「イヤー!」とか言われて「そうなんだねぇ(ニコニコ)」とかできる人どれくらいいる?

そう思った時に、そもそも教育の前に社会の構造が違うんだなと思ったのでさらに聞いてみた。

「仕事に余裕があるんですかね」
「そうだね。日本人みたいに仕事のために生きてる人はいなくて、生きるために働いてるって感じ。
 だけど物価も高いから、みんな普段はすごく質素に暮らしてるよ。
 30万キロ走った車も新しい!とか言って乗ってるし。」
「なるほど。じゃぁ日本みたいに大きなショッピングセンターとかもない?」
「ないねぇ。私たちが住んでいた周りにも遊園地みたいのも無かったし。」

そういうことか。
この日本の素晴らしい便利な世界は、やはり日本人の勤勉で身を粉にして働く力によって成り立っているのか。

日本の良いところとオランダの良いところ

とにかく質問していって、オランダの教育は素晴らしい。子どもにとっては楽しいだろうなと素直に感じた。

お子さんも「オランダの学校、チョーたのしいよ!子どもはみんな好きだよ!」と力強く語っていた。

ただ、私は日本も大好きなもので、運動会などの一丸となってやり遂げる達成感もムダではないと思うし、日本人の今までの教育があったからこそ培われてきたすばらしい文化がなによりも好き。

だから思うのは、日本の良いところを残しつつ、オランダや海外の良いところを取り入れていけないのかな。
ということ。

ちなみにオランダの教育が全て素晴らしいの?と思ったので調べてみるとデメリットもあるらしい。

・先生という職業が人気がない
・少しずつ学力が低下しているという調査結果もある
・小学生までは宿題がないのに中学になると急に大変になるのでついて行けない子がいる

など。

日本の教育の欠点

一方で日本の教育において私個人が感じる問題は
・時代の変化についていくのが遅い
・先生の負担が大きい
・集団での活動を重視するため個を尊重するのが難しい

といった点。

中でも気になるのは個を尊重できる環境がないので、子どもは自分の気持ちよりも周りに合わせることをせざるを得ない環境であること。
これは私たちが子どもだったころと大きく変化していないのではないでしょうか。

日々、クライアントさんと話していて感じるのはとにかく
「やりたいことがわからない」
「時間を無駄にして罪悪感がある」
「自分がすきじゃない」

そんな言葉が多いなということ。

これは
「こうしろ」「ああしろ」「頑張れ」「サボるな」「周りはもっとやっている」
といった私たちが受けてきた教育の影響が無いとは言い切れないのではないでしょうか。

もちろんそうじゃない方もたくさんいます。
でも「やりたいことの見つけ方」の本はオランダじゃ売れないですよ。
ゼッタイ。(やりたいことがないと悩んでいた私はもちろん読みました)

日本はこうだけど海外では机の向きだって違う

私たちにできること

ここまでつらつらと書いてきて、読んでくださっている方がいらっしゃったら大好きです。
ありがとうございます!

つまり何が言いたいかというと
日本・オランダその他の国の教育全てにメリット・デメリットがある。

環境はどうであれ、今の日本に足りないと感じる部分を子どもに関わる全ての人で埋めていくことはできるのではないかということ。

先輩の言葉で感銘を受けたのは
「モンテッソーリやイエナプランなど、様々な教育法や手段はあるけど目の前の子どもがどう幸せになるかを大人が考え、どう信頼関係を築くかがすべて。」

本当にその通りで
「お金がないからあの学校教育は受けられない。ダメだ。」
「うちの学校はこうだから、理想の教育ができない。」
ではなくて、今の現状で自分ができることはなんだろうと考えて関わることはできるんじゃないかなということ。

私は教員ではないし、保育の仕事からはなれてしまっている。
でも日々コーチとしてママやパパ、子どもがいない方たちとも多く関わらせていただいている。

その中で私にできるのは、目の前のクライアントさんの幸せにむかって伴走すること。
クライアントさんたちが幸せになれば、関わる子どもたちに良い影響を与えることができる。
そう思っています。

もちろん我が子にも傾聴の姿勢を大切にして関わっていくこともできる。

記事の感想や日々のモヤモヤ、子どもへの関わりなどでご相談があればぜひこちらへご連絡ください。▼

この記事をここまで読んでくださったあなたも、ぜひご自身にできることはなにかなと一緒に考えてくださったら嬉しいです。

では、今回はここまで。

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