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1.2秒をじーっくり味わうカレンダーを作った話

あまりにも遅すぎる着手だった。
というか、いつも着手は遅い。
今回もそうだった。

おおがまめおさんと会ったのは、虚屯出版の開店を間近に控えたタイミングだったように思う。おおがさんは、2020年に虚屯で展覧会「404」を開催(企画しました)、その後なんと雑誌『ビッグコミックスペリオール』に作品が掲載され、なんだか忙しくなっている様子の漫画家(でいいのかな)さんだ。

おおがまめお個展「404」(2020、虚屯)Photo:Azusa Kunimatsu
おおがまめお個展「404」(2020、虚屯)Photo:Azusa Kunimatsu
ビッグコミックスペリオール 2021年10月8日号 P311
『君がトんでも世界は変わらないので。作・おおがまめお』

福岡にいるということで連絡をもらって、manu coffeeで近況を話した。そこで思いついてしまった。「虚屯出版のカレンダー作ってほしいいい」と。
でももう12月が見えているタイミング、ほらやっぱり着手が遅い。でも、おおがまめおの2022カレンダーを虚屯出版で出すことは必然的な使命のようにも思えた。そこからブレストが始まる。1年前の展覧会のために、いろいろな話を重ねてきたのでアイデアの展開が早い。初期段階でカレンダーが持つ「時間」の要素がテーマになることが予感できたように思う。途中のやりとりについて詳細は覚えていない。

それから10日ほど。おおがさんから上がってきたのは、スノードームを投げて受け取る1.2秒の物語だった。このほんの一瞬の出来事を、12カ月の挿絵として12コマにする。スノードームの中には、それぞれの月の星座が小さく小さく描きこまれている。一瞬の出来事を、ギューーーーっと1年間に引き伸ばす。カレンダーそのものの有り様を再提示されている感じがした。

おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」アニメーション

そして出来上がったのが、おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」だ。そのまま壁に貼ってもいいし、すべて切り離しで置いてもいい。切り離せばパラパラ漫画にもなる。しかし、いかんせん発売日が遅すぎる。カレンダーには使用期限がある。このカレンダーがそれ以外の要素を持っているとはいえ、でも2022年のカレンダーには違いない。

おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」
おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」
サイズは210 × 841mm

「もっと早く着手していれば…」と思っている、正直なところ。2022年はそんなことにならないはずだ。このカレンダーを見れば、1年があっという間に過ぎてしまうこと、そして着手が遅すぎることを思い出さざるを得ないから。時間の尊さを毎日思い出すためにも、自宅の一番見えるところに貼ることにする。

おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」は、虚屯出版他で販売しています。価格は1部990円(税込)です。

虚屯出版で販売しています(JR筑前前原駅から徒歩5分)

おおがまめおカレンダー2022「1.2/31,560,000」
虚屯出版

そうそう、「虚屯出版とは何か」についてはまた改めて。


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