不安対策は体・環境・心の3つ
不安な気持ちはどこからともなくやってきて、こちらの心を占拠します。
何に対してなのか、原因や理由は? よくわからないからこそ尚更怖い。
感じないようにする? それも無理です。
では、不安も災害と同じ危機の一つとして考えて、防不安対策を考えてみましょう。
1.不安とは
不安とは、自分にとって脅威となる恐恐に陥ることを想像して「そうなったらどうしよう」と慌てたり狼狽えたり落ち着かなくなる気分のことです。
心で感じたり頭で考えたりするから「心の問題」と思われがちですが、「心だけ」の問題ではありません。
身体上の特徴や異変、環境の変化、他者からの刺激、予想外の出来事、過去の経験による学習効果なども含め、相互に影響し合って「不安」という感情になって現れます。
2.不安対策①:身体面⇒自律神経を整える
現実に不安に思わなければいけない理由がないのに、不安感がぬぐえない時があります。
心臓が普段よりも強く早くドキドキしただけで、人間は不安な気持ちになります。
まずは自律神経から整えましょう。
自律神経を整えるカギは
生活サイクル
食事(栄養バランス)
運動
睡眠の質
です。
自律神経が整い、体中に正常に血液と栄養が循環すると、心臓への負担が減ってドキドキすることが減っていきます。
セロトニンが安定的に分泌されることで、安心感や幸福感を感じられるようになります。
3.不安対策②:環境(自分の外側)⇒状況分析する
環境が変化したり、特定の状況に遭遇すると不安感が高まることもあります。
いつもと違う
自分が落ち着ける環境と違う
いつも通りのリズムが崩れた
ようなときに、未知の事態が起きうることを想像して不安を感じます。
環境が変化したり、一緒に行動する人が自分が想定していないことをしたり言ったりするのは、自分一人の力で止めることは出来ません。
環境や状況の変化や他者の言動を受け入れることが出来るならそれが一番です。
受け入れる、とは、あえて良いものと捉えるとか、賛成する、自分の意見を曲げる、ということではありません。
ただ「ある」ことを認めるだけです。
受け入れることが難しい場合は、不安を呼び起こす状況が自分にとって必要なものかそうでないか、を仕分けましょう。
例えば「会社の会議の前には常に不安になる」という場合。
会議は逃げるわけにはいきません。
ですので、不安対象の「会議」を分析しましょう。
出席者の顔ぶれによるのか?
会議の内容で不安になっているのか?
自分の役割に自信が持てず不安なのか?
これだ、と思ったものに対策を立てましょう。
しかし合コンの前に不安になる、というなら、無理に参加する必要はないのでは。
4.不安対策③心理面(自分の内側)⇒正体を分析する
身体面や外的な条件を整えてもなお不安を感じてしまうものです。
病気だったらどうしよう
彼氏・彼女に嫌われたらどうしよう
将来、お金が無くなったらどうしよう
探そうと思うといくらでも出てくるのが、自分の内側から湧き上がる不安の種です。
不安とは、正体不明です。正体が分からないから怖いのです。
まずは「○○が不安だ」というなら、○○を分析しましょう。
例えば「将来お金が無くなったらどうしよう」という場合。
キーワードは「将来」と「お金」です。
お金は稼ぐか貯めるか使わないようにするか、の3つです。自分がやりやすい方法で対処しましょう。
将来が不安な時は、5年後、10年後、20年後に遭遇する可能性がある出来事への大まかなシュミレーションを行いましょう。
これは逆に具体的すぎないほうがいいと思います。
具体的すぎると「こうならなくてはいけない」と自分を縛ってしまい、小さな修正を受け入れられなくなります。
シュミレーションに基づいて、必要なものをピックアップし、要らないものは後回しにしましょう。
5.不安対策における「自助」と「共助」
防災対策では「自助」「互助」「共助」「公助」の4段階があります。
防不安対策における「自助」とは、
生活リズムを見直して自律神経を整える
自分が不安を感じやすい状況や想定を分析し、シュミレーションを行う
ことを指すでしょう。
「共助」は、
家族や友人に不安を打ち明ける
カウンセラーなどの専門家に相談する
医療機関を受診する(不安障害等の気分障害の場合)
が該当します。
6.まとめ
不安な感情は誰でも嫌なものです。
不安とは、本能が「これは危険だ」と知らせている信号です。
だから反射的に打ち消すための色んな努力をしてしまう。
努力をすること自体は悪いことではありませんが、行き過ぎると関係ない生活サイクルの阻害要因になります。
不安を完全に取り除こうとするから出来なくて無力感に襲われたり不安自体が増強されてしまうのです。
不安は消えません。でも、軽く小さくすることは出来ます。
小さくなれば、対処しようという前向きな見方が出来るようになります。
不安への備えは、可能な限り正体を知り、対策を立てることで、今感じているよりも小さく軽くすることを目指しましょう。