オンライン会議や講座を繰り返してそれなりに見えてきたもの。
コロナ禍の今、言わずもがな、オンライン会議の波が押し寄せています。
私は、別にこの状況を予測なんてしていたわけではないですが、昨年の前半くらいからzoomを使い、今年の5月いっぱいでzoomの有料プラン1年契約が満了します。
もうそんなに経ったのかという感じもしますが、まあまあ場数を踏んだので、ここらで一旦、オンラインの会議や講座についてまとめてみたいと思います。
あえて文字数を制限することなく、とても長くなっています。ご容赦下さい。
「なるべくしてなった」オンライン会議の機運
現在、新型コロナウイルス感染拡大を契機として、オンライン化の波が進んでいますが、少なくともオンライン会議については、私はコロナは関係なしに「なるべくしてなった」と思っています。
ツールとしてzoomを使い始めたきっかけは、そのとき使っている方から紹介されたに過ぎないのですが、オンライン会議自体はずっとノウハウを蓄積する必要性を感じていました。
その理由は主に3つです。
どれも個人的な事情なのですが、この理由自体が事例で、似たようなご事情の方も多いような気もするので、あえて書きます。
①九州の研究会運営のため
寺院活性化研究会という、超宗派(宗派を超えた)の僧侶たちで、年2回ほど勉強としての寺院拝観や、セミナーを開催する研究会があります。
研究会の代表の方が鹿児島、会計の方と広報の方は福岡、幹事の私は宮崎(昨年の段階では東京)、という距離感で、事前のやり取りがメッセージだけではなかなか大変でした。
これはどの場でも共通で経験のある方が多いと思いますが、大体、メッセンジャーやLINEグループ的なものができると、一部の人しか発言しなくなり、それはお互いにとってストレスになります。
その中で文字でやり取りを続けるのは、結構な頻度で、読み違えだったり、表現の問題でギクシャクしたり、関係性にヒビが入りかねない部分もあります。
文字だとちょっとしたやり取りに変に時間もかかったりしますし、電話だったり、声による話し合いで短期決着を図った方が良い場合も多くあります。
そんな思いを長らく抱えていました。
②横の繋がりと共鳴を維持したい
昨年の段階では私は東京にいました。
勤めていた研究所や、その建物の他の部署との関係などで、多くの方と繋がりができましたが、昨年頭の段階で、年末に地元の宮崎に戻ることが決まっており、戻った瞬間に繋がりが途絶える…というようなことはもったいないなあと思っていました。
そのため、私が前職を通じて繋がった方々と、何か定期的に情報交換なんてできたら良いと考えていました。
単に有志なのでティール組織とまではいきませんが、本来個々に動いている寺院僧侶が、何か共鳴し合いながら活動をしていく。そんな素地が出来上がるようなきっかけになれないか、という漠然とした感覚はありました。
③元職場での会議効率を上げたかった
私の元職場は包括宗教法人の行政的組織に属した研究所で、会議が多くありました。
他の部署、もっと言えば他の組織でも同様だと思いますが、会議で一番お金がかかるのは、大概は「出席者の交通費」です。
皆合わせると何十万もかけて、決まりきった文書の読み上げのような会議をして、「はい終了」ということもザラにありました。
余計なことですが、私は事務方で出席者の旅費の金額を知っているので、ただ出席して、大して発言等もせずに帰っていくような人を見ると、その金額と働きが見合っていない気がして、何か釈然としない思いを抱いたりもしました。
もちろん、成果・功績の形も様々なので、金額との正確な比較なんてできないのですが、それにしても交通費の出費の制約がなければだいぶ変わるのになあと思っていました。
その反面、経費削減で、昼食費を削ったり(基本的に会議は午後開始という前提に)、お上から、会議回数を一律で1回ずつ減らすようにとお達しがあったり、思うところもありますが、色々トップダウンもありました。
あるプロジェクトでは、年間2回の会議で報告を出す(しかも半分くらいは別の会議の運営で潰れる)という、なかなかに無理筋な構造になりました。出席者からの「この回数でどうやればいいんですか?」という旨の質問に、お上からは「それはそっちで工夫してくれ」という何とも投げやりな返しがあり、それを聞いて「もう制度疲労を起こしているんだな…」と肌で感じました。
多くを解決し得る手段
半分グチのようになりましたが、これらの需要や問題をまとめて解決し得るのが、「オンライン会議」ではないか。そういう結論に至りました。
昨年の頭の段階で、私は2019年末に職場を退職すると決めていたので、辞めるまでにオンライン会議の取っ掛かりを作っていこうと密かに決心しました。
