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新しい価値を提供するSaaS営業の難しさ
SaaSの営業をしているとこれまでになかったサービスを売るということをしなければいけないこともあると思います。
新しい価値や体験の場合、顧客に口頭で説明してもその顧客はどうしても既に知っている何かで想像してしまいます。
人間食べたことがないものの味を想像することが出来ないのと同じで体験したことが無いものを想像することは出来ないのです。
それなので元から存在する概念を想像し、それをリプレイスしたり強化するものという思考で検討をされることになりますが、これに対して営業は警戒心を持つ必要があります。
何故なら過去に存在したサービスではその課題が解決出来なかったから新しいサービスを作り提供しているという前提に立った時に過去のサービスで想像されるということは価値の毀損がなされている可能性が高いからです。
その結果、価格が高いと思われたり今のやり方を継続するので不要と断れることに繋がります。
では、どうすれば良いかというと課題に焦点を当てた会話をすることです。
名刺管理のSansanの営業をしている時のことを例に出すと、お客様が名刺管理で脳裏に浮かぶのは紙の名刺を管理する名刺帳などの存在です。
これがデジタルになって探しやすくなるのかなというような想像がされます。
しかし、課題の焦点を別の部分に当てます。
それは自社の全社員が外部との接触したその情報を会社として把握すら出来ない現状についての課題です。
「会社単位で自社の外部との接点を網羅的に管理する」ということと「個々人が名刺を便利に管理する」ということは本質的に異なる価値であり、営業が後者のイメージしかお客様に想像させられていなければその価値を正確に伝えることが出来ていないでしょう。
そのサービスを初めて知るお客様が自分と同じ理解度にいるという勘違いを営業はしてしまいがちですが、お客様をよく観察して正しく必要な説明をしていきたいですね。