思春期の継娘と観た、映画『インサイド・ヘッド2』
先日、『ブルーピリオド』を家族三人で観た話を記事にしましたが、実はこの夏、いつになく映画館に足繁く通っている私は、その前にも家族三人で観ていた作品がありました。
『インサイド・ヘッド』は好きな映画のひとつ。
主人公ライリーの脳内の感情を擬人化して、五人の感情たちがライリーの人生が幸せなものになるよう、協力し合うというストーリー。
それぞれのキャラクターも個性的で可愛いし、感情=心の中(或いは心臓)と曖昧に定義せず、脳内としているところが、大人にもこどもにもわかりやすい内容に仕上がっている秘訣だと思いました。
楽天家の私は、ヨロコビが断然好きなのですけれど、前作では、カナシミが人にとって不可欠で大切な感情であると説いているところが、観る人へ向けた最大のメッセージなのではないかと感じました。
前作だけでも充分に秀逸な作品だと思ったのに、本作では更に四つの感情を投入して、思春期の複雑な心境を表現しており、思春期に突入しているツムギと観るには、最高のタイミングだったと思いました。
また、継娘の愛着障害の可能性について、感情が未熟であるという視点を得た私には、子供の頃から見守る感情(ヨロコビ・カナシミ・イカリ・ビビリ・ムカムカ)と今回新たに参戦している大人の感情(シンパイ・ハズカシ・イイナー・ダリィ)を明確に分けて、ライリーの成長と共に歩ませているところは、なるほど、ツムギはこの感情が育っていないのかな?など、想像をより具体化してくれて、理解しやすい表現になっていました。
最近のツムギに、よく言っている言葉があります。
「ツムギちゃんの気持ちはわかるよ。私だって、中学生をやってたことあるんだから」
自分自身の小学生以前の感情は朧げですが、中学生辺りからは、親や先生などの大人たちに反発を感じた心の動きや、友達との会話の詳細、まるで世界中のことを知ったかのような強気な気持ちと、ちょっとしたことで味わってしまう消えてしまいたい願望、それをハッキリと思い出せる瞬間が格段に多くなります。
私たち大人は、間違いなく、この思春期の、よくわからない自分と戦い、そして自我を勝ち取ってきた。
だから、その記憶が呼び覚まされて、ツムギのブレブレな心を見ていると、微笑ましく、愛おしいのです。
ライリーもまた、大人の私たちに、そんな可愛らしい姿を存分に見せてくれます。
今、私は、ツムギの感情にラベリングをしてあげる作業を試みているのですけれど、この映画を通して、ツムギの感情を想像する幅が広がったように思います。
そして、自分が主人公の思春期物語に出演中のツムギにも、映画の感想を聞いてみました。
「それぞれの感情のキャラクターの中にも、ヨロコビとかカナシミとかの感情があるところが面白かった」
そうだね。
それがまた、人の感情を複雑にしているのかもしれないね。
自分の感情と向き合うことは、大人になった今でも難しいけれど、この映画が教えてくれているように、ポジティブな感情もネガティブな感情も、どんな感情とも仲良くして、幸せというひとつの目標に向かって、楽しく協力し合っていってほしいなぁと願っています。