MBAでの学び12:「リーダーシップは必要ない」
これまでMBAといえば、リーダーシップの習得が重要なポイントとされてきました。
しかし、現代のビジネス環境において、リーダーシップは本当に必要なスキルでしょうか。
MBAでは、マーケティングやファイナンスなどの専門知識の習得や、論理的思考力、分析能力の向上を求められます。
また、グローバルな視野で物事を捉え、異なる文化や価値観など、多様性の教育や研究に力を入れる傾向があります。
それに加えて、リーダーシップスキルを学ぶのは時間的な制約がある中、厳しいものがあり、履修しない学生も多いのが現状です。
また近年のビジネスシーンでは、リーダーシップよりも協調性やチームワークを重視するケースが増えています。
今回は、「リーダーシップスキルの必要性」について改めて考える必要があるのでは?という問いかけです。
リーダーシップは時代遅れ?
これまで「リーダーシップ」は、ビジネスを成功に導く要素の一つとされていました。
しかし、急速に変化する現代のビジネス環境において、その必要性は再評価されています。
スタートアップなどでは、リーダーシップという固定観念に縛られるよりも、チーム全員が主体的に働ける職場環境を求める傾向があります。
リーダーが意思決定するトップダウン型の組織運営は、柔軟性やスピードを欠くことがあります。
また、昔のような「カリスマ経営者依存」では、組織は疲弊してしまいがちです。
そのため、現在のビジネスシーンでは、フラットな組織構造や、自己管理型のチームが好まれます。
このような変化に伴い、従来の「リーダーシップスキル」に依存することは、むしろ時代遅れだと言えるかもしれません。
また、デジタル化やリモートワークの進展により、物理的な距離や時間の制約、さらには組織を超えて協力する機会が増えました。
このようなチーム構成の場合、特定のリーダーに依存するのではなく、各メンバーが自主的に行動する必要があります。
従前のリーダーシップの概念自体、大きく変わりつつあると言えるでしょう。
リーダーシップより重視されるスキルは?
では、現代のビジネスシーンにおいて、リーダーシップ以上に求められるスキルとは何でしょうか。
その一つに「アダプタビリティ(適応力)」が挙げられます。
変化が激しい環境下では、柔軟に対応し、状況に応じて最適な判断を下す能力が重要です。
また、問題発見能力やデータ分析、論理的思考も重視されるスキルです。
ビジネスの複雑化が進む中、単なる指示や管理だけではなく、データに基づいて適切な判断を行い、問題を発見し対処できる力が求められます。
さらに、コミュニケーション能力やエンパシー(共感力)も重要視されています。
多様なバックグラウンドを持つメンバーと協力し、円滑なコミュニケーションを取り、組織全体の成果を最大化するのがリーダーのミッションです。
リーダーシップのスキルが完全に不要とは言いませんが、現代のビジネスにおいては、これらの能力がリーダーシップと同等、もしくはそれ以上に評価されることが増えてきているのではないでしょうか。
MBA取得者の実体験:「リーダーシップ不要論」
実際にMBAを取得した多くのビジネスリーダーたちは、リーダーシップが決定的に重要でないことに気づいています。
私と同じビジネススクールを修了した、ある経営者は次のように語っています。
「MBAで学んだことで最も役立ったのは、リーダーとしてチームを引っ張るスキルではなく、他者と協力して問題を解決するスキルだった」と。
現代の組織では、チーム全員がリーダーシップを持つよりも、全員が自主性を持って協力する体制が求められる場面が多いと思います。
MBAプログラムにおいても、リーダーシップに過度にフォーカスするのではなく、異なる視点やスキルを持つチームメンバーと協力し合うことの重要性が強調されています。
つまり、「リーダーシップ不要論」とは、個人のリーダーシップを無視するのではなく、集団の力を最大限に活かす新しい働き方を支持する考え方と言えるでしょう。
チームワークと協調性
現代のビジネスでは、チームワークと協調性がかつてないほど重要視されています。
特にリモートワークやグローバルなビジネス環境においては、物理的に離れたメンバー同士が一丸となって目標を達成することが求められます。
従来のリーダーシップモデルでは、リーダーが意思決定を行い、メンバーはその指示に従うという形が一般的でした。
しかし、今ではチーム全体が自律的に動くことが重視されるようになり、各メンバーがそれぞれの役割を理解し、協力してプロジェクトを進めることが求められます。
このような環境では、リーダーシップよりも、協調性や信頼関係が成功につながるのではないでしょうか。
また、心理的安全性を保ちながら意見を出し合い、互いにフィードバックを行うことができる企業風土も重要でしょう。
チーム全員が最大限の力を発揮し、組織全体の成果を高める環境整備が、今は求められていると思います。
リーダーシップ神話の崩壊
「リーダーシップは必須」という神話は、ビジネスの進化とともに崩れつつあります。
特に、テクノロジーの進化や社会構造の変化に伴い、従来のトップダウン型リーダーシップは、もはや適応しきれない場面が多いのではないでしょうか。
新しいリーダー像は、むしろ「ファシリテーター」のような役割に近いかもしれません。
つまり、チームのメンバーが力を発揮できるように環境を整え、サポートする存在です。
こうしたリーダーは、指示を与えるのではなく、メンバー同士のコミュニケーションや協力を促進し、最終的な意思決定をチーム全体で行うことを重視します。
このような新しいリーダー像にシフトしていけば、従来のリーダーシップに依存しない、より柔軟かつ効果的な組織運営が可能になると考えます。
リーダーシップは必要ない
リーダーシップが必要とされなくなった背景には、いくつかの要因があると思います。
まず、デジタル化が進んだことにより、従来のように特定の人物が全てを統率する必要がなくなったことが挙げられます。
データやツールを使って各メンバーが自主的に進捗管理し、リアルタイムで情報を共有できるようになったため、リーダーの役割は分散されました。
いまだに、管理職や経営者の役割は進捗管理や業績管理だと信じている無能な人も多くいますが、彼らは現在のビジネス環境を把握できていないだけだと思います。
Z世代など若い人材の価値観も大きな要因です。
彼らは、固定された役割や階層的な組織構造を避ける傾向があり、柔軟な働き方や対等なパートナーシップを求めます。
彼らにとって、リーダーシップは「引っ張る」という概念よりも、全員が平等に貢献し合うものとして捉えていると思います。
ただ、その概念を誤って捉え、「君に任せた」ばかりの責任逃れの人も、いまだに多くいることは頭に入れておいた方がいいかもしれません。
このような考えの人は、リーダーシップはおろか、管理能力も責任感もない無能な人材なので、できる限り関わらない方がよいです。
まとめ
ビジネス全体におけるリーダーシップの役割は再定義されつつあります。
リーダーシップは「必要ない」と言い切ることはできませんが、その役割は変化しており、従来のように絶対的なスキルとされる時代は終わりを迎えようとしています。
もし、あなたがリーダーシップを履き違えているのだとしたら、早く気づいた方がよいでしょう。
時間が経てば、あなたの居場所がなくなるかもしれません。
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