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命を守る自粛が、命を危険にさらす

コロナウイルスの感染が拡大し、緊急事態宣言により不要不急の外出をひかえる事態になっています。

コロナウイルス感染拡大を防ぐために、外出を自粛し、子ども達は学校もなくのんびりと過ごしています。塾ですら、オンライン授業になっているのですから、ストレスが溜まっていると思います。

ご家族もテレワーク・リモートワークになっているかたもいらっしゃるので、ご自宅でお仕事をされていることもあるでしょう。

当然のことですが、突然、子育てとお仕事の両方の狭間で悩むことになる方も多いと思います。

なまみさんは、いろいろ悩み、考えながら、スケジュールを決めて生活をしていくようになられて、お子さんやご主人とも幸せにおすごしになられていらっしゃるのです。とてもステキで、読ませていただきほっとします。

しかし、こういうご家族ばかりではありません。

すでに、子ども達も大人も、ストレスを相当溜めてしまっています。

どこかに行きたい、出かけたい、息が詰まりそう、そんな思いが聞こえてきそうです。だから、みんなで「スーパーに買い物に行くのならいいやろ!」とばかりにスーパーに家族みんなで行ってしまうのだと思うのです。

もっと悲しい現実も見えてきます。

フランスの事例ですが、日本でも同じようなことが起こっているのですが、報じられることは、あまりありません。

家にいて、DVを受けやすい環境になってしまうのは、どれほど辛いでしょう。多くの方が「スーパーに行く」だけでも喜びになってしまうくらいストレスを溜めてしまっている状況です。DVを行う側の暴力が激しくなっていることは十分に想像できてしまいます。

子ども達への虐待も同じです。

実際に、私のところにも、お父さんからの性的な虐待を受けているというある中学3年生の女の子からの相談の電話がありました。

勇気を出していろんなところに電話をしたけれど、つながらず、助けを求めてあちこちに電話をしたと泣きながら電話をかけてきました。

お母さんは関わりたくないのか知らん顔で助けてくれず、お父さんに性的な暴力を受けながらも、そんな状況でも、警察にだけは電話ができないと話してくれました。それでも、その状況を我慢してはいけないことを伝えました。

電話をおいたあと、本当に、本当に悲しい気持ちになりました。

あとで警察の方から、ご本人から伝言を頼まれたとご連絡をいただき、無事に保護されたことがわかりほっとしたのは5日前のことです。

自分だけでなく、多くの人の命を守るために、自粛しているはずなのに、そのことが、人を命の危険に晒していることも、私は忘れないようにしたいと思うのです。

もちろん、私たちが「自粛する」その最中に、懸命に闘ってくださっている医療従事者の方々がいらっしゃることも、忘れないようにと思っています。

医療従事者の方々がどれほど辛い思いで、最前線でがんばってくださっているかを考えると、胸が痛みます。

hatoさんがこう思われる気持ちを、否定される方もいらっしゃるかもしれませんが、私はhatoさんの気持ちがわかる、なんて軽々しく言えることではとてもないと思っています。

どれほど心ない言葉に傷つき、苦しんでいらっしゃるかなんて、想像できるようなものではありません。

四谷三丁目さんがおっしゃっているように、それほどまでに、過酷な現場で最前線で本当に戦っていてくださる方々のことも忘れないようにしたいと思うのです。

このコロナウイルスの感染拡大は、どのようになっていくのか、そして、どうなれば自粛をしなくて良くなるのか、全くわかりません。

今の状況から考えると、リーマンショックのとき以上に日本の経済は厳しくなることは、誰にでも想像できます。

とりあえず、中小企業の経営者の方々は、緊急融資や助成金・補助金でしのいでいかれるとは思いますが、それでも厳しく、経営破綻して自殺してしまわれる方が、すでにいらっしゃると思います。

「命を守る」はずの自粛が多くの人の「命を危険に晒している」ことも間違いなく事実です。

自粛が悪いと言っているのではありません。感染拡大を防ぐために、自粛をしている、その自粛のために苦しんでいる人たちがいることを、私は忘れないようにしたいと思うのです。

私に何ができるかを考えるときに、まず、このことを心にしっかりと刻んでおきたいと、そう思うのです。

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Keisuke Tani
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