仕事上でのうつ病リスク要因とは
改めまして、新年おめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
あっという間に今日も2日。明後日には仕事始めですね。
仕事を思い浮かべると、つい気分がブルーになりがちです。
生活していく上で仕事は必須ですが、その仕事が元でうつ病になる人は増加の一途です。
では、職場にはどんなうつ病リスクが潜んでいるのでしょうか。
1.環境
うつ病と似た症状を呈する疾病に「適応障害」があります。
人は、外部環境に自分を適応させて、その中で自分の役割を果たしたり、欲求を満足させたりして生活していきます。
ですから、小さなものであっても、一見喜ばしいことであっても、環境が以前と変わる、ということは、それだけでエネルギーを消耗します。
変化した環境に、自分の役割を見出すことが出来なかったり、今までのやり方が通用しなくなったり、以前はあったはずの評価がさがったりすると、当然ですが心的ストレスになります。
環境に合わせられず苦しむこともあれば、必要以上に適応してしまうことで自分に過度の変化を要求する「過剰適応」状態となる可能性もあります。
2.モチベーション
自分の仕事に100%満足しきっている人は少ないと思います。
「好きを仕事にする」というフレーズはよく聞きますが、それを実現するのは並大抵のことではありません。
現実的には、「今の仕事を好きなる」ほうが手っ取り早いです。
と、分かっていても、仕事は楽しいことばかりではありませんから、どこをどのように好きになればいいのかが分かりません。
毎日繰り返している仕事で、自分なりに努力して継続しているのに、それ以上のものを求められ達成できずに叱責されたり落ち込んだりすることが続けば、「やりたくもないことで嫌な思いをしている」と考えてしまっても不思議ではありません。
3.適性
<2>と同様に、自分に合っている仕事をしている人ばかりではないと思います。
本当は一人でこつこつ作業をするほうが向いているのに、組織の都合上接客業務が多い部署に異動になったり、またはその逆もあるでしょう。
それ以前に、自分の適性は何なのか、も分からなかったり、適性を活かせる仕事とは? と悩んでいる方も多いと思います。
自分の長所や特技を発揮できる仕事=適職に就くことが出来れば、毎日やりがいを感じながら働くことが出来るので、多少の失敗や叱責は「学習体験」として乗り越えることが出来るでしょう。
しかし「そもそもこの仕事は自分に合っていない」のであれば、人並みにこなすだけでもかなりの努力を要するし、つらい経験を乗り越えることへ価値を見出せません。
4.3条件が損なわれた時に現れる問題
では、環境・モチベーション・適性が欠けたら何が起きるでしょうか?
それは、
・メンタルストレスの増加
・過重労働の発生、継続
・ワークライフバランスの崩壊
です。
変化した環境に自分の考えや仕事のやり方を合わせるためには、以前はしなかったような配慮を、仕事をしている間中続ける必要があります。
緊張の連続はメンタルを疲弊させます。体の疲労と違い、メンタルは眠っただけ、横になっただけでは回復しません。
どこかで緊張が不要な状態になれなければ、いずれは心の病へつながる可能性があります。
モチベーションや適性に沿わない仕事をこなさなければならない時、他の人よりも時間と体力でカバーしなければいけない状況になります。
他の人(適性やモチベーションが十分な人)が1時間で終わる仕事を、自分は2時間、3時間かかってしまうかもしれません。
しかしほとんどの職場では、時間がかかる(適性・モチベーションがない)から、という理由で業務量を考慮してくれません。
自然と、残業が増え、過重労働が習慣化してしまう恐れがあります。
残業でカバーする習慣がつくと、当然帰宅する時間が遅くなります。それだけでなく休日出勤をしたり、振替休日を取得しなかったり、有給消化も出来なくなります。
結果としてワークライフバランスが崩れ、心の健康を損なったり、家族との関係に悪い影響が出たり、身体的な健康も損なわれるでしょう。
5.自分のせいにしないことが肝要
上記の3条件が揃わなかったとしても、誰もがうつ病やその他の健康を損なうとは限りません。
3条件が揃わなかったときに心の病に繋がってしまう人の特徴として、「全て自分のせい」と考えてしまうことがあげられます。
こんな風に考えていないでしょうか。
自分自身が無関係、ということは無いと思います。全ての中心は自分です。
しかし、全ての「原因」が自分、ということはないです。
上記1~3を読み返してください。
環境の変化が無ければ、自分が興味を持てる仕事を出来ていたら、自分のスキルに見合った仕事なら。
そしてこの3つが揃わないのは、外的な要素も多分に絡んで出来上がった結果にすぎません。
自分が好きで特性を活かせる仕事を安定して続けられればベストかもしれません。
ただし、そうではない現実の原因は、無数にあります。
自分自身も、その中の一つに過ぎないことを忘れず、自分ばかりを責めないことが肝要です。
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