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多様な学びの場と学校教育(16)

教育とお金の問題

今日も私のnoteにお立ち寄りいただきありがとうございます。

多様な学びの場と学校教育について、ずっと考えてきています。


前回、学校の統廃合をする前にできることがあるのではと、書かせていただきました。

学校の統廃合については、法的な問題もあり、統廃合を進める必要があることも、理解はしています。


ただ、そのようなことは、市町村長、市町村議会、各市町村の教育委員会等で議論して、教育行政としてしっかりと方向性を打ち出せばいいだけのことだと思います。

子ども達のために、安易に統廃合するのではなく、少ない人数での学校運営をすることによって、子ども達の未来のための教育を真剣にやっていくように、私たち国民が、地方自治体に対して、しっかりと要求して良いことだと、私は思います。


ところで、私は行政は教育にあまりお金をかけていないと、長年、思っています。

税金だから、考えて使わないといけないというのが、基本であることはわかります。

様々な法的な根拠があって、現在の学校教育の状況なのでしょう。


しかし、本当に子どものことを、ひいては将来の我が国のことを考えるのであれば、40人学級などと言っていないで、20人学級にすれば、先生の負担はかなり減ります。

しっかりと、子ども一人ひとりと向き合うことだってできます。


いつも、コメントくださる廣田由佳さんが、同じnote

「【先生も子供も】自分が自分自身でいられる学校」

には、全校生徒60人の小学校で、人数の多い学校では、学校に行きたがらなかったお子さんが、今は毎日楽しく学校に通っていて、お子さんの話から、先生方も楽しそうだと書かれています。

一クラスの人数をただ減らしただけでは、こうはならないと思いますが、減らさないことには始まらないとも思います。


ここで、一番の問題は、「行政が教育にお金をかけない」ことだと私は思っています。

国や地方自治体が、税金を使って、行政サービスを行っているというのは、実は本当は少し違います。

ものすごく長くなりますから、そのことをここでは詳しくお話ししませんが、予算の執行には、国債を発行して、通貨に変えて、それを使っているのです。(詳しくお知りになりたい方は、検索してみてください。)

湯水のように使っていいとは思いませんが、もっと教育にお金をかけることはできるのです。

国の決算書でも、使わなかった予算がかなりあるのですから、それを考えても、もっと教育にお金をかけることはできるのです。

もっと言えば、「多様な学びの場」を確保するために、フリースクールやオルタナティブスクールに、補助金を出すことだってできます。

基準は必要でしょうが、一定の金額を助成することくらいは、やろうと思えばできるのです。


大手企業の中にはフリースクールの活動などに、助成金を出してくれているところもあります。

実際に、私もNPO法人の代表理事をしていたときに、JT(日本たばこ産業株式会社)やトヨタ財団などから助成金をいただいておりました。

市町村によっては、フリースクールに助成金を出しているところもありますが、少ないのが現状です。

こうした状況でも、良い例が、前回、書かせていただいた、公設民営のフリースクールです。

市の予算がついていて、安定した運営がされています。

こういうことが、もっともっとできるはずなのです。


私は、NPO法人の代表理事を辞めてからは、自分でフリースクールを運営してきました。

助成金をもらったり、予算がついたりすると、どうしてもお金を出してくださっているところへの報告書や、その企業や市町村からの要望に縛られてしまいます。

忖度する気はなくても、助成してくださった企業や市町村の「助成目的」に沿わないといけません。

助成していただくのですから、それは当然のことです。

それでは、学校という枠組みがどうしてもしんどかった子ども達に、こちらの思い以外の意図が働くために、運営側が、そのことで子ども達をしんどくさせてしまう可能性があったので、私は、助成金をもらわなくてすむような方法で運営を考えて、長年、フリースクールを運営してきました。


しかし、少しくらい助成してくださっている市町村や企業の意向を考えたとしても、「多様な学びの場」がたくさんある方が、子ども達のためには良いと思いますから、国は、もっと多様な学びの場を運営する側に、お金を出してもいいのではないかと思います。

もちろん、最もお金を出してほしいところは、学校現場です。

先生の数が足らないからこそ、先生一人当たりの子どもの数を減らせるように、30人学級さらには20人学級と子どもの数を減らし、先生の一人当たりの子どもの数を減らすことで、先生の負担が減らすことができれば、先生になりたい若者も増えてくると思います。

そうして、先生の数を増やして、先生方が心から楽しんで子ども達と共に成長できるようにすることは、お金をかけることができれば、それほどたいへんなことではないのです。


私たちが、どこかで「税金なんだから無駄遣いして欲しくない」という思いを持たされて、子ども達がこんなに通いにくくなっている学校であっても、お金をかけないように仕向けられていると言っても良いかもしれません。


今、「103万円の壁」の議論が活発になされていますが、私たちは、もっと子ども達の教育に、国がお金をかけて、子ども達の将来が明るくなるようにしていく必要があると思います。


子ども達が通う学校を良いものにし、さらには、学校以外にある「多様な学びの場」が子ども達のために、もっと安定した運営と活動ができるように、政府に働きかけていくことは、私たち大人が最もやらなければならないことではないかと、私は思っています。


今日はかなり堅い話になってしまいましたが、目の前の子ども達のことばかりではなく、その子ども達のために、そして、30年後、50年後という子ども達の将来のために、客観的に考えることも必要だと思い、お話しさせていただきました。


最後までお読みいただきありがとうございました。




私が相談員をさせていただいているフリースクール
パーソナルアカデミー


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Keisuke Tani
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