フルマラソンのペース設定(持久係数からの「できる」ペース設定)
別府大分毎日マラソンのペース設定(1kmを何分ペースで走るか)を検討した時に考えていたことをまとめました。今回は持久係数からフルマラソンの予測タイムを求めて、設定ペースを決めています。
1.「やりたいタイム」と「できるタイム」
以前は「やりたいタイム」でペースを決めていました。例えば3時間40分が目標なら、220分から1kmあたりの時間を計算してペース設定していました。この場合「やりたいタイム」と実力があってないと成功せず、実力やコンディションが足らないとオーバーペースで撃沈です。
撃沈を繰り返した反省から今シーズンは「できるタイム」でもペースを考えるようにしています。私の場合「できるタイム」は持久係数を見ています(後述)。
「できるタイム」のメリットは成功確率が上がること。デメリットは、実力が計算以上だった場合に発揮しきれずに終わることです。どちらかと言うと安全策で撃沈回避を優先するやり方です。
本当は当日のコンディション見合いでペースを調整できるのが一番です。それなら当日のポテンシャルを最大限に出せるからです。ただ不器用なのでこのやり方でうまくいったことがなく、コンディションを過信して轟沈してしまいます。
もちろん「サブ4」などの区切りのタイムや出場資格タイムを狙うときは、「やりたいタイム」からペースを算出することもあります。
2.持久係数からの「できる」ペース設定
持久係数は「ハーフとフルのタイム比」です。自分の持久係数を把握して「ハーフのタイム×持久係数」でフルの予想タイムを出すやり方です。
上のリンク先にタイム別の持久係数の表もありますが、持久係数は個人差があるのであくまでも参考にしかなりません。過去の実績から自分の値を把握したほうが確実です。
(1) 昨シーズンの実績から持久係数を計算
昨シーズのタイムから自分の持久係数を計算しました。
ハーフ 1時間37分(1時間36分に補正)
フル 3時間29分
ハーフは難コース&ガチでなかったので、タイムを補正しました。「3時間29分 ÷ 1時間36分」で計算した持久係数は「2.18」でした。
(2) 今シーズンのハーフからフルを予測
持久係数からフルのタイムを予測しました。
ハーフの実績 1時間33分
→持久係数(2.18)を乗じてフルの予想は「3時間23分」
→1kmあたりで計算すると「4分49秒」
これをもとに別大のペース設定は「1キロ:4分50秒」としました。
気持ち的には3時間20分を切りたかったので「もっといけるんじゃないの?」との誘惑もよぎりました。ただ、後半にペースダウンして関門に引っかかっては元も子もないので、葛藤したあげく「やりたい」より「できる」を優先しました。
3.結果
別大の結果は「3時間22分」。ほぼ予測どおりで成功しました。後半もペースが落ちず、初めてイーブンペースでやれたのが収穫です。最後まで余力がありました。
自己ベストを確保したので、次の大会では勝負ができます。次は「やりたいタイム」でいきます。
4.ダニエルズ理論(VDOT)は?
ダニエルズ理論もハーフのタイムに対応するフルのタイムが出てきます。
ただダニエルズのフル予想は私にはあてはまらないようです。私の場合、予想より実績のほうが遅くVDOT表で3~4行ずれます。
【参考】VDOTで出したフルの予測と実績
昨シーズン「予測 3:23」→「実績3:29」
今シーズン「予測 3:14」→「実績3:22」
個人的にはダニエルズは練習ペースの参考とすべきもので、タイム予想に使うコンセプトではないような気がします。原著「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を読んでないので確実なことは言えません。
5.【おまけ】ランナー電卓
ランナー必須のアプリ。時間の計算はこれでやってます。
6.まとめ
・今回は「やりたいタイム」より「できるタイム」を優先した
・「できるタイム」は持久係数で計算した
・自己ベスト確保したので次は「やりたいタイム」でいく
「やりたいタイム」と「できるタイム」のどちらを採用するかはケースバイケースです。どちらにしろ「できるタイム」を計算してみるのは無駄にはならないと思います。
サンプルが多くないと持久係数がブレるので、データを貯めて持久係数の精度を上げるのが課題です。