僕が焼酎ベンチャーをやるわけ
初めまして。橋本啓亮(Keisuke Hashimoto)と申します。
今年4月に「SHOCHUの未来を創る」をミッションに掲げ、株式会社SHOCHU Xを設立し、9月のECサイトオープンに向けて、高級焼酎ブランドSHOCHU X 第1弾商品『希継奈-kizuna-』を本日クラウドファンディング(Makuake)にて先行販売開始致しました。
なぜこの僕が、焼酎ベンチャーをやるのか。そしてSHOCHUの未来を創るのか。焼酎愛にまみれて長くなってしましましたが、一読していただければ嬉しいです。
突然ですが、焼酎とはどういうイメージをお持ちでしょうか?
「焼酎って、オッサンの酒・安い・イモ臭い!」
「お酒は飲むけど、焼酎はなあ。。」
「実は好きだけど、周囲にどう思われるかわからない。」
「焼酎についてよくわからない、、、」
根強いファンもいらっしゃいますが、こういう方が多く見受けられ、様々な敬遠する理由があると思います。
実は自分もそうでした。
焼酎なんてイッキ飲み用のお酒くらいにしか思っていなかった。
そして自分は、酒蔵・酒屋の息子という訳でもなければ、九州出身でもありません。
そんなお前がなんで??
よりによって焼酎ベンチャー???
1.焼酎との出会い
僕はもともとお酒が強いわけでもなければ、好きでもなかった。
お酒というモノに対して、飲めれば良い・酔えれば良い精神であり、むしろお酒に詳しく、ウンチクを語るやつに対して、「お酒なんてただ酔うために飲めればいいんだよ」くらいに思ってた。
そんな僕は大学2年の頃、友人の紹介で大学の近くの居酒屋でアルバイトする事になった。
そこは焼酎の品揃え豊富な居酒屋であった。(今でも手伝いに行ってます。来てね。)
そのころはお酒は、どうせ飲む事無い焼酎が多くても、どうでもよかった。
当初は自分が好きだったビールとかハイボールばかり飲んでて、焼酎は全然飲まないどころか、あの悪いイメージから飲まず嫌いしてた。
ただただお客様に焼酎を出す機会は多かったくせに、焼酎が何からできているのかはともかく、甲類・乙類の違いもわからなかった。
しかし、ある時店主から勧められて飲ませてもらう機会があった。
あのアルコール臭たっぷりで、罰ゲームのような体験をなんでしなければならないんだ。。と思いつつ、せっかく勧められたししょうがなく飲んでみるかと思って、恐る恐る口にしました。
そこに衝撃の体験が待っていた。
今まで味わった事なかった、この豊潤な香りとコク。そして焼酎独特の風味。
焼酎ってこんなに美味しかったんだ。。。
しかも色んな種類があって、どれも1つ1つ違う。。。
その美味しさ・多様性に今までの焼酎のイメージをぶっ壊された。
そして一瞬にして焼酎の虜になった。
あの時の記憶は鮮明に憶えていて、忘れることはないだろう。
そこから色んな種類の焼酎をたくさん飲むようになった。
お酒の事・焼酎の事を知らなかった時に、あの開拓していくような楽しさはいまだに忘れられない。
しかしこの時はまだ、ただただ趣味程度であって、「焼酎ビジネス」だとか「焼酎を仕事に!」なんて微塵も考えていなかった。
焼酎の魅力に取り憑かれていた僕だったが、ただただ1消費者としての焼酎好きに留まっていた。
2.焼酎の現状を知る
そんなある時、だらだらとYoutubeを見ていた。かのホリエモンこと堀江さんの動画がおすすめに流れてきた。
「ホリエモン、Youtubeやってたんだー」と思ってその動画を見た。
その時たまたま最新でアップされていたのが、日本酒メディアSAKETIMES・日本酒ブランドSAKE100を運営されているClearの生駒CEOが出演している回であった。
これを見て、漠然と「今、日本酒ってすごいんだなあ。」って思った。
僕が想像しているより日本酒って今こんなに国内でも海外でも広まっていて、可能性があるんだ。
日本のモノ作り・製品は世界最高峰とよく聞くけど、本当にその通りなんだな。
この動画をきっかけに日本酒について調べ(主にSAKETIMESで)、そこで日本酒の現状・可能性、日本酒が世界のSAKEになっている事を知った。
しかしその時ある事が胸に引っかかりました。
それは僕の大好きな焼酎の事。
そして僕は思った。
「あれ、俺が好きな焼酎はどうした」
「日本酒ができるなら焼酎もできるでしょ」
「なんで焼酎は置いてけぼりなんだ」
そこから僕の好奇心に火が付きました。
「なんでこの焼酎が日本はともかく海外で広まっていないのだろう」
「なんで焼酎ってこんなに安いんだろう」
そういえば大好きな焼酎について今までこんな視点で見た事がなかった。
そこからその日を境に焼酎の基礎的な事から、焼酎の現状・歴史を無我夢中で調べ続けた。
GoogleやSNSで