前述した九州の研究会には、オンライン会議を心得ている方がいたので、その方にも研究会でオンライン会議をする中で倣いつつ、それとは別に前職場の関係の方にお声掛けをして、簡単な勉強会を立ち上げました。
周囲の理解もあり、有志でオンライン会議の場を設けるのは、そう難しいことではないと、当時も、またこのコロナ禍においても実感を深めています。
既存の組織で活用するということ
しかし、既存の組織でオンライン会議を導入する場合、様相は一変します。
結局のところ、上層部の意思決定で成否が決まるからです。
幸い、私がオンライン会議推進を決意したときの直属の上司(中間管理職)の方は、私が職場に配属されたときからの付き合いで、すぐに理解をしてくれました。かつてSkype会議を試みてイマイチだったことがあるそうなのですが、今はツールの向上と、ネットワークの向上で、かなり状況が変わっていることを伝えたら、納得してくれました。
しかし、かなり限定的な事情ですが、そこから人事異動でその上司がいなくなったとたんその案は宙に浮き、その次の上司にも慎重にお話しをして、お試しでオンライン会議をしたりしつつ、やっと納得していただいたのですが、急転直下でその上司も異動になる、という込み入った状況でなかなかうまく行きませんでした。
苛立ちもありましたが、仕方ないかなあという思いもありました。
そんなときに、この新型コロナウイルス感染拡大が起きます。
この事態を読み切っていた人もいなかったと思いますが、当初は全職場での会議も通常通り開催するというスタンスで、不思議なことに、感染が拡大してきてもなかなか覆ることがありませんでした。
その頃には私はもう部外者になっていて、その組織を説得するのはなかなか難しい状況になっていたのですが、あるとき、この状況を変えた方がいました。
その方は、上に書いた有志の勉強会にも加わっていた方で、うちの宗派内では、多くのことにチャレンジされている指折りのスーパー住職です(この書き方が適切ではない気もしますが、他に書き方が浮かばないので)。
この方が、その組織の別の部署を説得してくれたことで、オンライン会議への舵が切られることになりました。
zoomの有料プランにも入ったという報告とともに、
「若手の森下くんがやってるんだから、(先輩の)自分がやってないのはおかしいと思って」
というお言葉をいただいたときに、「自分がやっていたことは決して無駄じゃなかったんだ」と思えて嬉しかった記憶があります。
そんな感じで、発言力のある方が適切なところに説得を行い、少しずつですが大きな組織でもオンライン会議への道筋が見えてきました。
正直、色々な意味で、旧態依然とした既存の組織は、外圧が加わると動きやすい、というのを改めて感じる次第でした。
自分だけで行うならともかく、他の方にも勧めるというのは、オンラインへの偏見や、現実的にツールの使い方などのハードルもあり、それなりの難しさがあります。
ここで、ツールの特徴や、オンライン会議の特徴について挙げてみたいと思います。
オンライン会議ツールの選択は重要
私はこれまでほとんどzoomばかりの使用でしたので、それ以外のツールはそこまで詳しくないのですが、オンライン会議ツールは日に日に増えており、主要なものだけでも、
・zoom…無料プランだと3名以上で45分の時間制限があります(再度入り直せば使えるが、人数が多いと現実的ではない)。
アプリがあれば、アカウント不要でミーティングに参加できる(PCならブラウザ参加も可能)という使いやすさでシェアを一気に伸ばし、オンライン会議の代名詞となりました。
有料プランが3段階あり、最も低いProプラン(月2千円ほど、年間プランにすれば割安になる)でも、画面共有、機能面において必要なものは基本的に揃っています。
・Webex…zoomと並び安定しているオンライン会議です。使ってみた感覚としては、zoomと比べてもほぼ遜色ない。というより、無料版でも1会議で100名参加できる、24時間が回数制限なしで使えるという、かなり無料プランの機能が良いです。
有料プランも3段階(金額とクラウドの容量などで比較すればzoomよりコストパフォーマンスが良い)、他の機能的にもzoomとの違いは殆どありません。あるとすれば、ミーティングツールそのものの作りなので、それは自身で使用してみて確かめるしかありません。試しにやってみましょう。
・google meet…(9月30日までは無料ですが、それ以降は無料プランだと最大時間が60分になるなどに制限がかかるそうです)ミーティングの設定のしやすさ、ミーティングへの招待のしやすさは良いが、ミーティングそのものはブラウザやPCとの相性の問題が出やすい印象があります。
スマホ参加はタップの少なさ(参加の簡単さ)をウリにしているので、そういう意味では良いかもしれません。
