初夏を感じる、ぶっかけ蕎麦で爽やかに
こんばんは、今日も食日記ご覧いただきありがとうございます。
世の中は夏休みモードだそうで、暑さの中でももんわりとふんわりと夏休みムードが流れるここ数日に僕自身も浮き足立ちそうで楽しくなってきいます。
今日の食日記
夏を考えると、冷たい麺を啜るシーンがいくつもフラッシュバックする。
しかもかなりのエモさを伴ってだ。
高校卒業までバスケットボールに明け暮れる日々。
それ以降の夏というのは、バイトもしていて、比較的自由にお金を使っていたからか、夏だから冷たい麺を啜っていたという記憶はあまりなく、おばあちゃん家でいただく朝どれ野菜に勝る夏の美味しさははっきりと思い出せない。
なのに、それなのに冷たい麺を啜る記憶があるのは、まだバスケットボールプレイヤーだった頃、冷たい麺にお世話になっていたからだろう。
それはきつい練習の日々。
暑すぎる体育館では、水を飲むのが追いつかないほどの滝汗を流し、滝にでも打たれたかのようなびしょ濡れで体育館を後にする(帰りの電車の冷房に死にそうになった。ここは南極か。)。
そんなだったから、食べても食べても栄養にならず痩せ細るのになんとか歯止めをかけようと食べたのが冷たい麺の類だった。
これぞ清涼感を体現したような主食。
冷やしかけうどんに、つけ蕎麦、きしめんだって嬉しかった。
多くはコンビニの名品たちの記憶だが、たくさんのお気に入りがあった事を覚えている。
(今もあるのか?)月見とろろぶっかけ蕎麦はその中でもNo.1のリピート率を誇っていた。
小学生ながらにたっぷりとワサビを入れるのが、ツンと爽やかでたまらなかった。
汁だくでふにゃほにゃの天かす。ずるずると音を立てるとろろと温泉卵のどろりまとわりつくぶっかけの醍醐味。
今でも思い出す啜る気持ちよさと、これなら食べられる!と夏バテでもなんとか食い繋いだあの味。
これを青春の味と呼べるのかもしれない。
年々暑さが厳しくなる日本(もはや世界問題だが)。
6月にも灼熱の日がやってくることに、驚く人は多くはないだろう。
そんな日々に飽き飽きしていてもしょうがないし、美味しく季節を味わってやろうかと思った時、冷やしぶっかけ蕎麦が食べたくなったのだ。
今度はコンビニじゃない。
もっと愛情の込められたお手製の冷やしかけ蕎麦が食べたい。
今日のお店
ここ那須塩原には星野製麺所というブランド麺の会社があるそうだ。
うどんに蕎麦に、地元が愛する星野の麺をいただける街の食堂があるのだそうだ。
吹っ切れた僕は思いっきり初夏を満喫したくなり、灼熱の街を駆け抜けてその食堂に向かった。
「ガラガラ」扉を開けると、昔ながらの田舎の空気。
地元の香りがする。
忙しない厨房を囲むカウンターには男性のサラリーマンがハンカチ片手に汗を拭い、ずるずると麺を啜っている。
ぎゅっと詰まったテーブル席にも、男性上司と若手女性社員のグループが2組も(この構図よくみるよな、とぼやく)。
ガヤガヤしているのに、それぞれの席が独立しているのはお昼のワイドショーがうるさいくらいに流れているからなのかもしれない。
そんな中、24歳の若造が一人カウンターにつく。
一択で冷やしぶっかけ蕎麦を選んだ。
女性2人が切り盛りし、茹でたての蕎麦やうどんが何度も釜から揚げられる。
製麺所の躍動感。出来立てへの信頼。
このお店にはその二つの感覚が、共通認識のもとに張り巡らされていることを感じる。
渾身の一皿は鮮やかだった。
きんとしっかりと冷やされた蕎麦は、旨みがしっかりと詰まり、蕎麦本来の味わいを惜しみなく味わうことができる。
味付けされた椎茸に、カニカマ、わかめや鰹節がごちゃごちゃと彩る。
過程で食べる冷やしそばってなんでも乗せちゃうよね。そんな懐かしさと安心感がこの一皿には詰まっているのだ。
実家の夏のお茶ばりに冷やされた麦茶がどこまでも家庭の懐かしさを思い出させる。
なるほど、那須塩原の麺処は地元の実家だったわけだ。
きっとこのサラリーマンも、そこのご夫婦も、ここに来て、那須塩原のアイデンティティを確かめて、いつもありがとうって返っていくのだろうなぁ。
アットホーム感とプレイヤーだった頃の爽やかなあの味わいがエモく心を揺さぶる。
少し感傷的に浸りそうになり、最後一気に麺を啜り、店を出た。
夏の冷たい麺を啜るシーンは、学生時代ぶりにくっきりとアップデートされたようだ。
今年はたくさん啜るか。
美味しいひとときに、ごちそうさまでした。
では、また次回。
今日のお店:麦縄製麺所(栃木県那須塩原市五軒町1-24)
*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*
暮らしのヒントになれば、と。
リンク→ https://www.instagram.com/kei_fooddiary/
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