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目的を諦めないために、手段を諦める

こんにちは、unname代表取締役の宮脇啓輔です。

「諦めが肝心」という言葉がありますが、この言葉の本質について最近少し考える機会がありました。とある知り合いと1on1をしているときに、「なんかうまく手段を諦められなくて、諦めちゃいけない目的から遠のいていないか」と考えたことがきっかけでした。

諦めが肝心という言葉は、諦めずにやり切った者にしか理解し難い、つまり諦めなかったからこそ諦めることの重要性を知っているという言葉なのかな?と思ったりしています。

今回は「うまく諦める」ことの本質について解説していきたいと思います。


諦めないために、諦める

逆説的ですが、粘り強い人の中に諦めが早い人がいると、いろんな人を観察して最近感じました。粘り強いのに、諦める時は諦める、これはどういうことかというと、「大きな目的を果たすために、手段についてはサクッと諦めている」ということなのです。

目的を諦めないために、手段は諦める

受験勉強のようなやり方の正解が一定あるものに関しては、手段(勉強の仕方)が定数となるため、変数は努力の量になります。手段における正解が証明され切っているので、「手段さえ合っていればあとは努力の量増やすだけ」というゲームなのです。

しかし仕事においてはやり方自体に正解がないものも多く、手段は変数となるべきなのです。

そんな仕事においては特に、手段にこだわってやり続けるより、その手段が「うまくいかない」「自分に向いていない」のであればサクッと諦めるのが肝心だと思っています。これが「諦めが肝心」という言葉の本質なんだと思っています。

「諦めないために、諦める」という一見矛盾しているような言葉であり、その表層をなぞって受け取らないように注意したい言葉の一つなのです。


他人に「頼らさせてあげる」スタンス

完璧主義者タイプや自責思考が強すぎる人は、やり方にこだわりすぎて、目的を見失うことがあります。

「ちゃんとやる」
「綺麗にやる」
「決めた方法を守る」
「他人に頼らずにやり切る」

という感じで手段にこだわり過ぎたり、自分でやるマインドが強くて、目的達成から最短距離を走れていないみたいなことが多々見受けられます。基本的に他人を頼った方が早いので、そういう時は他人に頼らせてあげましょう。

やり方にこだわらないことで、最短距離を走ることができる(早く成果が出る)

つい先日、知り合いの相談に乗っているときに、「明らかに答えが決まっている相談をされ、1時間いろんな角度から会話した結果、やはり当初の答えに行き着いた」という出来事がありました。

それ自体は何ら無駄なものではなく、むしろ当初本人が考えていた答えの納得度が上がったのか、「安心して踏み出すことができそうだ」とのことでした。

なんだかんだホクホクした状態で、会話の最後に、「背中を押して欲しかっただけかもしれません」と言っていたので、「自分だけでは踏み出せにくい性質があるのであれば、他人に背中を押させれば良くないですか?」という言葉を投げかけました。

そしたら、「それって他責な感じありませんか?」と言われた。

他責というより他人を頼っているだけだとは思いますが、当の本人からすると、「自分で課題を解決できないといけない」という自責思考主義みたいなものに浸かっていたのかもしれないと思いました。

むしろ人は他人の役に立つと嬉しい生き物なので「他人に自分の背中を押させてあげる」くらいの気持ちでいくといいんじゃないですか?と伝えた。会話の目的が、元々もっている答えに対して意思決定することであれば、その目的達成のための最短距離(手段)が「他人に背中を押させる」であれば、それをやればいいと。

もちろん自分だけで考えて決められるに越したことはないが、それが故にいたずらに時間が過ぎてしまう方がもったいない。なぜなら人間は老いるからだ。時間は有限だけでなく、人間は老化するので時間の価値は相対的にどんどん下がっていくのだ。だから目的達成を諦めないために、苦手な手段はサクッと諦めるべきなのだ。

そこに行き過ぎた自責思考や完璧主義は不要なのだ。ストイックさとは、手段にこだわるのではなく、目的を果たすことにこだわるということなのだ。


手段ではなく、目的にこだわる方法

では、どのようにして手段を諦めるべきか?、具体的に解説していきたいと思います。

自分ではなく、成果にベクトルを向ける

基本的に、仕事において手段にこだわってしまう心境としては、「これくらいは自分でやらねばならない」という自責思考や完璧主義が邪魔をするパターンです。ベクトルが自分に向いており、成果に向いていないとも言い換えられます。

手段にこだわりすぎている人は、ベクトルが自分に向いている

自責思考もバランスが大事で、自分だけでやることで、成果について最短距離を走れていないのでは本末転倒です。本来仕事は、あなたの成長のためにあるわけではありません。「成果に対して愚直に向き合った結果、自分も成長している」という順番が好ましいです。

なので、「自分ではなく、成果にベクトルを向ける」をまずは意識して、自前主義から脱していきましょう。どんどん他人に頼らせてあげましょう。


手段を諦めるべきタイミングを認識する

次に必要なステップとして、手段を諦めるべきタイミングを認識することです。いつでもどこでも諦めてしまうと、単純にやり抜く力がない人だと思われるリスクもあるので、注意しましょう。

具体的なタイミングとしては下記の3パターンです。

手段がハマっていない兆候。諦める前に他人に相談しても良い。

①時間がかかりすぎている時
まずは、手段にこだわりすぎて時間がかかりすぎている時です。時間がかかりすぎているというのは、非常にわかりやすく、スケジュールに対してビハインドしている(することが明確である)という時です。この時は手段をサクッと見直しましょう。

②自分の強みが活きていない時
次は、自分の強みが活きていない手段をとっている時です。
「話すのが得意なのに、書き物を頑張っている」
「アイディアマンじゃないのに、企画に何時間もかけている」
「他人を巻き込こむのが得意なのに、一人で業務に向き合っている」
などなど、こんな時は思い切って手段を見直してみましょう。

③全く成果が出る兆しがない時
最後は、判断が少し難しいですが、とある手段が全くうまくいっておらず、この先も成果が出る兆しが見えない時です。こんな時は自分だけで判断するのが難しいので、上司や同僚にその旨を相談してみると良いでしょう。自分よりも経験がある人に判断を委ね、うまくいかないときは手段を見直していきましょう。


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