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自伝①

読書が趣味である。
とりわけ、伝記が好きである。
有名人の伝記も好きだが、有名ではないけど独特な仕事を残した人のことを記したものも好き。
例えば、フランスに実在した、おならを自在に操り、由緒ある劇場ムーランルージュで人を笑わせていた芸人「ジョゼフ・ピュジョル」。彼のことは、奇術師リッキー・ジェイの著した『世紀末奇芸談』という本の最後に一章設けてあるし、世界恐慌前後、ニューヨークの摩天楼の最上階で、逆立ちしながらドーナツを食べるという「奇芸」を披露していた「アルヴィン・ケリー」のことは、アメリカの作家カール・シファキスの著書『アメリカ畸人伝』に詳しく書かれている。
20代の前半、私は図書館に入り浸り、これらの本を熟読した。図書館には宇宙、科学、植物、動物、工芸、芸術、文学、経済、政治、あらゆるジャンルの本があったが、私はとりわけ「人」に興味があるようだった。その中でも、「芸人」というものに。

私も芸人のはしくれである。

私はピアノを弾いたりギターを弾いたり歌を歌ったりラップをしたり、育児漫画を描いたりイラストを描いたり、役者のまねごとをしたり、節操なくいろんなことをしていて、自分でも自分が何者かよくわからないのだが、ピアノも歌もラップも漫画も演技も、広義の「芸」だと思うので、自分をとりあえず「芸人」と定義したい。

ギターを弾きながら歌う私↑

育児漫画↑

昨年末に、綾小路きみまろ氏の著書を読んだ。
自身のネタをカセットテープに吹き込み、それを観光バスで流してもらうために配っていたのは有名な話だが、そのカセットテープを作った理由は、
「こういう芸人がいたということを残したい」
ということだったという。
その気持ちはわかる。

私とて、このままハネずに、「知る人ぞ知る」もしくは「誰も知らない」芸人のまま一生を終える可能性もあり得る。

一応、YouTubeには自分でUPしたり、人がUPしてくれた動画がたくさんあるし、流通したCDも出させていただいた時があるので、よしんば今、私が死んでも残るものはあるのだが、まだまだ全く知られてはいない。世の中に「こういう人間がいた」という証をできるだけ多く残したい。

その一環として、自伝を書いてみようと思う。

理由は、上に書いたこともあるが、今のところ、自分で書かないと誰も書いてくれる人がいない、ということもある。
私という人間に興味のある方がいるかどうか甚だ疑問だが、仮にぜんぜんいなくても、とにかく書きはじめてみる。ぜんぜん面白くないかもしれない。でも、とにかく、書き進めてみる。

私はいま27歳。来月28歳になる。
近いうちに30代を迎えるにあたり、自分の人生をひと通り振り返ってみたい、というのもある。

この自伝がたまたま誰かの目に留まり、空前のブームを巻き起こしまくって出版される運びとなったら、私はその本を、上に紹介した『世紀末奇芸談』『アメリカ畸人伝』と共に本棚に並べるだろう。

更新はマイペースになると思うが、しばらくのお付き合いを、お願いいたします。

2019年3月 岡田啓佑

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