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意外と少ない!? 哺乳類動物の色名

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は哺乳類に由来する日本の伝統色名のお話。

意外と少ない、哺乳類の色名

様々な由来を持つ日本の色名。
その中から動物を由来という色を引いたとき、
「(哺乳類・鳥類・魚類・爬虫類など)動物全般」という括りならそこそこ出てくるのですが、
「哺乳類」に絞るだけで、不思議と数がグッと減ります。

なぜかと言うと、
「動物系の色名の大多数は、鳥由来のもの」
だからです。

鳥の名前はほぼ「単一のもの」を指すことが多いですが、
哺乳類だと広すぎて定義しにくいせいで、色名として決めづらいんですよね。

例えば「うぐいす色」と言えば、ウグイスの体色である緑を指せますが、
「犬色」「猫色」と言っても、「どの品種やねん!?」となって定められない。

さらに絞って「柴犬色」を作ったとしても、茶色なのか黒なのかというバリエーションが出てきます。
鳥の名を持つ色も、多様性がある場合はほぼ色名になっていないはず。
「インコ色」は、聞いたことがないと思います。

代表的な哺乳類の色名

では、哺乳類動物で、色名になっているものを挙げてみましょう。

鼠色

不快感の少ない鼠の画像探すの大変だった…

まずは「鼠色」。
ネズミの体色であるグレーを表す色ですね。

ちなみに「鼠」が付くの色名は『四十八茶百鼠』というほど、たくさんありますが、ほとんどは鼠に由来しません。
鼠色のような「灰みがかった色」として使われたので、「生物としてのネズミ」ではないので、今回はカウントしない方向でいきます。

狐色

キツネの体色。
「こんがり」の表現として、日常で使われやすい色名ですね。
キツネは物語にもよく登場し、稲荷神社とも関係が深い身近な動物。
そのため、色名として残っているのかもですね。
対にされがちな「タヌキ」は色名になってないのも面白いなと思います。

駱駝色

ラクダの体色。
日本原産の動物ではないのに、名前が残っている面白い色ですね。
江戸時代に長崎にラクダがやってきて、江戸(東京)まで各地を歩いてきました。
その際「珍しい動物を見よう」と話題になったので、色名に残っているとの事です。
今では、「キャメル」として洋服の色を表す言葉で馴染み深い色になってるのも面白いですね。

実際の哺乳類動物をモチーフとした色は、ほぼこの3色です。

ちょっと変わったものだと

しし色」「猩々緋しょうじょうひ」などもあります。

しし色」は、肉色のことで、イノシシなどの肉の色、転じて健康的な肌の色という意味合いも持ちます。

猩々緋しょうじょうひ」は、伝説の生き物である猩々からきた色彩。「猩々=オランウータン」でもありますが、体色からは想像できない真っ赤な色彩です。(猩々)

ということで、ありそうに見えて意外と少ない哺乳類動物の色でした。

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