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台湾逃避行録(食べた物)2日目

台湾フードは愉快だ。

そう思った2日目。
僕は文化を食べた。目にした。思いっきり鼻で呼吸したのだ。


台湾2日目。
前日の夜市のひと盛り上がりはお腹を満たし、完全なる逃避行を達成した。
一方で変わってしまった胃袋の小ささにもどこかしら嘆いていたようにも思い出される。
大学生のあの頃、せっかくだからと食べに食べまくっていた元気な胃袋は、今はいないらしいことを旅行のタイミングで毎回ハッとさせられているような気がする。

そうは言っても、結核の台湾。
2日目の朝に寝過ごしている暇などあるわけがないのだ。しっかりと胃もたれしている感覚を感じながら、朝の旅路に出た。

気持ち良い朝。
台湾といえば朝食を外で過ごしている。
あたたかな日差しは夏だろうと冬だろうと、人々を朝ごはんに誘う。

今日はワンハンドでサクッと踏ませられる、絶品餅に出逢いに行ってみた。行ってみたかった。

あさの9時朝食の揚げ物

なんと書いてあるか、さっぱりだが事前調べによると「千切り大根餅」の熱々を食べる、まさに文化そのものである。

丁寧に包餡されじゅわざくに揚がる上がる。
軽々と袋に入れて次々に渡していく、そう、ここは屋台だ。
行く人行く人複数買っては次から次に人が。

よほどの人気店なのだろうなぁと考えながら空腹のゴングがなり、帰り道に歩く速度以上のリズミカルな感覚で次々に食べていく。

たっぷりの千切り大根が

ザクっと歯応えはたっぷりだが皮は思ったより薄めに。もっちりとした生地には、さっぱりとした千切り大根がたっぷり。

まさか千切り大根が顔を出すなんて思っても無いのだが、水気はなく、下味が優しいシャキッとした大根の歯応えが完璧なコントラスト。
ワンハンドグルメの完璧な仕上がりに、台湾に唸った。

台湾のご飯はやっぱり家庭的な要素を欠如しないのがホッとする。


そのまままたこれローカルパワーカルチャーに。

包む物全部謎
白米に紫米の選択肢

こちらもまあまあの列をなす、名物屋台めし。
朝からおばちゃん達の活気と、負けないほかほかの湯気が情熱の台湾らしいなと思う。

いわゆる海苔巻き。
日本で言うところの創作爆弾おにぎり専門店だ。注文名は至ってシンプルなのに、なに一つ知っているものが入らない(海苔巻き世界共通の概念よさらば)。

わしわしと具材が並べられ、相当パワープレーで見事に丸め込む。
紫き米の得体の知れない重量級海苔巻きを持ち帰った。

振り返ってなぞ海苔巻き(美味しい)
定番海苔巻き(やっぱり謎)

ホテルに着くやすぐに、むっちりの太巻きを豪快に頬張ってみる。

紫米の穀物の香ばしい香りが鼻を温め、バリコリっとサウンドが脳天を突き上げる。

美味しい。けど秘密主義の塊だ。知っているようで答え合わせはできない、テスト中1番焦るあの不安感に多少駆られる。

高菜やツナの甘みとさっぱりとした味わい。バリボリと音を立てるのはどうやら揚げパンらしい(真実??)。食べるたびにゴツゴツの歯応えが顔を出すかと思えば、煮卵がそのまま出てきたり、甘いとうもろこしの弾ける美味しさも兼ね備えている。

いわゆる爆弾おにぎり。
でもそこには日本が知っている唐揚げにマヨみたいな(それもそれで美味しいのだが)インパクトスタイルではなく、あくまでも当たり前の顔をした優しいお母さんスタイルのとてつもない爆弾のりまきだった。

これまた新しい。


そのままときは流れて夕方に。
九份や十份は相当遠く、おやつに臭豆腐は欠かせなかった。

好きです香り

屋台の香りからずっと気になっていたのが臭豆腐。
臭い臭いに脅されて、踏み入れなかったもんを開けると、まさかの全然平気な味わい。

かりじゅっとした質感は水気をさらに絞った厚揚げ豆腐のよう。
ふわっと発酵したなんとも言えない香りが漂うのだが、良いアクセントになって個人的には進む味。

さっぱりのお漬物と永遠の食べ合わせだと思った。即完食(全然空腹)。


が、時間はなく両親と観光を優先すると空腹のその先に行きそうで、帰りのタクシーはみんな爆睡。

予約していた火鍋のマグマに突き落とされたかった。

そこでは、ザ火鍋と思いきや青花椒がたっぷりと入ったシビ辛い味わい。
巡回スープ追加お姉さんが見事なタイミングで出汁を整え、温度も調整してくれるサービスにみんなうっとり。

空き過ぎたお腹を満たそう満たそうと、目が鋭くワイルドに。

たっぷりのお肉に、湯葉、きのこもどっさりと。

スルスル入る鍋と人間の友好関係はいつまでも良好だなぁと感心(いつのまにか)。

自家製のクラフトビールの甘爽やかさも相まって、怖いくらい手の運動が止まらない。
家族ともどもシビからに汗をかきながら、ただただ整然と食べ続けるのだった。


お腹もはち切れそうなところで、今日の食べ収め。

いやー食ったー。
小さい頃焼き肉のたびにお腹をはち切れそうにしていた、興奮と虚しい感覚に少し苛まれたが、それでも旅行は特別だ。

心を満たす台湾料理の数々に終始興奮していた2日目。

美味しいひとときに、ごちそうさまでした。

では、また次回。


お店情報

温州街蘿卜糸餅達人
106台北市大安區和平東路一段186-1號

劉媽媽飯糰
100台北市中正區杭州南路二段88號1樓

Chin Huajiao Taipei Zhongshan North
10491台北市中山區中山北路一段137號




*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*

リンク→https://www.instagram.com/keisukeueda__/


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