SDGsバッジをつけてる人の「胡散臭さ」について考える
先日、各企業が参加するSDGs関連会議に出席してきました。
現代社会において、SDGsは国際的な議論の中心です。
しかし、SDGsの目標を達成可能だと信じている人は、果たして世の中にいるのでしょうか。
会議の参加者と雑談した中、SDGsを達成できると考えている人は一人もいませんでした。
もっと言えば、SDGsを「胡散臭い」と思っている人が多いです。
本記事では、なぜSDGsが「胡散臭い」と見なされるのかを探ってみます。
(ちなみに私は日本語直訳の「持続可能な開発目標」という表現に違和感があるので、以降「SDGs」で統一します。)
SDGsの目標
まず、SDGsの目標は、貧困の撲滅、飢餓の根絶、気候変動への対策など、非常に高い理想を掲げています。
ただ、実際の進捗状況を見ると、多くの国で目標達成は困難なことが明らかです。
特に、経済的、政治的利害が絡む問題においては、国家間の合意形成が非常に難しい状況です。
次に、SDGs達成のために必要な資金は膨大です。
国連の推計によると、SDGs達成のためには年間約5兆から7兆ドルが必要とされていますが、現時点では約2.5 兆ドルの財源不足と試算されています。
この数値は、多くの国のGDPを超える額であり、現実的に集まるかどうか疑問符がつきます。
グリーンウォッシング
SDGsを「胡散臭い」と思わせる大きな要因の一つとして「グリーンウォッシング」があります。
「グリーンウォッシング」とは、企業がその製品やサービスが「環境に優しい」と宣伝する一方で、その実態が環境保護の基準にそぐわない行動などのことです。
こうした行為により、SDGsは信頼性を失い、「胡散臭い」という印象を強める要因になっていると思います。
「グリーンウォッシング」の事例を紹介します。
具体的事例
再生可能エネルギー投資
例えば、再生可能エネルギーへの大規模投資を発表したとします。
しかし、その総投資に占める割合はわずかで、主力は依然として石油などの化石燃料に依存している場合、皆さんはどう思うでしょうか。
このような投資は、環境保護よりも株主へのイメージアップが目的だと思うのではないでしょうか。サステナブル製品
企業が、一部の製品を「環境にやさしい製品」と広告宣伝したとします。
しかし、その生産プロセスが、実は人権への配慮を欠いている場合はどうでしょうか。
消費者は表面的な「環境にやさしい」というキャッチフレーズの裏に隠された人権無視について知ることなく製品を買ってしまいます。
SDGsバッジの乱用
また、SDGsを「胡散臭い」と思う要因の一つに「SDGsバッジ」があります。
多くの企業や団体がSDGsのロゴを乱用して、自社のプロジェクトや製品がSDGsの目標に貢献しているかのように見せかけています。
表面的には責任ある企業のイメージが形成されると思いますが、実際は持続可能性への取り組みが欠けているケースが多いのではないでしょうか。
おそらく、多くの人がSDGsバッジを付けてしまうために、あのバッジは流行やファッションの類として認識しているように思います。
そのため本当に目標達成に貢献しようとしている企業や人物とは誰も見做していないのではないでしょうか。
胡散臭さの原因
SDGsの胡散臭さは、具体的な法的拘束力を欠いていることからも生じていると思います。
SDGsはあくまでガイドラインであり、各国や企業が自主的に取り組む目標に過ぎません。
そのため、実際には目標達成のための具体的なアクションが伴わないことも少なくありません。
結果として、SDGsの達成は形式的なものに留まり、社会的、環境的問題の本当の解決には至らないのではないでしょうか。
持続可能性への道
持続可能性を真剣に追求するには、透明性の向上と具体的な評価基準の設定が必要だと考えます。
また、企業や政府だけでなく、社会全体が持続可能な開発目標に対する取り組みを監視し、説明責任の追求が重要だと思います。
具体的には、第三者機関による監査や評価によって、企業や政府の公表するデータの信頼性が保証されるべきでしょう。
消費者の役割は?
消費者もまた、SDGs達成に向けた重要な役割を担うと思います。
製品購入時には、その企業の環境に対する取り組みを理解し、持続可能な方法で生産されているかどうかを評価しなければならないでしょう。
消費者が環境に優しい製品を選べば、企業に対して生産方法のシフトを促すことができると思います。
ただ、そのような面倒な理解をしたうえで、製品購入に至る人は実際には多くないと思っています。
政策の推進
政府による規制や政策もまた、SDGsの達成を加速するためには欠かせないと思います。
SDGs促進の政策やインセンティブを設定し、企業や団体が環境に配慮した選択をするように促すようにアクションを起こすべきだと思います。
また、公正なビジネス環境を整備し、真の意味での環境保護と社会的責任を企業が負うように追求すべきでしょう。
しかし、SDGs達成のために企業が余分な投資をすれば、収益が減り、税収入も減少する可能性があります。
そのため、政府も積極的な法的拘束力には及び腰でしょう。
結論
SDGsは、単なる目標ではなく、具体的な行動と実質的な変化を必要とする課題です。
しかし、現状では「グリーンウォッシュ」や「SDGsバッジ」の乱用により、本来の意味でのSDGsから逸脱しているケースが散見されている気がします。
持続可能性に向けた努力とは、見せかけの取り組みではなく、透明性、説明責任、具体的な評価を伴うものでなければなりません。
しかし、残念なことにSDGsは企業や政府のマーケティングに使用されてしまい、人々から「胡散臭い」と認識されつつあります。
この認識を修正するのは難しそうですが、私たち一人一人がSDGsの真の意味を理解し、行動を起こすことが、持続可能な未来への第一歩につながるのではないでしょうか。
ちなみに私も所属企業からSDGsバッジをもらっています。
ただ、恥ずかしくて付けておりません。
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