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多様な学びの場と学校教育(8)

学校という枠で考えないとしたら?


今日も私のnoteにお立ち寄りいただきありがとうございます。


小学校、中学校を不登校になった子ども達が、オルタナティブスクール、フリースクールなど、多様な学びの場で学ぼうとしても、高校入試が手かせ足かせになってしまう可能性があることを、前回までお伝えしてきました。

多様な学びの場で学んだとしても、高校入試があるために、そのことを生かしきれないこともあります。

そのため多様な学びの場にも制限がかかってしまうようなところがあるということも、ご理解いただけたのではないかと思います。

中学生になって、学校に通えなくなったときに、高校への進学を考えると、家にいる状態で、なかなか学習まで気持ちが行かず、学力の心配が出てくることがあります。

そうなると、中学で学校に通えないと、一般的に、全日制高校への進学はかなり難しくなることは、十分にお分かりいただけると思います。


また、高校の学習は、公立高校でも、進学校と学習があまり好きでない子ども達が通う高校とでは、学んでいることがかなり違うことも、お分かりいただけると思います。


そうなってくると、同じように「高校卒業」と言っても、出来ることにかなりの違いが生じることは、当然のことです。


それなら、一層のこと、国公私立高校全てで高校入試を撤廃し、どこでも好きな高校に行っていいことにしたらどうでしょうか。

その代わり、卒業までの定期テストはこれまでと同じように実施して、成績をつけることにするのです。

それであれば、高校がどのような授業をするかにもよりますが、今と同じような授業を各校がすると、結局、進学校では、学習を一生懸命にする子ども達が集まってしまいますし、結果的に、それぞれの高校では、今と同じような状況になってしまうのではないかと考えられます。

中学校に通えない子ども達にとっても、入試はなくなっても、結果的には、同じように学習しないといけないことには、何も変わらないことになります。


では、小・中・高で学習指導要領も撤廃し、高校入試もなくしてしまい、それぞれの学校で独自の授業を展開して良いことになったとしましょう。

全ての学校が、独自の授業を展開できるようにするのです。

そうすると、学校が多様な学びの場となり、そこでの学びができることになります。

オルタナティブスクールやフリースクールに通っても、学校に通っているのと同じことにもするとします。

言い換えれば、オルタナティブスクールやフリースクールも学校という扱いにするのです。

こうなると、完全に、自分の学びたいこと、好きなことを学べるようになり、学校に通えないということはものすごく減るかもしれません。


入試があるから勉強するのではありませんし、受け身で学習することもなく、自分が学びたいことを学べる学校で、真剣に学べるかもしれません。

その代わり、小学校・中学校・高校の「卒業」というものの意味がもっと今とは異なったものに変化することになります。

それならば、もう「学校」というものでなくても良いかもしれませんし、習い事と大して変わらない感じを受ける方もいらっしゃると思います。


学校に通えない子ども達と接していて、極端にこういうことをおっしゃるご家族、フリースクールの先生がいらっしゃいます。

学校なんてなくしてもいいんじゃないかと。

確かに、学校というものでなくても良しとすると、本当に多様な学びの場を作ることができることは、間違いありません。

多くの子ども達が、主体的に学ぶことができることは間違いありません。

学びたいことを学べるところで、本気で学ぶことができます。

また、学びたくないものについては、学ばなくて良くなるのですから、子ども達にとって、これほど学びやすい環境はないはずです。

こうしてみたら、どれほどすばらしいかと思う子ども達が、数多くいるのではないかと思います。


多様な学びの場を作ることが出来ることは間違いありませんが、もし、本当にそうなったとき、子ども達は、主体的に学ぶのでしょうか?

本当に子ども達が学びたいものだけ学べばいいのでしょうか?


次回はそのことを考えてみたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました。




フリースクール・パーソナルアカデミー


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Keisuke Tani
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