
多様な学びの場と学校教育(17)
多様な学びの場は本当に必要なのか?
今日も私のnoteにお立ち寄りいただきありがとうございます。
多様な学びの場と学校教育について考えてきました。
子ども達の将来のために、教育にもっとお金をかけて欲しいと、政府や地方自治体に訴えていく必要があるのは、お子さんがいらっしゃるご家族であれば、誰もが考えることだと思います。
今、高校無償化の議論が国会でされています。
高校無償化は有り難いことですし、良いことだと思います。
しかし、無償化の議論の前に、高校教育に対してもう少し議論も必要だろうと思うのです。
高校では何を学ぶのか?
何を子ども達に学んでもらうのか?
学習の中身ではなく、人として、何を学ぶ場なのかと言うことの議論が必要なのではないかと私は思います。
もっと言えば、多様な学びの場は本当に必要なのでしょうか?
その前に考えないといけないことはないのでしょうか?
子どもが学校に行けなくなった時に、ご家族はとても心配になります。
どうしていいかもわからず、子どもの将来がどうなってしまうかと不安で仕方がないと思います。
それは当然だと思うのです。
では、なぜ不安なのでしょうか?
これまでにもこのことは、何度も繰り返し問うてきました。
不安になるのはなぜでしょう?
子どもの将来がどうなるのかわからないということの裏側には、子どもの将来はこうであって欲しいという思いがあることにはお気づきでしょうか?
ご家族がここまで生きてきて、「こうであったらいいよね」と思ったことがベースになっていることから、子どもにはそのようになって欲しいと、どこかで思っているとお分かりでしょうか。
あくまで、それは、ご家族が生きてこられて、頭で考えたり、感じ取ってきたりした結果なのです。
その通りに行かない、ご家族の価値基準にない動きを、お子さんが不登校という形で行った結果、ご家族は不安になっているのです。
この不安の中に、「この社会でやっていけるのか?」ということがあります。
子どもの社会である、「学校」に行けないということで、大人になっても「社会」でうまく生きていけないのではないか、と無意識に感じているのです。
その社会を見てみると、多様性だと言いながら、多様性を受け入れているかと言うと、受け入れている部分と受け入れていない部分とがはっきりとあります。
国の制度として、生活保護があります。
生活保護を受けて、生活されている方が、今の日本にはたくさんいます。
厳しい社会環境の中で、働くことができずに、あるいは、一人親として子育てをしながら、懸命に生きている方がたくさんいます。
この方々には、あたたかく支援していこうとする部分を感じます。
一方で、8050問題のように、働くことできず長期化するひきこもりについては、厳しい見方をする方も、正直なところ、まだまだ多いと感じています。
こうしてひきこもって苦しんでいる方に、「怠けている」「楽をしている」という批判を度々、目にします。
それ以外にも、社会は意外と多様でないと感じることはありませんか?
「こうでなければならない」というものがたくさんあり、息苦しく感じることがありませんか?
多様性の時代だと言いながら、人と違うことを望んでいないことを、私たちはどこかで感じているはずです。
それなのに、学校に行けなくなって悩み苦しむ子ども達には、多様な学びの場を提供し、「学校に行けなくてもいい」と言って、高校に通えなくても通信制高校があるから、通う日数は少ないけど、「高卒資格は取れる」と勧めていたりするのです。
そこに大きな矛盾が存在しているにもかかわらず、子ども達に多様であって良いと言いながら、どこかで、「でも、社会に出るまでには、みんなと同じように出来るようになって欲しい」と言っているように感じてなりません。
不登校を否定しているのでも、通信制高校がダメと思っているのでもありません。
子ども達には、
「いろいろな考え方があっていいし、いろいろな生き方があって良いと思う。だけど、社会で生きていくには、社会で生きていくための一定のルールがあり、みんなと同じようにできないといけないところが厳然とあることは、わかっておかなければならない。」
ということを、大人は隠さずに伝える必要があると思うのです。
もちろん、そんなことは子ども達は知っているのです。
知っているのに、大人たちが言わないのはおかしいと感じているのです。
私は、これまでずっと一貫して、
「学校に行くということ、社会に戻る、社会に出るということは、比較され、競争させられ、叩かれることが多々ある。だからこそ、自分をしっかりと作り、自分の良いところをしっかりと見つけ、折れないしなやかな心を作ってから戻らなければ、再び動けなくなってしまう。だから、慌てず、しっかりと自分と向き合ってから、社会に出て行って欲しい。」
と言い続けてきました。
子ども達が、再びひきこもり、自らの命を絶つようなことがないように、厳しいことも遠慮なく言わせてもらってきました。
子ども達の将来が明るいものであるために、現実を直視して欲しいと伝えてきたのです。
多様な学びの場があり、子ども達の未来が明るいものになっていくためには、こういうことも伝えていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
