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新たなタイプの不登校(8)

発達障害と間違われる愛着障害(2)


今日も私のnoteにお越しいただきありがとうございます。


発達障害やグレーゾーンと言われる状態の子ども達と行動は似ているけれども、実は、はっきりとした違いがあるのに、わかってもらえずに間違えた対応をされてしまい、その結果、不登校になった子どもに出会ったことをきっかけに、なぜ、不登校になったのかを考えてきました。

それを「新たなタイプの不登校」として、お話しさせていただいています。


愛着障害は後天的なものであり、発達障害は、先天的なものだという違いは、お分かりいただけると思います。

前回に続き、もう少し具体的な例で考えてみます。

これは、どのような行動をとっているか、その背景には何があるかを知っていただきたいからです。


愛着障害の子どもは、「片付けること」ができません。

これは、片付けた方がすっきりするとか、片付ける方が気持ちいいという感情が育っていない、すっきりするから片付けよう、という意欲がわいてきません。

愛着障害の子どもは、「片付けること」自体ができないわけではありません。

ただ、感情的に片付けた方が気持ちいいから片付けようという気持ちにならないのです。

だから、言われてできたとしても、明日はできない、次はできないということが起こります。

感情に左右されるために、言っても言っても、できたりできなかったりになるので、子どもの成長を感じられず、周りの大人がイライラしてしまうことが起こります。

片付けるようにできるためには、片づけを一緒にしながら、できたこと、最後までやり遂げたことをほめて、片付いてすっきりしたこと、片付けてくれたことに対して「ありがとう」という気持ちを伝えることです。

あたたかく見守りながら、何度もくり返していくことが必要です。


ADHDの子どもも、「片付けること」はできません。

「できない」というよりは、「できないように見える」の方があっているかもしれません。

これは、実際に「片付ける」ということを最後までやり遂げるということができないからです。

部屋を片付けようとしても、途中で別のことに気がいってしまい、そこで終わってしまいます。

不注意もあるため、途中でほかのことに気がいけば、片付けることをいつのまにか忘れてしまいます

ですから、「片付ける」ことができるようになるためには、片付けることを、細かく段階分けをして、行動できるようにスモールステップで、一つずつ実行していくことで、できるようになっていきます。

だから、「できないように見える」のです。


片付けることを実行するためには、何から片付けるか順番を決め、どこに片付けるか場所を決めるということをしなければなりません。

自閉症スペクトラム障害の子どもには、これらが苦手なことが多く見られます。

優先順位をつけることが苦手、同時にいくつものことを考えること、行うことが苦手なために、順番を決められない、片付ける場所が決められないということがあります。

片付けるものが少なければ、片付ける場所は決められるし、きっちりとできるのですが、少し多くなると、もう順番はつけられない、本人は片付けたつもりでも、周りから見たら片付いていないように見えてしまう状態になってしまいます。

自閉症スペクトラム障害の子どもには、「こだわり」があり、ここにこれを置く、というこだわりがあると、どうしても片付けたようには見えないことがあるのです。

ただ、うまくこのこだわりが働くと、モノを置く場所が決まって、整然とならべていることもあるので、できるだけモノを増やさないことが、片付けられるようになるポイントだと思います。


このように、愛着障害と発達障害には、大きな違いがあります。

学校に行き渋り始めたときも、不登校になったあとも、どのように対応して、子どもを支えるのかで、そのあとの子どもの行動は大きく異なります。

このことを周りの大人が理解し、どのように子どもと向き合っていくのかを変えていくことで、子ども達が安心して、生きていけるようになっていけると、私は思っています。

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