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佐々木慧太
2017年1月20日 08:30
関係の境界線を曖昧にすることは、暗黙の了解なしには不可能だ。言葉にしてはならない取り決めが人間同士の距離を保つのである。僕は、それが他人と自分が別人格なのだと認識するための方法だと確信している。それが唯一の方法かどうかはこの際どうでもいい。とにかく僕はそうだと考えた。身体も精神も、この境界線がなければ観念でしかない。観念を視認化し、身体と精神を表現するということは間違いなく、曖昧にひかれたその
2017年1月8日 14:10
午前六時三十分。寝る前にセットしておいた目覚ましの不協和音は、なにくわぬ感じで、いつも通りに僕の気分を最悪なものにする。非常に迷惑だ。ひと息つく間もなくベッドから飛びあがり、もそもそと出かけるしたくをする。仕事の準備だと思ってしまうと途端に気分が滅入ってくるので、電車に乗るまでは極力今日が仕事だとは考えないようにしている。電車に乗ってしまえば後戻りができないので、そこから先はながれに身をま