『焼酎 ベンチャー』『焼酎 歴史』『焼酎 海外』『焼酎 現状』『焼酎 起業』などなど。
ただ調べるだけじゃ限界があったので、すぐさま人に会いに行った。
焼酎の本場・九州に行ったり、焼酎業界の人達がやっているイベントにもとにかく足を運んだ。イベントの打ち上げに飛び込みで参加して、あいつ何者なんだろうと思われながらも、話を聞きに行った。
とにかく動きまくった。
気付いたら、ビジネスどうこうより焼酎に夢中になっている自分がいました。
これはおもしれー。こんなおもしろくて、ワクワクするもんねーなと強く思った。
3.焼酎の仕事がしたい
焼酎業界の方々に
「焼酎を盛り上げたいんです!」
「焼酎が好きなんです!」
「焼酎にはすごい可能性があるんです!」
と言ったら
「おー、いいね!こういう若い子が興味持ってくれて嬉しいよ」
「一緒に頑張ろうな!」
誰もがこのような反応をしてくれた。
そりゃそうだ。嬉しいに決まっている。
ところが話が進み、覚悟を持って焼酎の仕事をしたいとの事を伝えると、
みんなこぞって
「焼酎は不景気だよ」
「焼酎は全然稼げないよ」
「東京に戻ってちゃんとした所で働いた方がいいよ」
と言われた。
「なんで。。。」
「こんなに焼酎は美味しくて、可能性があるのに。。。」
この言われように、何度も何度も落ち込んだ。
焼酎の仕事をしようと思っても、受け入れてくれるところはほとんど無いんだなと知った。。
「こういう業界なんだな。。。」
誰が悪い訳でも無いが、こう思うようになってしまった。
だけども全く諦めきれなかった。
むしろ僕の焼酎愛は不思議な事に、日々上昇していくばかりであった。
今思えばそういう辛い時に支えてくれたのが、焼酎だったからかもしれない。
定期的にイベントにも足を運び続け、話を聞きに行った。
もう自分は焼酎の事しか考えられなくなっていた。
そんな時に運よく焼酎専門商社でインターンという貴重な経験をさせていただいた。
実際に業界の中に入ってみる事によって、今まで知らなかった事、見えなかった事がたくさんあり、とても勉強になった。そこでの経験は感謝してもしきれない。
無理を言って、海外に連れて行ってもらい、催事で実際に焼酎を外国人相手に販売したりした。
(真ん中が僕。写っているのはワインばかりだけどw)
日本の誇るべき國酒が、海外でこんなに美味しいって言ってもらえ、肌で海外で焼酎の可能性を感じる事ができた。
そして何よりも、海外の外国人の方に焼酎を飲んでもらえる。そして一緒にカンパイするのは嬉しかったし楽しかった。
4.見えてきた焼酎の課題
人・環境に恵まれ、ある程度焼酎に関わる事ができた。
焼酎ってすごい可能性があるんだなと思った一方で、1つの課題を自分の中で強烈に感じていた。
それは「価値を伝え、適正な価格で売る事。」
伝統と文化の結晶であり、世界酒にも負けないポテンシャルを持つ焼酎。
しかし依然と安売りされており、その価値が伝わっているとは到底思えなかった。
日本に世界中のバイヤーが一堂に集まる展示会で、海外の方に
「これは金賞をとっているのに、なんでこんな安いの??安すぎるよ!」「味は良いのだから、もっとマーケティング・ブランディングを頑張ったほうがいい」
と散々言われた。
マーケットの現状をとってみても、現在世界の蒸留酒市場は45兆円あり、その中でも高価格帯が顕著に伸びている。同じ日本の國酒である日本酒を見ても、その傾向にあり、時代の変遷による趣味嗜好の変化からこれは当然の流れだともいえる。
量をたくさん売るのを目標とする事から、1本あたりの単価をあげていく事にシフトしていかなければならなければならない。
そして得た利益を、開発費・広告費等に再投資するサステイナブルな仕組みを築くのが重要である。これが出来ているとは到底思えなかった。
これなしに焼酎の未来はない。
そして長年の歴史を持つ、既存の酒造メーカーが、変えにくい現状でもある。
「自分にもっとできる事はあるんじゃないか」
「これは自分がリスクをとって、立ち上がれるんじゃないか」
「なんだって自分が最大の課題だと思っていた、安売りというのは、自分の今している行動に結びついているのか?」
ずっと悶々としていた。
そして焼酎の事を想うたびに、だんだんと感じていった。
「普及活動も大事であるが、何よりも焼酎の価値を伝え適切な価格で売る事が大事だ。」
自分が動かないと始まらない。
そう思い、焼酎ブランドを立ち上げ、焼酎ベンチャーを起業する事を決意した。
5.起業し、ブランドを立ち上げる
ブランドを立ち上げるにあたって、一緒にやっていただく酒造メーカーさんをまず見つけなければならない。
これまでありがたい事にたくさんの酒造メーカーさんとも知り合って来たが、もう一度色々な所を巡って、決めようと思った。
そんな中辿り着いたのが、福岡県朝倉市に在る、ゑびす酒造である。
