趣深い日本の色彩 #37 半色
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は名前を聞いただけでは何色か判断できない、特殊な色のお話。
半色?
さて、難読色名のお時間です。
この「半色」は何と読むでしょうか?
答えは……
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はしたいろ
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と読みます。
「端色」とも書く、濃い色と薄い色の中間の色合いを指す言葉です。
正確には「中途半端な色」「どっちつかずな色」という意味合いですね。
でも、「中間の濃さの色なら、どんな色相でも表せる」というわけではありません。
では、どの色相の色を指すのでしょうか。
答えは……
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紫
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この由来は平安時代まで遡ります。
紫は高貴な色
平安時代、紫根を使って染められた紫は、
天皇や位の高い貴族にのみ着用が許された色でした。
そんな高貴な紫『深紫』に対して、
庶民でも着用できる許し色である『浅紫』が登場。
『半色』は、この深紫と浅紫の中間の色合いを指しました。
ちなみに似た色に『中紫』がありますが、
これとは似て非なる色合いだったようです。
どこにも属さない半端な色
当時は紫色の規定があり、
紫根をどのぐらい使って染めるかが決まっていました。
この『半色』は、その紫の規定からは外れた色。
ちょっと濃いけど、「位を表す色ではないですよ」「しきたりに則らない中途半端な色ですよ」という意味で「はした色」となりました。
規定外の色だから、誰でも使える。
ちょっと高貴な気分を味わえる。
そんな庶民の憧れを具現化したような色がこの半色です。
現在では、好きな色を好きなように着用できますが、
そんな今でも、こうした色名が残り続けています。
それだけ印象深い歴史を持った色というのがうかがえますね。
そして「決まりごとの隙間を突く」という発想は、今も昔も変わらないんだなと、ちょっとクスっとしてしまいました。