
一筆の彩り ~ 書道具 ~
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日はもう1つの筆記具を。
筆で書く
昨日のガラスペン&インクに続いて、毛筆も使います。
実際のところ、ガラスペン 2:毛筆 8くらいの割合で、毛筆率の方が高いです。
硯に水を張って、墨を磨って、小筆で書く。
硬筆とは違った、柔らかい感じの文字が書けるので、字がうまくなった錯覚を味わえます。
mont-bellの野筆
カバー写真に収めたのは、mont-bellさんの野筆。
製硯師の青栁貴史氏とmont-bell社が手掛けたアイテムで、
手に収まるサイズのポーチに、硯板、筆、墨、水差し、ポケットティッシュが入っていて、どこでも墨を磨って文字を書けます。

硯板って何?
硯と聞くと、学生の時に使った「厚みがあって、くぼんだ墨池のある長方形のもの」を思い出すのではないかなと思います。
このセットに入っているのは、硯板といって、板状の硯です。
硯の凹み(墨池)は、たくさん文字を書くために墨を溜めておくもの。
一筆したためるくらいの分量であれば、溜めておく必要がないので、板状でも成り立つというわけです。
墨を磨る
硯板に数滴、水を落とします。
そして、静かに墨を立てて磨っていきます。
この時の音と香りの心地よさ。
20~30秒ほど磨れば、書くのに十分な量と濃さの墨が出来上がります。
墨は黒しかないイメージがあるかと思いますが、
水の量で濃さを変えたり、少し青っぽい、茶色っぽい墨もあったりするので、意外と色を楽しめます。
小筆は先端だけほぐして
普段使いは小筆を使います。
書く紙にあったサイズのものを。
筆の中腹までほぐすと、きちんと書けなくなるので、ほぐして使うのは本当に先端だけ。


片付けも簡単
余った墨をティッシュで吸って、水滴に余っている水でふき取ります。
キレイになった硯板にまた数滴水を落として、筆先に残った墨を落として、それもティッシュで吸い取っておしまい。
片付けも慣れれば30秒くらいで終わります。

慣れると筆が楽ちん
筆文字と言うと、授業のイメージが強すぎて苦手とか、きれいに書けるか不安という方がいらっしゃると思いますが、こういう手軽に使えるアイテムがあると普段使いが出来て、楽に感じると思います。
筆は線を流せるので、きちんと書かないといけない硬筆と違って、さらさらと味わいある文字が書けるのでオススメです!
硯についても語りたい
ちなみに自分の野筆セットは、通常販売で入っている宮城の玄昌石ではなくて、歙州の硯板が入っています。
とても硬い石で、指ではじくとキンキンと音がなります。
硯の世界も奥が深いので、こちらもまた追って語っていきたいなぁ。
硯も黒のイメージがあると思いますが、
澄泥硯のような黄土色のものもありますし、黒も墨と同じで「青っぽい黒、赤っぽい黒」とバリエーションが豊富です。
あとは模様を楽しんだり、視覚から得られる楽しさがたくさんあります。
一筆したためる道具の紹介は、いったんこれまで。
気になる道具があれば嬉しいです。
いいなと思ったら応援しよう!