ゑびす酒造は、「熟成とは時。時とは自然。」を掲げ、
・伝統の製法を守りながら高品質の焼酎造りを追求し続ける
・焼酎本来の風味を大切にし添加物を一切使用しない
・最低3年以上の貯蔵期間をおき充分熟成した製品を出荷する
この3つの基本方針を守り、長期熟成焼酎に特化していて、徹底的に品質にこだわり抜いている蔵元である。
思い返せば、代表銘柄の"けいこうとなるも"は初めて飲んだ時に美味しくて感銘を受けた。
そして何よりもその名前の由来は、「鶏口となるも牛後となるなかれ」から来ていると知り、(※大きい団体の配下として服従しているよりも、独立した小さな団体の長である方がよいという意味)、小さな焼酎蔵でもこういった姿勢を持ってやっているというところに一番感動した。
ゑびす酒造の田中社長とは、インターンしていた時に出会い、催事にご一緒させて頂いたり、度々イベントでも会ったりと元々お互いを知っていた。
(左奥が田中社長、右が自分 2019年7月@韓国での焼酎イベントにて)
そんな田中社長に
「焼酎の本当の価値がまだまだ世の中に伝わっていない。これはもっともっとメーカーにやらないといけない事があると思う。」
「世の中のお酒に対するトレンドは、酔う為のお酒から、味わう為のお酒に変化しているのに、焼酎はそこの流れについていけていない」
「自分が焼酎ブランドを立ち上げるので、是非一緒にやって欲しい。」
と自分が長く長く話して懇願した。
元々自分の想いを知って頂いていただけに、快く引き受けてくださった。
そこから何度も連絡を交わし、直接蔵にも行って議論し方向性を決めた。
そしてまだ商品化されていない、ずっと蔵に眠っている焼酎がある事を知った。
初めてそれを試飲した時に、今まで散々色んな種類を飲んできた自分も本当に感動するような香り・味わいだった。
「焼酎は美味しい!」「焼酎は可能性がある!」と言いつつも、「実際に焼酎はこんな程度なんじゃ無いか。。」「焼酎は世界では通用しないかな。。」と思っている自分も少しいて、そんな不安をどこかに吹き飛ばしてくれるようなモノであった。
そしてより良りよくする為に、度数調整やブレンドするかどうか、濾過について、徹底的に考え抜いた。
SHOCHU X第1弾商品として商品化する事を決め、名前を『希継奈-kizuna-』と名付けた。
希望の”希”、継なぐ・継承の”継”、可能性・前向きという意味がある”奈”。
これらが集結してできた「希継奈」の銘柄名には”人と人の希継奈で明るい未来へ、希望と可能性をつないでいく”という意味を込めた。
希継奈から立ち上る香りは、黒糖のような甘い香りからバニラやビターチョコレートをほのかに思わせるような香りに変化する。口にした瞬間、5年の時によってもたらされた深く濃厚な麦の甘みと、きめ細かやかでまろやかなコクが複雑に絡み合い、綺麗な余韻が残り続ける。
ゑびす酒造の135年の技術と共に、手間とコストを惜しまず、原料からこだわり抜き、熟成だけが創り出せる1本。
最高級麦焼酎という名前に見合う、本当に自信がある1本なので、是非飲んで欲しい。
6.最後に
もう一度になるがミッションは「焼酎の未来を創る」である。
僕がこのような事業を立ち上げて、焼酎野郎と名乗っているがゆえに「おすすめの焼酎教えて!」と言われる機会が凄く増えている。
今後自社ECサイトで『希継奈』、また新たな商品がリリースした場合でも、その人の好み・予算を聞いて"SHOCHU X"に該当する物が無いと思えば、積極的に他社さんの商品をおすすめする。それがその人の為でもあり、自分の為でもあり、焼酎の未来の為でもある。
SHOCHU Xはまだ始まったばかりだが、このミッションは今後もずっとブレることは無い。
今までも言語化はしていなかったが、その想いでやってきたからここまで来れた。
だがご承知の通り、自分一人では到底無理だった。
これまで支えて頂いた焼酎業界の方、家族、友人。そして”SHOCHU X”の立ち上げに携わって頂いている、ゑびす酒造さん、メンバーの方々、本当に感謝の念に堪えません。本当にありがとうございます。
焼酎の未来を創るまで、挑戦は終わらない。
SHOCHU X 橋本 啓亮
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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現在「SHOCHU X」はオンラインショップにてのみ販売しています。
第1弾商品 『麦を極め、熟成だけが創り出せる麦焼酎 希継奈-kizuna-』を販売中。第2,3弾商品の開発も進めています。
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