有料プランはGsuiteと紐付けされていて、多くの段階がある。チャットなどが使いこなせればグループにおいては用途が広がるように思います。
ただ、Gsuiteの設定をお試しプランでやってみましたが、ちょっと難しいです。こういうのはしつこくやれば何とかなるとは思いますが。
googleにはハングアウトという会議機能もありますが、いずれmeetに統合される方針とのことで、ここではとりあえず除外しています。
・Microsoft Teams…スペック的にはかなり優秀です。データ帯域もzoomより抑えられていて、zoom以上に通信が安定しやすい環境にあります。
無料プランでは時間制限はありませんが、かなり機能制限がかかっていますので、有料前提で考えた方が良いです。
月額も安い上に、office365と連携していて、office系のソフトやonedriveが1TB使えるオプションも付いています。初めての方の導入もzoomと大して変わりません。
背景をぼかす機能は、端末を選ばず、グリーンバックのようなものも必要なく、割と便利ではあります。
ただ、現状ブレイクアウト(グループワーク機能)が付いていないのだけが惜しいです。
・Skype…会議については基本無料。これまでアプリ必須だったのが、他の会議ツールと同じく、meet nowというURLで共有できる(PCはブラウザ参加可能、アカウント不要)機能を搭載し、これまでより手軽なツールになっています。画面の共有など、機能的にも他の会議ツールと遜色ありません。流石元祖会議ツールといいますか。
最初に開いたときに、Skypeの矜持なのか必ずチャット画面から始まるのが難点です。 いつもこういうのを触っている私も「えっとビデオ会議どこだろう…」となったので、これだけでコケる可能性もあります。
とはいえ、ライトユーザー向けではあると思います。
Microsoft提供なので、Teamsと同じく背景をぼかす機能があります。
・Facebook …基本無料。Messenger Roomsという、messengerのアプリからミーティングを設定できる機能。
かなり手軽で画面共有もありますが、チャットはmessengerに依存しているので、画面的には使いづらい部分もあります。細かい機能はあまり付いていません。それが故に、使うにあたって迷う要素は少ないです。
・LINE…基本無料。今や全世代で多く使われている、言わずと知れたコミュニケーションツール。私も使わない日はありません。もうこれとMessengerがあれば充分で、携帯用のキャリアメールはほぼ使っていません。
ここで挙げるのはビデオ通話になります。これも気楽にできます。
しかし、大人数だと通信環境によってかなり不安定になったりします。
あえて書きました。いざとなったらこれを使うのも選択としてなくはないのですが、基本的に会議ツールとしてはおすすめしません。どれも使えないときの最終手段ですので一応書きました。
元職場の私とは直接関係のないところで、これを使って開催したという会議のクレームが何故か私に送られてきた関係で、ちょっとギスギスしたことがあります。
これだけではなく、他にも多くのツールがあります。
どれもURLを共有することでミーティングに参加できるのがスタンダードになっています。
特徴は主観で書いたところもありますが、大体は客観的情報(のはず)です。
最近、近しい方から「どれが良いのか?」と個別で尋ねられることが多いのですが、私は「その方自身や、その方が会議の相手方にする対象者の環境に合ったもの」を一緒に考えるようにしています。
例えば参加者が少人数でFacebookを使う方が多いなら、Messenger Roomsを勧めるでしょうし、office365を既に使っているならTeamsをお勧めするでしょうし、セミナー的な活用を目的とするなら、やっぱりzoomをお勧めするかもしれません。
それが単発なら、今現在、一時的に無料になっているツールなどを勧めるかもしれません。
これが正解というツールはおそらくありません。
そして、オンライン会議ツールは、全て発展途上であるともいえます。
これからアップデートで補強されていく部分もあると思いますし、さらに通信環境が上がれば、より安定していくと思います。
初期投資が要らないのが長所
オンライン会議やyoutube的なライブストリームに必要なのは、まずは通信環境(速度)だと思っています。
それも、調べたところによると、そのツールにもよりますが、1.5Mbpsとかそれくらいなので、よほど古いものでなければ、公衆WiFiでも何とか賄えるくらいの速度です。
というのも、オンライン会議やリモートワークを行うにあたって、外付けのwebカメラやマイクなどを購入される方が多いようです。
