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新たなタイプの不登校(2)

つかみどころがない

前回は、全くルールやマナーが身についていない子ども達が最近、増えているのではないかということをお伝えしました。

見ている限りでは、特性がある発達障害やグレーゾーンの子どもとも、どこか違う子ども達なのです。

何となく、つかみどころがなく、距離感もマチマチ、でもキレやすく、どこか冷めたところがある子ども達なのです。

この子ども達について、もう少し考えてみたいと思います。

不登校になった子ども達の中で、ここ数年で、こういう子ども達に何人か出会いました。

その時のことなのですが、行動としてスタッフや私を試すような行動がとても多いと感じていました。

「私なんかもうダメです」とか「生きていても仕方がないです」と言うのです。

これ自身は、今までも良くあることでした。

でも、この次が少し違うのです。

それまで出会ってきた不登校の子ども達は、ここで終わりなのです。

言ったあと、自分の中にこもって、話もしなくなったり、イライラしたりするのです。

だから、悩みが深いことがわかります。

私も、その状態を見守りながら、じっと待っています。

「そんなに思いつめなくてもいいから、落ち着いたら、また、話そう。」と穏やかに声をかけ、待っていることがほとんどでした。

ところが、新たなタイプの不登校の子ども達は、「もうダメです」と言いながら、「先生もそう思いますよね?私なんかもういない方がいいですよね?」と聞いたり、「ここに来たのが間違いだった。もう辞めます。」と言ったりするのです。

こうやって言ってくれなければ、発達障害の子ども達ともあまり変わらない行動をするところもあり、間違った対応をしてしまうこともあります。

今まで、不登校になった子ども達に、余りそういう子どもがいなかったのか、私が偶然にも出会ってこなかったのかはわかりません。

しかし、こういう子ども達がいるのです。

こういう子ども達のもう一つの特徴に、ものすごく周りに気をつかう、というのがあります。

自分がどう思っているかということは言わず、態度にも出さず、周りに合わせて行動したり、発言したりします。

自分の思いを周りの人に伝えていないから、周りが相当、気を使って察してあげない限り、自分が本当に思っていることとは違う結果になることがあり、そうなると、ものすごく凹んだり、イライラしたりします。

不登校の子ども達で、感受性の強い子ども、私の言い方では「感じる自分」を持つ子ども達ですが、こういう子ども達が新たなタイプの子ども達と出会うと、ものすごく気をつかうことになります。

なぜなら、この新たなタイプの子ども達が、本当はどう思っているかという本音が、言っていることと違うことを「感じる」ために、言っていることも聞きながら、本音にもあわそうと無意識にしてしまうため、ものすごく疲れるのです。

その結果、感受性が強いばかりに不登校になった子ども達が、せっかく通えるようになった教育支援センターやフリースクールにも通えなくなり、また、家に引きこもってしまうことが起きてしまいます。

現実、そのことを目の当たりして、どちらの子ども達も通えるように話して、実際に再度、通ってもらえるようにしたことが何度かあります。

この発達障害があり悩む子ども達にも似ているし、「感じる自分」と同じように、周りに気をつかう、でも、一方でまるで周りを試すような言動もする、この新たなタイプの不登校の子ども達が、少しずつ増えてきていると、私は思っています。

それはなぜなのか、原因は何なのかを考えていきたいと思います。

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Keisuke Tani
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