観察力の鍛え方
昨年のnoteフェスの初投稿から早1年。
全く投稿してなくて、noteは見る専門になっていたが、読書の秋という、読書好きにはちょうどよいお題があったので、奮起してnoteを書くことにした。
世界の解像度の違いとは?
同じ物事を見ていても、なぜ人によって見え方が違うのだろう。
著名な人達の多角的な視点と自分との差ってなんだろうとずっと疑問に思っていた。
それに対して私は、
「持っている知識や経験の差」
と考えていた。
自分にはない豊富な知識や経験があるから物事を多角的に見れるのだと。
だから、たくさん知識や経験を積みたいと思っていた。
最近、それに対してある一つの考えを提案してくれる本を読んだ。
佐渡島庸平さんの「観察力の鍛え方 一流のクリエイターは世界をどう見ているのか」だ。
よい観察は仮説を更新し続けること
本書で佐渡島さんは、仮説→観察→問いのサイクルを回せと言っています。
そして、そのためには、真似て、型を見つけることが大事だとも言っています。この話を聞いた時、あ、スポーツの習得のことか!と私の中で繋がった。
中学校の部活で初めて軟式テニスを始めた時のことを思いだしてみると、
①まず、上手い先輩のフォームを見様見真似でラケットを振ってみる。
②全然想像していたようにラケットを振れない。
③自分と何が違うか考えながら観察してみる。
④腕の位置や重心の違いに気づく。真似てみる。
⑤何度も繰り返しているうちに、意識しないでもできるようになるが、ボールが飛ばないといった新たな課題が出てくる。
こうやったら上手くなるんじゃないか?という仮説を持って観察し、試行錯誤していく。テニスに限らず他のスポーツや習い事でも多くの方が経験したことがあるのではないだろうか?
観察力と聞くと何か特別な技術が必要なのでは?と少し身構えしまう感じがしますが、実は身近に無意識にやっていることも多くて、だからこそ意識し直す必要があるんだと思いました。
わかったと思ったら観察は止まってしまう
この本を読んでて、面白いなと思ったのは、この本は佐渡島さん自身の仮説であって、答えを提示していないということです。
あとがきにも書いてあるし、読んでみるとわかりますが、佐渡島さんが思考した形跡を一緒に辿っていく感じがします。
もし、この本が一般的なビジネス本みたいに、「観察力を鍛える方法は、これだ!」と言い切ってしまうと、観察は止まってしまい、それ以上のものは得られなくなってしまう。何より佐渡島さんの仮説にも反してしまう。
筆者と読者一緒になって考えるスタンスの本はあまり読んだことがなかったので、新鮮だったし、わかった気にならずに自らの思考も深まった。
いい経験とは?
冒頭の私の仮説に話を戻すと、
知識や経験の差は世界の見え方(観察力)に影響するか?
おそらく、いい意味でも悪い意味(バイアスとして)でも影響する。でも、当然それだけでは世界の見え方は変わらない。無意識から意識下に観察をおいて、仮説と問いを更新し続けることも必要そうだ。
実はこの本を読んでから、いい経験って何だろう?と新たな問いが生まれて、自分の頭の中でぐるぐる回ってる。経験に関する書籍も読んでみたくなった。
この他にも、観察を歪めるバイアスや感情についてや、具体と抽象の話も出てきて、とても面白いので、観察について一度立ち止まって考えてみたい人におすすめです。
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