アニメ『とある科学の超電磁砲』1期の英語吹き替え版(24話)の全セリフを書き起こしてみた話
日本のアニメに「英語吹き替え版」があるのはご存じでしょうか。
外国でも人気のアニメは「英語吹き替え版」が作られており、海外製Blue-RayやNetFlixなどで見ることができます。
今回は筆者が約1年半かけてアニメ『とある科学の超電磁砲』1期の英語吹き替え版の全24話の(ほぼ)全セリフを全部書き起こして英語学習をしてみた話です。
アニメ「とある科学の超電磁砲」とは
原作はコミック。1期が2009年から放送され、現在3期まで放送された人気アニメで、「とある魔術の禁書目録」のスピンオフ作品。
細かいことはググってください。
企画までの流れ
元々筆者は英語学習をしておりました。当時はTOEICなどを中心に勉強をしていましたが、TOEICの世界だけやっていてもしょうがないし、シンプルに退屈なので、英語の作品にでも触れてみようと思い色々作品を探していました。
色々探していたところ、Netflixに日本のアニメの英語吹き替え版がいくつかあるということを知りました。筆者はキモオタなので、当然「アニメで英語が勉強できるなんて最高じゃん」となったわけです。
筆者の英語力
留学経験・海外渡航経験はありません。企画開始時はTOEICは800点台でした。(後に900点台に上昇)
作品選び
NetFlixに英語吹き替え版がある作品に限定しました。
「ヴァイオレットエヴァーガーデン」や「ソードアートオンライン(SAO)」、「斉木楠雄の災難」などの作品がありました。英語吹き替え版のある作品はそれほど多くありません。
SAOはゲームの世界すぎてちょっと実用性に欠けそうですし、斉木楠雄は英語が速すぎてしんどいので、ヴァイオレットエヴァーガーデンにしようかなと思いました。(実際ヴァイオレットエヴァーガーデンでもちょっとやってみたのですが)
ただ、ヴァイオレットエヴァーガーデンは世間でちょこちょこ認知されているので、世相に媚びた感が出てしまいます(そんなものはない)。
ということで、もうちょっとオタクっぽいアニメ(この表現が適切かどうかはわからないですが)でかつ自分の好きなアニメということで「とある科学の超電磁砲」を選びました。
※ちなみに現在はNetflixで「とある科学の超電磁砲」の配信はされていません。
具体的な手順
当然全セリフを書いていきます。ただ、複数人が同時に喋っていたり、効果音(だいたい爆発音)などであまりにもよく聞こえないものなどは除きました。
初期(4話くらいまで)
日本語で見る→英語版を全部がんばって聞き取る→書く
(Google翻訳の音声入力機能などもちょっと利用)
分からないところは文脈と発音からなんとなく「この単語じゃね?」というのを調べて確認しています(死ぬほどめんどくさい)
中期以降
音声入力ソフトを起動した状態で再生→ソフトの英語をコピペ→実際の英語を聴きながら修正する
ちょっと楽になりましたが、音声入力ソフトの精度は7割くらいなので、結局どこがあっててどこが間違っているかを自分で聞いて確認しなければなりません。
もちろん、間違っているところは自分で聞いて修正する必要があります。
結局何回も聞くのは変わらないです。
英語の字幕が元からついてるじゃん!と思われるかもしれませんが、実は英語の字幕は実際の吹き替えのセリフと異なります。
スクリプトだけではない
全セリフは著作権的に載せられませんが、ブログに引用という形でいくつかの英語表現を紹介・解説する記事を全話分書きました。
また、出てきた単語や表現をまとめた単語帳もQuizletにて制作しています。
単語帳
https://quizlet.com/KEKE_En/folders/126279090?i=15ijlm&x=1xqt
ブログ
スケジュール
この企画(?)が始まったのは2022年の6月ごろ。最後のブログ記事の投稿まで終了したのが2024年の1月3日です。
つまり約1年半かかったことになります。(単にスクリプトを作るだけなら1年くらいでできたかもしれませんが)
やってよかったと思うこと
新しい英語表現が知れる
これがいちばんの目的です。「こういう言い方があるのか」「こういう時こんな単語を使うのか」などの知識が得られます。
リスニング力が上がる
やはり英語にたくさん触れるので、リスニング力は上がります。
終盤は英語を結構すんなり聞き取れるようになっていました。
翻訳の大変さを知れる
意外と学べたのが「翻訳の大変さ」や「翻訳家の方の工夫」です。
当然直訳では伝わりにくいものがあります。
例えば日本語では「熊本産」といっているものを「学園都市の外の」と表現しています。
海外の人には「熊本」と言ってもあまりピンとこないので「学園都市の外」と表現するわけですね。
作品理解が深まる
シンプルに何回も見ることになるので、結構いろんなことに気づきます。
マイナーキャラの名前とかも結構覚えます。
大変だったこと
シンプルにしんどい
1年以上かかっているように、シンプルに大変な作業です。
何回も止めて繰り返し見なければいけなければならないので、大変です。
もちろん、英語ですので、すんなり聞き取れないことが多々あります。
メンタルがやられる
作業が大変だから、というのもありますが、それだけではありません。
アニメのちょっと鬱っぽいシーンでも聞き取るために何回も再生します。佐天さんの涙を何度見たことか。
1回見るだけならまあ全然問題ないのですが、多い時は10回近く繰り返しています。
悲しいシーンでも何度も見る必要があるのです。つらい。
やってみて気づいたこと
英語版の声優さんに慣れる
最初は日本語の声優さんの声に慣れてるわけですが、だんだん英語の声優さんに慣れていき、最終的に日本語の声優さん(つまり本来の声優さん)に違和感を感じるようになります。
あ、伊藤かな恵さんご結婚おめでとうございます。
黒子、結構頭いい問題
改めて見ると黒子は中学一年生なのに結構難しい言葉を使っていました。
「縁は異なもの味なもの」とか「蛇の道は蛇」とかよく知ってるなーと思いました。
というか美琴に対する行動を除けばこの子一番ちゃんとしてる説ある。
日本語ってやっぱ曖昧
まあ知っていることではあるのですが、日本語は少し曖昧な表現をすることが多いので、英語に訳す際はその裏側まで汲み取ってやる必要があるわけです。
翻訳って大変。
1つだけセリフ紹介
1つだけ好きな英語のセリフを紹介します。
10話の初春のセリフになります。
というセリフなのですが、英語吹き替え版では
となっています。日本語に訳すと
「私にとっては、どれほど大きな力でもあなたを今以上に素晴らしくすることはできない。あなたは世界で一番の親友だよ」という意味です。
なかなかオツな訳し方です。一言で言うとエモいです。
一番好きなセリフなので紹介してみました。
英語の説明はめんどくさいので飛ばします!
紹介したいものは他にもたくさんありますが、そのあたりは別のところで。
結論・まとめ
アニメ24話のセリフを全部書き出すのは普通に大変です。
単純に英語学習目的だけでは正直あまりおすすめしません笑
ただ、自分の好きな作品を通じて英語が学習できるのは楽しいので、数話やってみる程度ならわりとおすすめかなと思います。
その際、作品選びはちゃんと選びましょう。
最後になりますが、このような素晴らしい作品を世に出してくれたスタッフ・関係者の皆様に心からの感謝を。
この記事が参加している募集
もしよろしければご支援お願いいたします。 書籍購入費に充てさせていただきます。