2022年元旦に2020年のコロナ騒動を振り返る。
ブランドとしても山元桂子としても
noteを発信ツールとして使っていくと公言したのはいつのことだったでしょうか。
どのツラを下げて1年以上ぶりのnoteを書くことが出来るのか・・・?と思いましたがもう、このボケっつらを下げて書くしかありません。
2022年が始まった今日、
まだまだコロナ渦ではありますがひとまず、
(株)山元染工場にとって、私たち夫婦にとってのこれまでのコロナ騒動を振り返ってみようと思います。
2020年 春 コロナ騒動がはじまった
2020年 夏 せっかくだから向き合ってみることにした
2020〜2021年通しての、コロナ騒動について振り返ったら
さそがしいくつもの項目ができるだろうと思いましたが、
2個しかできませんでした。
しかも両方2020年のこと・・。
2年前ことですが、やっと振り返ることができる心持ちになったということかもしれません。
1.2020年 春 コロナ騒動がはじまった
メゾンエオブジェに合同出展のためにパリに出張したのが2020年1月のこと。
そのあと、あっという間に世界全体がパニックになって、
日本中のたくさんの舞台やイベントが中止になりました。
舞台衣裳専門の染め屋の山元染工場にとっては大打撃です。
でもこれまでもこういう大打撃はたくさんありました。
地震や台風、芸能界の大人の事情などなど、いろんな「中止」を経験してきましたから。
でも、2020年のは特別でした。
とにかく、経験したことないくらい全ての受注がストップしたのです。
そうするとどうなるかと言うと、当面の資金繰りがどうとか、売上見込みがヤバイとか、そんな具体的なことより、とにかく心がかき乱されて、とにかく不安。
もはや心の問題なのです。
これではいかんということで、私たち夫婦は社内会議兼家族会議をしました。
そして、自分たちにとっての
「コロナ渦を乗り切れなかったバージョンの人生予想図」
を設定しました。
自分たちの人生の、コロナを経ての「最悪パターン」です。
話し合った結果、
それは私たちにとって「家族四人で暮らせない状態」
だということに決定しました。
つまり、それ以外ならどんな状態でもセーフ。
売上がなくなって会社の存続が無理になっても、さらにこのあともっと予期せぬ何かが起きたとしても、
家族四人で暮らしている状態に着地すれば、
それは私たちがコロナ渦を乗り切ったということ。
大成功ということです。
最悪パターンだけを設定し、具体的な目標などはあえて作りませんでした。
今から思えば、かなりの最悪、最低な設定、どんなひどいことが起こって一家離散するんだよ、とも思いますが、
その頃はそこまで突拍子も無いこととは思いませんでした。
そのぐらい、社会全体がグラグラな時期だったと思います。
そして、これを設定したことで随分心が落ち着いて、
私たちは前を向いて経営していくことができました。
だって、何はともあれ家族四人で暮らせるように一生懸命努力すればいいのだから。
2.2020年 夏 せっかくだから向き合ってみることにした
心が落ち着いたところで、特に経営が安定するわけではありませんが
もうなんだか前向きな夏でした。
どうせだからこれまで見て見ぬふりをしてきたことに向き合うことにしました。
まず、ケイコロールのブランドフィロソフィーを作ることにしました。
あと、ケイコロールのオンラインショップを(やっとこさ)作ることにしました。
わあ、急に前向き。
この二つのプロジェクトは、両方とも憧れの人にお仕事を依頼しました。
ブランドフィロソフィーは、いつかお仕事を依頼してみたいと夢見ていた株式会社parksの久岡 崇裕さんにお願いしました。
とても丁寧に対話していただいて、じっくりお付き合いいただきながら自分の中の気持ちを整理することができました。
いよいよ、こういう思いで事業をしていくんだ。とか、こういう気持ちで生きていくんだ。という覚悟みたいなのができた夏でした。
なんとなく、インスタなどでしっかりと発表するタイミングを逃していたですが、
1年以上越しに、ここで発表します。
ぜんぶの色を、ほめよう。
子どもの頃に眺めた海は、
この世界にたくさんの色が
あることを教えてくれました。
50色の絵の具があれば、
50色ぜんぶを使って