もちろん、設備投資が(経済的・技術的に)支障なくできるのであれば、それは全く問題のないことです。
ただ、その上で、個人的に強調したいのは、オンラインの良さは、さほど初期投資をしなくてもいいところだと思っています。
オンラインで何かをしようと思えば、まず現状の設備で事を成す知識・方法を調べていくのが最優先です。
画面共有にはPCが必須で、、、という場合は、PCで画面共有をして、スマホで音声を飛ばす、youtubeでライブストリーミング配信をする場合、モバイル端末からは、チャンネル登録者数が1000人を超えないとできない、なんて制限がありますが、エンコーダ配信をするなどの方法もあります。
何にしても大体先駆者がいるので、知識・方法を模索する方が先で、安易に高い機材なんて買っても徒労に終わることの方が多いという実感があります。
もちろん、状況にもよりますが、あまり設備投資をする必要性はないかと思います。
強いて「オンライン会議のためにこれはあっても良いんじゃないかというもの」を強い独断で書くなら、個人的にはiPadだと思っています。それも今買うならProでなく、2019年に出た第7世代の機種で構いません。3万円台からで購入できます。映像、音声ともに高品質で、グリーンバックがなくても、ある程度後ろに物があっても、バーチャル背景ができます。
zoomの場合、アプリ版だとブレイクアウトルームという機能が使えなかったりもするのですが、大概のことはストレスなくできます。
あとは、強いて言えばリラックスできる椅子など、そういった「PC周りの環境」の方が重要だと思います。
「オンライン疲れ」はほとんどが身体的要素
椅子は大事です。
なぜかと言えば、最近よく耳にする、というより実感するようになった「オンライン疲れ」は、ほとんどが身体の疲労感だと思っているからです。
これは、私は昔、時間を忘れてテレビゲームをしていた時期もありますが、そのときの感覚に近いからです。
「画面の前にじっと座っている」ということは、人間が思う以上に身体に負担がかかります。
私の場合、背中から腰にかけての疲労感はかなり大きいです。
ですので、椅子などの環境も疲労感を大きく左右すると思っています。
疲労感を溜めない方法。色々な方法があると思います。
ネットで検索すれば健康の専門家の方の方法が出ると思うので、そちらを参考にしていただいた上で、私のオンライン疲れ回避法を書いてみます。
やや極論かもしれませんが、私はつい最近、あるオンラインセミナーを受講している間、音声もミュート(自分の音を相手に聞こえなくして)、ビデオをオフにして(自分の姿を相手に見えなくして)、参加しながらずっとカレーを作っていたことがあります。
もちろん、音声は流して耳で聞き、頭もセミナーに使います。
結果、普通に日常動作をしていれば、それほど疲れないということが判明しました。
料理までは難しい場もあると思いますが、意外と相手からすれば音さえ立てなければ気にならないものです。
あとは、細かいこととしては「あまり画面を見つめない」ことです。
オンラインでも、話すときはどうしても、相手の顔を見なきゃいけないというのがあると思いますが、私の場合、話すときもあまり画面をみません。ずっと見ないのももちろん良くないとは思いますが。
画面や相手の顔を見ることそのもののストレスもありますが、画面を見る習慣ができることで、より画面の前への束縛が強くなります。まずは少し目を離すところから初めてみましょう。
その他にも、ちょっと立ってみたり、姿勢を変えてみたり、相手が自分のビデオを観ていても気にならない動きをやりながら調べてみましょう。
世代は関係がない
話を戻しますが、オンライン会議を推進するにあたり、もちろん、相手が参加できるか、ということが肝になってきます。
一応ですが、オフラインも重要です。ただ、先に書いたオンライン会議の必要性から、あくまでここでは「オンライン会議推進」を前提に書きますのでご了承下さい。
zoomは、タブレットやスマホの場合、アプリダウンロードは必須ですが、アカウント登録は必須ではないため、相手にアプリのインストールまでの導線を敷ければ、あとはURLを送るだけなので、ハードルはさほど高くありません。
zoomに限っていえば、ここのところzoomイベントが多く開催されているので、あまり丁寧に導線を敷かなくても通じるのがメリットになりつつあります。
問題は、相手があまりオンラインに乗り気でない場合です。
もちろん年齢が高いほどオンライン会議のハードルが高くなりがちですが、それはPCとかに触れるのがあまり得意でないというだけで、サポートの手立てがあるなら、さほど問題ではないようにも思います。
