「業務改善の問題地図」最速を目指したレビュー
・・・・しまった、店頭で買うべきだった・・・・。この本はAMAZONで予約をしていたが、発売日の11月6日には届かず・・・週末の書店で買ったというSNS上の報告を見て地団駄を踏む・・・・そんな週末明けの月曜日、早速到着した沢渡あまねさんと元山文菜さんの共著「業務改善の問題地図」を早速読みましたのでレポートを書こうと思います。じっくり読んでからと思いましたが、やっぱり宣伝効果(どれくらいあるかは不明)を考えると早いほうがいいという事で最速を目指して書きまーす。
JAWS DAYS2019で存在を知りPRLTで初めてお会いし、この間「ここはウォーターフォール市アジャイル町」を出したばかりの沢渡あまねさんと昨年RPAコミュニティでお会いした元山文菜さんという「お会いしたお二人」の共著という事で読む前から胸が高まります!
・・・とはいえいつものイベントレビューみたいに中身を書いちゃうとネタバレになりかねないので、ざっくりとした感想だけを書きます。
佐久間ダムについて
まず、なぜか佐久間ダムの話をします。なぜダムの話と言いますと・・・とにかく「はじめに」を熟読願います。佐久間ダムは静岡県浜松市の真北にある天竜川にある高さ155メートルの重力式コンクリートダムです。ダムです。天竜川沿いには長野県の県道一号線から続く、静岡県の県道一号線が走り(もんのすごく山の中の道です)その昔バイクで行ったことがあります。記憶に残っているのはこのダムを作った時の事を書いたパンフレット。かなり厳しかったみたいです。あと隣を走る細いトンネルはマジで怖かったです。
共著なのに
この本は沢渡あまねさんと元山文菜さんの共著です。共著というとここアジャのようにストーリーと解説とかという分担がよくありますが、この本は前半(1丁目~3丁目)が沢渡さん、後半(4丁目~6丁目)が元山さんが執筆したとのことです。・・・・読んでから知りました。こういう分担の仕方って、いきなり内容とかが変わったりして戸惑う事が多いのですが、この本は「すっ」っと切り替わりました。あとで分担を聞いてから初めて「言われればあまね節が無いな」とは思いましたが、読んでみてほぼ違和感がないというか・・・とにかくスムーズにつながっているというイメージです。編集の方が素晴らしいのかあまねさんと元山さんの考え方が近いのか・・・ホント読んでみて違和感はなかったですね。(個人的な感想ですが)
視点
業務改善といえば、どうしてもテクニックとかプラクティスの解説みたいなものになりがちですが、実際にやってみると大変なのは様々な障害ですよね。ベクトルが合わないとか、あきらめムードとか、ちょっとえらい人のやんわりとした抵抗とか、ツールにこだわりすぎたりとか、いろんな抵抗を受けたりとか、情熱が続かないとか・・・・いろんな障害があって、やる事そのものよりもそっちのほうが大変です。この本はそちらのほうを中心に解説されています。・・・ホントありがたいです。
前半について
沢渡さんのパートです。「1丁目」が「問題意識がバラバラ」、「2丁目」が「無力感」、「3丁目」が「中間管理職ブロック」です。「1丁目」では意識の問題ですが確かに本当に関係する人たちは関心度や熱さも、理解も、出そうとする答えも・・・みんな違いますよね。実際に改善する人たちの意識のベクトルを合わせるってすごく大事です。「2丁目」はものすごい理想を目指すのではなく身近なリアルな問題に取り組み、その改善もふりかえりをして見える化することで、改善の成果と次にやることを明確にする。「3丁目」は中間管理職としてドキドキして読みましたが、その立場にまで配慮していただき(笑)・・・・ うれしいです。・・・それと監査とかの指摘・・・と無難な回答でごまかそうとする管理部門が無駄な仕事を増やしている現実はホントそうですよね。
後半について
後半は元山さんのパートです。「4丁目」の最初ではいきなり「定着化」から!・・・ホント作るのに夢中になって、ぞれを持続する事を忘れてること多いですよね。大事なのは自分達で継続的に改善を持続していく事。そこからECRSですね。廃止が一番で次が結合と代替、そして単純化の順で考える。廃止が一番ですよ。「5丁目」で抵抗勢力を「5つのモンスター」に分類して対応方法を示し・・・やっぱり話し合っていくしかないですよね。モンスターはいつもモンスターなのではなくて、なにか理由があってこの時はモンスター、この時は支援者となることが多いですよね。「6丁目」ではその場しのぎではなく、本当にやらないといけない改善に力を注がせる・・・これはまさに緊急重要マトリックスですし、そこからどうやって時間を作るか・・・1日12分の論理・・・とかはホント考え方ですよね。前にひと月に1日分外部で勉強をする・・・これは5%・・・みたいに示すと時間がないなんてないですよね。・・・そういった具体策があってうれしいです。
全体を通して
まだ一周半くらいしか読んでいませんが、勝手に思ったこと。最近のあまねさんの「共著」ラッシュ!! そういえば某ロックバンドが「対バンライブ」しかしないというポリシーを主張していましたが、その裏には「自分の利益だけでなく、その界隈(ロック)全体のムーブメントを盛り上げる」という意図がありました。・・・もしかしてそういう意図があるんじゃないかと思います。以前から掛け声だけからムーブメントになってきた「働き方改革」ですが、このコロナ禍になって加速というか必然性が出てきた感もあります。ここで改善やITに投資して変わっていく企業とそうでない企業は、ここから大きな差がつく・・・・そんな話も出ています。変われるか変われないか・・・それはあなた次第です!