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大人にも子供にも届けたい深いメッセージ性のある絵本『ぼくモグラキツネ馬』
イギリスの絵本作家、チャーリー・マッケジーの絵本作品。
本書は「ぼく」という少年が、ケーキが大好きなモグラと出会い、寡黙だがじっとそばにいてくれるキツネと、大きく優しい心の馬に出会い、旅をしていく……というお話。
ただ普通の絵本と違うのは、物語があるけれどないようなお話で、全体的に名言のような言葉が散りばめられているという点だ。
しかしその言葉はいわゆる「格言」のようなかっちりしたものではなく、登場するキャラクター(ぼく・モグラ・キツネ・馬)たちの会話のなかで生まれる「素敵なフレーズ」なので、子供でも大人でも楽しむことができる。
チャールズ・M・シュルツの"PEANUTS"(スヌーピー)に出てくるような名言といえば伝わるだろうか。
またどのページ、どの言葉、どの絵が気にいるのかは100人いたら100人違うのも、本書の面白い点である。
これらの理由から、本書は前から一ページずつ読まなくても、パラパラっとめくるだけでもいい。1日に1ページだけ適当に開いて、そこだけを読んでもいい。文字は一切読まずに絵だけを楽しんでもいい(絵だけでも素晴らしい作品なのだ)。もちろん、前から丁寧に読み進めてもいい。
子供にも大人にも、本が好きな人にも、文字を読むのが苦手な人にも、お勧めできる作品なのだ。そういう意味でも本書は誰かへのプレゼントとしても適していると個人的には思う。実際にとある方にこちらをプレゼントしたらとても喜ばれていた。
本書を渡された相手がどんなタイプの人であれ、「ハッ」とさせられる1ページが必ずあるからだ。
僕がハッとさせられた言葉を引用して、この記事の終わりとする。
そしておぼえておくこと。
きみの存在は代わるものがなく、
とても愛されていて、
この世界には
きみにしかできないことがある
本作をアニメーションにしたものをまた絵本化したもの(下記リンク)もあるが、個人的には原作の方が好みであった。一応、リンクを貼っておきます。