私の肌感覚ですが、若い世代なら必ずしも大丈夫、とは言えない気がします。
どちらかというと、PC、タブレット、スマホを普通に使えるのに、オンライン会議をしたくない、という人の方が説得が大変だったりします。
こちらは地道にやり取りをするしかあまり手立てがないのですが、食わず嫌いなイメージもあるので、実際に体験すれば納得してくれる方も多いです。
私はまずは何か軽めのオンライン懇親会のような場に呼ぶことが多いです。
特に何もコントロールしない拡散型の場に参加してもらって、まずはオンラインに慣れてもらう。それが大事です。
「拡散型」と「収束型」と「配信型」の場
「拡散型」というワードを挙げましたが、会議の場にはいくつかのタイプがあると思います。
主なものとして、
「拡散型」…制限を取り払った、自由な討議の場。オンライン懇親会も一応この場に入る(はず)。
「収束型」…既知の情報から論理的に思考を進める討議の場。討議の組み立てをしっかり決めていることが多い。
「配信型」…そもそも、参加者との意見交換をあまり目的としていない、垂れ流しのような内容。ほぼyoutubeのような内容。
「拡散型」と「収束型」は有名な定義ですが、オンラインの傾向として、「配信型」も付け加えました。ある種セミナー型でもあると思います。
どれが正解ということもないと思いますが、時間を有効活用するために、目的に合わせて使い分けたり、組み立てを行うための理解は必要だと思います。
この辺りの組み立てがない会議はオフラインでもオンラインでもかなりしんどいことになりますので、大事なポイントだと思います。
適正人数
ところで、オンライン会議に適した人数は何名ほどなのでしょうか。
色々な見解がありそうですし、設定にもよるのですが、正直なところ、そう多くはないというのが実感です。
何名と言われると難しいのですが、「拡散方」でも「収束型」でも、クオリティを重視するなら、5名~8名くらいで限界のような気がします。
「配信型」は、配信するだけなので、100名くらいいても問題有りません。意外とながら出席するならそれくらい人数がいると一参加者としては気楽だったりもします。
しかし、これを言うと身も蓋もない気もしますが、会議の雰囲気は結局メンバーによって決まるところもあります。
場の機能の半分はメンバー次第
オンラインの場合、何名いてもおとなしい人ばかりだとなかなか活発な討議に入りづらいこともありますし、少人数でも一人強烈におしゃべりな人がいれば、その分、他の方が発言できない状況が顕著に現れます。
「先日の会議だけど、あの方が絶え間なくずっと話しているから何も話せなかった」という苦情のようなご連絡を受けたこともありますし、私自身が思ったようなこともあります。
決して特定の人だけがという訳ではありません。オフラインなら、大きな声で話している人がいる中で、隣の人と小さな声で話す、みたいなこともできますが、オンラインの場は、一人話せば、それだけその分他の方の発言を封じている、という理解は必要です。
私はそもそもあまり自分が話すのは好きではないところもあるのですが、なるべく「端的に話を切る」(話の切れ目を作る)ようにしています。
先ずは自分がそういう立ち回りをしないのも大事なことと思います。
フェアな意見交換のためには仕込みが必要
では、何かフェアな意見交換をする方法はないのでしょうか。
個人的には「意思表示する権利を平等にまわしていく」ということがカギになると思います。
でも、全員に話をまわしていく、ということではないと思います。
かつて出席したオンライン会議で、何十名もいるのに特にルール設定もせず、「どう思ったか」ということだけを全員に言わせていくということをしていた会議があって、皆思いのままに話すので、それだけで1時間以上かかって、正直「ふざけんな!」と思ったことがあります。
もちろん大人数のときにチェックイン(自己紹介等)で全員に話を振ることも多くあります。でも、急ぐときは急ぐ旨をちゃんと伝えるべきです。
「30秒以内で」
「名前・所属・今の気持ちを話す」
みたいなルールを設けるのが大事です。
あとは、人数が多ければさらにスピードを上げるために、話す順番をチャットで「いけます!」と書いた人の順に話してもらうという方法も教えていただいたことがあります。
加えて、チャット機能などの文字ツールを上手く使うことも大事です。
他の方が話していても、チャットはまた別で盛り上がることができます。慣れている方とご一緒すると、その辺りも心得ているので、上手く盛り上げてくれるから助かります。
あとは、googleドキュメント(リンクをシェアすれば参加者皆でテキストを打ち込める)でいったん可視化して、意見を運営側でチョイスする方法なども教わりました。