絵を描くようになりました。
結婚して、母になってから、
色のもつ可能性を信じて
ケイコロールを立ち上げました。
気持ちのいい色が、
気持ちのいいバランスで調和するとき、
ゆたかな表情とパワーが生まれます。
そのちからが、
誰かをすこし元気づけてくれたり、
部屋のなかや鞄のなかを明るくしたり、
インスピレーションのきっかけになってくれたり。
うれしいことに、私の好きな色たちは、
この世界のあちこちで
私の手を離れて動きはじめました。
人もまた、海のように
いろんな色をもっています。
自分の色もいいものだ。
あの人の色も、素敵だな。
そんな風によろこびを分かち合えるように。
ケイコロールは、
ひとつの布、ひとりの人生に、
いくつもの色をのせていきます。
これらの言葉は、ブランドフィロソフィーというのが良いのか、ブランドメッセージというのが良いのか未だによくわかりません。
久岡さんとお話ししたあの時間はとても贅沢でした。
自分は何かが言いたいんだけど、
結局何が言いたんだろうか、ということをじっくりと掘り下げていきました。
とにかく私は、「みんな違ってみんな良い」的なことを本気で思ってるのだと自分自身が気付かされる、とても有意義な有難い時間でした。
このフィロソフィーがあるから、
自分は「何をするか」じゃなくて「どう在るか」を定めることが出来ました。
例えば、ケイコロール事業だけじゃなくても「みんな違ってみんな良い」のメッセージを伝える方法はあるかもしれません。このことは、事業者として混沌の中を生きる私にとっては希望になります。
事業をしていたり子育てをしていたりする中で、コロナ騒動のような予測不可能な出来事がいろいろ起きます。
でも、これらの言葉があるから迷わずに進めます。(たぶん。)
次に、オンラインショップです。
こちらも憧れの憧れ、私にとっては芸能人、合同会社ツギの新山直広さんに依頼しました。
極貧な予算の中、工夫していただきホームページとオンラインショップ一体型のサイトをこしらえていただきました。
サイトデザインももちろんですが、今後のサイト運営そのものを、たくさんの対話の中で一緒に考えていただきました。
商品撮影のワークショップ(私専用の!)をしていただいたりもしました。
贅沢・・・贅沢の極みです。
このオンラインショップが出来上がり、たくさんのお客様と直接繋がることができ、ご注文いただく度に感謝、感動しています。
そうして、コロナがもたらした割合と大きな波(第一波 at 山元染工場)をなんとか乗り切った気がします。
そんなに危機的状況だったというのなら、じゃあ資金繰り的にどうやって乗り切ったんだよ?!と思われるかもしれません。実はあまり覚えていません。資金繰りについては、コロナだろうがコロナじゃなかろうが、永遠にマグロ漁船的大博打を打ち続けているので、まあ慣れているというのもあるかもしれません。
こればっかりは一生、「乗り切った」という感覚になることはないと思います。社内の内部保留が3億円ぐらい貯まったらホッとする瞬間がくるかもしれません。なんせ、ずっと大博打ですから。
さて、2021年のことはこのまま振り返らずにいこうと思います。そんなことより、2022年がえらいこっちゃな年になりそうなのです。なんと、母校の京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)の美術工芸学部染色テキスタイルコースの専任講師として働くことになりました。ブランド活動、山元染工場の経営を頑張らねべならない今、何故?!何故、今?!という疑問については、私にもわかりません!としかお答えできません。ご縁。ということでお願いします。
いろんな意味での第二波 at 山元染工場が2022年に来ることが予想されます。
ケイコロールの山元桂子として、教員の山元桂子として、バランス取るのはどうやってするのかな?と思いますよね、私も思います。不安がいっぱいですが、新しい生活が楽しみでもあります。
そういうことで、2022年も、何卒どうぞよろしくお願いいたします!
もしもサポートいただきましたら、その日のハイボールの美味しさはいつもの15倍になります!そして、そのエネルギーでさらに染めものを染めるスピードが、いつもの1.2倍ほどになります!頑張ります!