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「授業づくりの深め方 良い授業をデザインするための5つのツボ」 石井英真
本書の整理
授業とは
教材を通じて、教師と生徒が相互作用する中で、文化を身につけ、学力を組み立てる過程である。
良い授業とは
単なる知識の習得ではなく、さまざまな見方や考え方を共有することで、新しい創造的なコミュニケーションを生み出すような授業のことである。
教材研究の重要性
教材研究とは、教材の発見や選択の段階から、その教材の本質を探り、生徒の実態に応じた授業を構想するまでの一連の活動を指す。教材の意義を理解し、生徒の興味や実際の生活につながる内容を決定することが重要である。
教科書の活用方法
教科書を「教師が教えやすい」ものとしてではなく、「生徒が学びたい」と思える内容に近づけるための参考資料として利用する。
板書と学習プリント
・板書:生徒の学習内容への理解を支援するため、色使い、フォント、デザインの統一が重要である。
・学習プリント:学習内容の振り返りとなるよう、見やすく記入できるように構成にする。
ICTの活用
ICTで学ぶ(拡大や代替機能)
ICTでしかできない学び(教具としての有用性)
ICTを学ぶ(情報活用能力の規範)
学習評価
学習目標に添った評価の構築していく。そこから個人の成長や発達をとらえる。
学力の三階段「知っている・できる」「わかる」「使える」
「知っている・できる」:基礎的な知識や技能
「わかる」:概念や模式を理解している
「使える」:実際の問題を解決するために知識を導入できる
ルーブリック評価の実践
学生の「使える」力をパフォーマンス課題を通じて評価するため、基本構想から肌付けを行い、導入する。
日々の「わかる」授業の構想ポイント
毎時間のメインターゲットを一つに絞る
「目標と評価の一体化」を意識して、「授業後に子どもに生じさせたい変化」を明確にする
子どもたち自身にターゲットを捉えさせるための思考や表現の場を設定し、1時間のストーリーの中心に置く
「思考し表現する活動」を形成的評価のポイントとして意識する
計画は帯を持たせ、学生自身のまとめが上回るような教育内容を設計していく
まとめ
授業作りは、単元で計画していく。その中で、知識の習得について問う総括評価と思考判断表現等を問う形成評価を取り入れ、子どもたちが「何を学んだか」「何ができるようになったか」を理解できるような授業にし、振り返りを用いて「どのように学んだか」の定着を進めていくと学力の向上につながっていくのではないだろうか。