そういった、オンラインならではのツールも上手く活かしていくと会議効率が上がると思います。
誰でも会議・講座が企画しやすい
色々書きましたが、オンラインの良さの1つとして自分が実感しているのが、会議・講座の企画がしやすい、という点があります。
私が企画した(あるいは主体的に関わった)会議は、このコロナ禍の4月、5月だけでも、
あと、オンライン懇親会や「雇用調整助成金」についての情報共有会なんてのも非公開で開催しました。
オンライン懇親会とか、少人数の会議を入れたらもっとです。
これくらいの頻度でオンライン会議をしている、そういう人も多いと思います。
講師先生さえ乗ってくださるなら、企画自体はそこまで難しくないというのが実感としてあります。
なぜなら、オフラインの会議も結構企画してきましたが、オフラインでは、会場代、講師謝礼、講師の旅費、お茶代、お茶菓子代、食事代、懇親会代など、様々な出費があります。
ですが、オンラインであれば、気にするのは最低限、講師の謝礼くらいです。
親しい人同士の勉強会みたいな形であればそれも要らない場合も多くあります。
もちろん、「オンラインは安い」という傾向があまり広がっても先々のためにならないところもあるので、謝礼を払うという方法もあった方が良いです。
noteとの親和性
会議・特に講座を企画するにあたって、謝礼を支払う方法として、このnoteとの親和性についても書いておきたいと思います。
noteには色々な機能が付いていますが、ある意味最も特徴的なのは、「金銭のやり取りがしやすい」ということがあります。急に生臭くて申し訳ありません。
例えば、特定の金額を幾らか貰おうと思えば、有料記事を1本、その金額で作れば、それを購入してもらえば成立します。
オンラインサロンのような月額制でやりたいなら、定期購読マガジン(有料プランでしか使えませんが)か、サークルという機能があります。
そしてもう1つ「サポートをする」という機能があります。この記事の最後にもありますが、いわゆる「投げ銭」機能です。
サポートを開けば分かりますが、100円、500円、1000円、そして(無料プランでは最大1万円まで入金できるそうですが)自由な金額を入金できる機能です。
「投げ銭」というのはオンラインではかなりスタンダードに近い位置に来るのではないかと思っています。
実力主義とも言われますが、ある種正当な報酬で、(個人的には)入金のハードルはやや低めです。
こうした機能を、オンラインの会議や講座と組み合わせて使うのも面白いと思っています。
もちろん、他にも入金できるwebサービスはありますが、サポートの投げ銭方式と、メッセージを添えられる機能に、かなり可能性を感じています。
オンラインとオフラインがリンクする
長々と書きました。
ここまで私が書いたのも、オンラインという場に可能性を感じたからに他なりません。
前述した、オンラインファシリテーション講座をお願いした信岡さんが「オンライン・ベースド・オフライン」という話をしてくださいました。
今は皆オフラインをベースにして、足りないものをオンラインで補足するという感覚ですが、いずれ、オンラインでできることを中心に物事が進み、できないことをオフラインで代替する、という話です。
そうだなと思うところと、本当にそこまで行くのかな?という半信半疑ですが、そうした技術革新は、衰退の道を歩む地方にとっても活路を見出す起爆剤になる、何ともワクワクする話です。
このコロナ禍で、私は「オンラインでしか知らない」知人、でも「妙に繋がりを感じる」知人がたくさん増えました。
オンラインと聞くと「楽している」とか、「やはりコミュニケーションは面と向かってでないと」という意見もあると思いますが、私は、オンラインの普及で、むしろ新たなコミュニケーションの広がりが見られて、楽しさを覚える部分もあります。
最初に書いた、既存の組織での会議も、オンライン会議を推進することで、費用を抑えるとともに、例えば年2回しか開催できなかった会議もオンラインであればもっと多く開催できるようになり、会議効率をむしろ飛躍的に上げることができる側面があると思います。
私の自坊、立正寺でも、オンラインでの相談や供養・年忌を始めました。
何年も前から頭にはあって、突飛な内容だと当初は思っていましたが、今は何も突飛じゃないと思います。実のところお寺がやることはさして変わらないからです。
今までもしていたことをオンラインで繋げるだけ。
オンラインな世の中で皆と繋がるからと生活を変える必要はない。
オンラインでも、オフラインでも、私はここにいるし、私の心は変わらない。
森下 恵王 合掌
―――――――
身延山宮崎別院 立正寺 副住職
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