多様な学びの場と学校教育(15)
学校の統廃合をしなくてもいいのでは?
今日も私のnoteにお立ち寄りいただきありがとうございます。
多様な学びの場と学校教育について考えてきています。
ここで少し違う角度から考えてみたいと思います。
教育が本当に大切だと、行政、具体的に言えば、国や地方自治体が考えているかという問題を、「学校の統廃合」という観点から考えてみたいと思います。
私が長い間、携わってきたフリースクール・パーソナルアカデミーは大阪府池田市にあります。
この大阪府池田市には、公設民営のフリースクールがあります。
今、この公設民営のフリースクールは、廃校となった池田市の小学校跡地で運営をしています。
ですから、フリースクールでありながら、校舎も運動場もある環境で、運営をしているのです。
それは、それでよいと思います。
池田市が作り、民間のNPO法人が運営しているフリースクールですから、問題はないと思います。
しかし、その前に、この廃校になった小学校の近隣の、現在、小学生の子ども達は、どこに通っているのだろう?とふと思ったのです。
もちろん、極端に子どもの数が減ってしまったから、どこかの小学校との統合し、廃校としたのだと思います。
同じようなことが、全国で起こっていることは、私も良く知っています。
でも、そこにものすごく疑問を感じたことがありませんか?
小学校の廃校跡地に、フリースクールが入り、そこに、たくさんの不登校になっている小学生、中学生が通っているのです。
しかも、最寄りの鉄道の駅である阪急電鉄池田駅から、バスか車で15分以上かかる距離のところにあります。
そこに、たくさんの小学生・中学生が通っているのです。
それならば、その小学校をそのまま残しておいて、そこに通いたい同じ池田市の子ども達が、通ってもよかったのではないでしょうか。
この公設民営のフリースクールは、池田市内の小学生の子どもが、学校に通えなくなったときには、学校から紹介もしてもらえるフリースクールなのです。
それであれば、廃校にせず、学校をそのまま残しておいて、せめて同じ市内の小学校に通えなくて辛い思いをしている子ども達の、転校先として受け入れても良かったのではないかと思いませんか?
もちろん、学校だから行きたくない、という子どももいるので、子どもにとっていいかどうかは、子ども一人ひとりによっても異なるでしょう。
しかし、廃校にする前に、それも一つの方法だと、私は思うのです。
その公設民営のフリースクールがダメとか、非難しているわけではありません。
学校を統廃合する前に、その学校の「使い方」、できることがたくさんあると私は思うのです。
この池田市の公設民営のフリースクールは、池田市在住であれば無料で利用できますが、池田市以外の在住の場合は、費用がかかります。
池田市は兵庫県に隣接しているので、隣の兵庫県川西市の子どもが通うこともあります。
それなら、学校のまま残して、池田市内の子ども達、同じ大阪府の箕面市、豊中市、隣県の兵庫県川西市、川辺郡の子ども達だって通えるようにしても良いと、私は思うのです。
人数が少なく、先生もゆっくりと子ども達を見ながら、一人ひとりに手厚く見ることもできると思います。
たまたま、近くに良い例があったので、廃校になった小学校を使っている、公設民営のフリースクールを例にあげましたが、国や地方自治体が、本当に教育に力を入れるというのであれば、人数が少なくなったからこそ、手厚い教育を実施できる最大のチャンスだと考えるはずです。
教育にお金をかける気があるのかと、聞きたくなります。
人数が少なくなった地域で、地域の人たちと共に、ゆっくりとそういう教育を受けたい、受けさせたいという子どもやご家族には、ぜひ、転校してもらって、交通費はかかるかもしれませんが、今の学校では受けられない、一人ひとりを大切にする教育を受けさせてあげられるのではないのかと、考えてしまいます。
ご家族もお仕事をされていて、そういう地域に通わせるところまで、ご家族の時間的な余裕がないこともあるかもしれません。
それでも、行政としては、まず、統廃合の前に、子ども達にどのように教育を行っていくのか、人数が少なくなった学校で、元の在籍校ではうまくいかなかった子ども達に通ってもらうことはできないのか、ということを考えることは、十分にできるはずです。
よく、仕事の上では「できないことを考えるな。まず、どうしたらできるかを考えろ!」と言われます。
まさに、その通りではないかと思います。
お金がかかる、無駄が多い、教師が足りないとできないことを並べているような気がします。
子どもの数が減るからこそ、子どもの教育を大切に行うことができるチャンスだと私は思います。
全国で学校の統廃合が進んでいると思います。
しかし、私達が子ども達のために、統廃合の前に、もっと使い方があるのではないか、先生方が本気で取り組める学校づくりができるのではないか、と考えてみて欲しいと、子ども達のために、強く思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
私が携わっているフリースクール、パーソナルアカデミー