学校は何のためにあるのか?(6)
学校への要求が増えるのはなぜ?
子どもが学校に行けないことで、ご家族も子どもも、ものすごく悩みます。
不登校の子どもが増えていることから、子ども達が疲弊していることがわかります。
子ども達が疲弊してしまう学校とは、いったい何なのか、どういう場なのかを考えたいと思ったことが、学校が何のためにあるのかを、もう一度考えるきっかけでした。
前回「学校は何のためにあるのか(5)」でお伝えした通り、学校も疲弊しきっていたのです。
その学校が疲弊している元になっていることが、学校の先生方の仕事量の多さであり、その仕事量を増やしている要因の一つに、ご家庭からの学校への要求・要望の多さがあることがわかってきました。
ということは、学校に要求・要望を出しているご家庭もかなり疲弊してきていて、ご家族が疲れているということの現れなのだと感じています。
もう少し言うと、ご家族に全く余裕がない、大人全体、社会全体にもう余裕がないということなのかもしれません。
たとえば、前回あげた学校から発出された「学校の役割と責任の明確化」にあげられていた、学校への要望は、どれも、本来、ご家族がご自身で解決しなければならないことばかりです。
これを学校側に要望することは、明らかに❝お門違い❞なのです。
これを、ご自身で解決するだけの精神的余裕が、ご家族にはもうないのだと考えられます。
余裕がないので、全部、学校に丸投げするしかないのです。
子どもがスマホをやりすぎたり、夜遅くまでLINEしているのなどということを、学校に頼まなければならないくらいに、子どもと話すこともできないほど、ご家族は精神的な余裕を失っている、ということにほかなりません
もうややこしいことはしたくない、面倒なことは避けたいという思いが見え隠れするのです。
できるだけ余計なことをしたくない、面倒なことはしたくないというのは、明らかに精神的な余裕のなさなのです。
スマートに、キレイになんてできないのが人間関係です。
親子関係でも、他人との関係でも、泥臭く、まじめに、誠実にやるしかありません。
このご家族、ひいては、大人の余裕のなさが、学校の先生方を疲弊させているということも、十分に考えられるように私は思います。
もちろん、学校の先生も大人の一人であり、子どもを育てる親なのです。
不登校には様々な要因が絡み合っています。
ですから、子ども本人の問題、学校内部の問題、家庭の問題なろいろいろなことが絡み合って、一つだけが原因とも言えないところがあります。
ただ、その中でも、ご家族、大人の精神的な余裕のなさは、大きな原因かもしれないと、私は考えています。
だからこそ、お母様がご自身を大切にして、自分自身を笑顔にすると、子どもが安心できて、動き出せる元になるのだと、多くの先生方がお母様のサポートをされているのだと思っています。
お母様が考え方を変えられて、ご自分をまず。笑顔にする、幸せにすると、子どもも笑顔になり、幸せを感じて元気になり、動き出していくのです。