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サロン・デュ・ショコラ2025に学んだ、チョコレートの本質
念願だった。
サロン・デュ・ショコラはいつも雲の上のイベントだった。
僕の地元名古屋では、バレンタインの時期の約1ヶ月間日本一の売り上げを誇る「アムール・デュ・ショコラ」という祭典が開催され、日本のトップブランドやお菓子ブランドがこぞって新商品を出し、チョコレートに溺れるようなイベントが開催されている。
興味本位で毎年行っていたのだが、SNSで見るのは、サロン・デュ・ショコラの文字。あれ、ここ日本だよな。同じ時間軸だよな。
こんな小さな国なのに、地域によって、あ、いや百貨店軸によるものだが、ホットなイベントがどうやら違うらしい(大学3年に気づいたのだった。僕がいるべきは名古屋じゃない!と2月になると自信大きく宣言していたことを思い出した。恥ずい)。
その日から、狂ったように人々が朝から長蛇の列を作る名古屋の祭典を横目に、明日の方向を呆然と見つめながら、それはサロン・デュ・ショコラを羨ましがっていた。
そこには何の違いがあるのか。
今年は念願叶ってのサロン・デュ・ショコラ東京会場(伊勢丹さまの天守閣であろう新宿店にて)に行くことができた。それもPart2に。
生意気のように、数年前名古屋から”こちら側”の景色を見つめながら抱いていた、サロン・デュ・ショコラは、期待を超えるチョコレートの夢だった。
期待の果てに、夢。
ここまで待ってよかった。と過去の自分に酔いしれた(生意気の上にたまたまがすごいか)。
まだまだ憧れで登竜門。
ただ、トップショコラティエを信じてみようと思った。東京会場にはトップショコラティが集う圧倒的なアドバンテージがある。
開店前の長蛇の列は2時間30分前に到着することで先頭を確保し、お店が開くゴングと共に繰り出した(あれ、全然夢がない。そしてまだ整理券の話)。
前から400番目はすぐのすぐ。
会場入りの出番がやってきた。
事前リサーチをもとにすでりルートはシミュレーション済み。お目当ての売り場には間髪入れず足早に向かう。
「うわっ!いるじゃないかい。いるじゃないかい」1人で呟きながら先方に“クリスチャンカンプリ二”がいることを認めた。
僕のアイドル(推しと呼ぶのか)である彼を遂にこの目で拝むことになるとは。最近どうやら夢が叶うことを知り始めている。
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仮説に設けられた各売場は、ショコラティエの渾身のお菓子がずらりと並べられているがフランスさながらのブティックではない。
なんてことの無い売り場にも、トップショコラティエのお菓子があれば、それで完成されるらしいのだから、素晴らしいショコラ熱と文化だと思った。
今年は「サブレ キャラメル サレ」を念願購入することができ、そそくさと対面ブースに。
毎回言語も通じないどこぞのファンたちに向かって、さすがのハンサムスマイルを繰り出すカンプリ二はなんて紳士なんだ。
サインをもらい、2ショットも撮るという側からは見ていられない、推し活を丁寧にこなし、今日の仕事を終えた(気分で、すかさず次の売り場に向かった。軽やかなフットワークだったことだろう)。
それにしてもベルナシオンにアルバンギルメは長蛇の列だ。
毎年会いに来たよ、と告げる田中みなみみたいなファンも多いんだろうな〜と思うと、チョコレートに捧げる人類がこんなにも日本にいることに驚かされる。
それもそのはず、日本のサロンデュショコラ熱は世界屈指で、だからフランスから毎年ショコラティエが顔を出しにくるのだから(日本の文化に落とし込まれる経緯って、ビックバン起きてるよな)。
リサーチ通りにコレクトした僕は、会場を後にし、一旦1週間寝かせた(次の土日休みまで食べることはできない。自分との約束だ、謎。)。
翌週土曜日はAnnivarsaryだ。
この1週間この時のために、心を体お整えてきたのだから。
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見事な豪華な共演だ。
上から
・フランクケストナー サブレ ピスターシュ
・カンタンバイィ ショコラアソート9P プラリネ
・クリスチャンカンプリ二 サブレキャラメル サレ
・ニコラベルナルデ クッキーショコラノワールコーティング
※横文字にチカチカする
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グラスにたっぷりと入ったサブレ。
主役はピスタチオの香りが儚いほろっと崩れるサブレ。
ミルクチョコがコーティングされ、噛み砕いたその時に全てが花開くようなピスタチオとカカオの抜群の相性を感じる逸品。
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ジュエリーじゃん。
艶やかな一粒一粒と目が合うたびに、オーディション会場にいるみたいな、魅力に審査員が緊張する。
食べると広がる個性豊かなプラリネに、チョコレートの奥行きを知る宝石箱のようだった。
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僕のアイドル。
昨年はジャンドゥージャを食べたあの感動が再びだった。
一度焼き上げたクッキーを崩して、もう一度固める手間暇だからこそ味わえる、ジャクジャクとした新食感。
箱を開けた時のフランスからはるばるやってきてくれたんだと感嘆してしまうカカオの香りに、キャラメルの生柔らかさがたまらない。
魅力に魅力を重ねた、このチョコレートは墓場まで持っていきたい名品です。
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こちらも今年の運命の逸品。
バター香るざっくりと焼き上がったサブレに、岩石のようなチョコチップが顔をだす。
箱から口に入れるまで、カカオアロマに恋したと思いきや、クッキーとチョコチップの巧みな味わいに記憶が塗り替えられていくのだった。
ふう、一呼吸。
一つ一つ妄想も踏まえながらじっくり味わっていくと、サロンデュショコラの会場にもう一度立ちたくなっていく。
もう会期は終わっている、この儚さが、また来年も会いたいと切実に思える中毒性の要因なのだろう。
I LOVE CHOCOLAT
と初めて本気で思った。のだった。
美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。