彼らと比べて有利な点が一つある。彼らの前例があるという点だ。
先週、「ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか-民主主義が死ぬ日」という本を読んでみました。本書は、「ヒトラーはなぜ戦争を始めることができたのか-民主主義国の誤算」と合わせてドイツ・ナチスの歴史を語っているものであり、本書はその前半史になります。そのテーマのイメージからは読みにくそうですが、意に反して読みやすい本でした。
なぜヒトラー、そしてナチスは政権が取れたのか。第一次大戦に敗れはしたものの、その当時でも世界有数の工業国であり、かつカントやヘーゲルなどの哲学者を生みだした