中学の時にかかった"太らない魔法"
結論から言います。私がかかった魔法は、過食嘔吐です。
このnoteを通じて私の事情を知ってもらったり、同じ境遇の方と繋がって過食嘔吐を通じて今後どのように生きるか、皆さんと考える事が出来たら……と思い、この記事を書きました。
きっかけは中学の部活引退後、体重を気にするようになった思春期の頃。
食べる事が本当に大好きで1食で2人前食べるのが当たり前だった私は、部活引退後も案の定食欲が変わらず体重は右肩上がりでした。
そんな私をよそに周り女の子達はメイクしておしゃれな服を着こなしていて、すごく綺麗で憧れを抱いていました。
私もあんな風になりたい。痩せたい … けど美味しいものをいっぱい食べたい
そう思った私はふと思いついたのです。
「食べても吐いたらいいじゃん」
今思えばそんな小さな引き金からなんですよね...
そこから私は過食嘔吐という名の魔法の虜になりました。
食べた物は胃液が出るまで吐き続け、食べても増えるどころか減っていく体重に喜ぶ毎日。
大好きな高カロリーの物を食べても太らない、むしろ痩せるなんてこの上ない幸せでした。
この魔法が、とんでもなく恐ろしい呪いであることを知らず…
中学の部活を引退して初めての盆休み、お父さんとスーパーで買い物をしていた時に、気付いたら私は倒れかけていました。
お父さんに抱っこしてもらって、ソファに連れていかれていたのをぼんやり覚えていたくらい。
それまで倒れる人の気持ちなんてこれっぽっちも分からなかったけれど、倒れる時は本当に身体は言うことを聞かないのだと当時初めて知ったと同時に、「きっと食べ物を全然吸収してなかったからやな」と初めて自分の行いに反省しました。
体調が戻った後も「私は貧血なだけだ」と周りに伝えていましたが、実は毎食トイレに行って吐いているのが原因である事を絶対に言いませんでした。というより言えなかった…
当時1日500g減という急ペースで体重が落ちていたが故に倒れてしまったのだと思うのですが、ここで倒れる事がなかったら延々と体重は減り続けて拒食症まっしぐらだっただろうなと思います。。
そして過食嘔吐に悩まされる日々は続き、高校生になった私。
自分の中で一定のラインを超えたらやはり吐かずにはいられず、食べ放題に行って吐かない日なんてなかったです。
その頃には喉は胃酸でやられたからか声は枯れて低くなり、低体温、集中力の低下を著しく感じました。
生理もずっと不順で高校在学の間に来たのはほんとに数回だったと思います。
中学校の時より運動も勉強も出来なくなってしまっていたので、もしかしたら過食嘔吐による低栄養で、運動機能の低下や脳萎縮が発生していたかもしれません。
周りの子よりも足が太く、友達から「足太星人」なんて呼ばれたりしていたので、自分の足の太さは生きる上でのコンプレックスでした。
上半身と下半身の太さが違うのは摂食障害あるあるなんじゃないかなと思います。
吐いて痩せたら足も自然と細くなる。と思っていたのですが、当時"浮腫"というものを知らなかった私は過食嘔吐で体重は減るのに自分のコンプレックスである足の太さが治らない事に絶望を感じていました。
↑奥が友達の足、手前が私の足
(今見たらマジでやばい😇😇😇)
高校でも部活(バレーボール)をやっていたのですが、過食嘔吐に陥る前の中学の頃よりも格段にパフォーマンスは下がっていました。
この頃から、食べても太らない術としてだけではなく、下記のような辛い事に遭遇した時のストレスに対処する為の手段として過食嘔吐に走るようになりました。
▪️バイト先からの誹謗中傷発言(当時ゴリラって呼ばれてました)
▪️部活動をする上で起こる人間関係のストレス
▪️大食いな私の皿に乗せてくる食べ残し
▪️友達との食の付き合い(好きで行ってたのもあるけど吐いて体型を維持してた)
これらのストレスや出来事が引き金となり、吐いては食べての繰り返し、、
私はあまり言い返したりしないタイプだったので、それを良い事に「こいつには何を言っても大丈夫」と思ったからか部活の子にキツい発言を投げかけられてたのは後々考えるととても辛かった事だったなぁと思います。
吐いてる事がバレないように親に隠れてトイレで静かに吐く術を身に付けたり、トイレが詰まるのを恐れてベランダにゴミ箱を持って行ってそこに吐いて捨てるなんて事も何度もしてきました。
食べたいという本能に勝てない、良くない事と分かっていても辞められない自分が許せませんでした
過食嘔吐にさえならなければもっと人生うまくいっていたのに…と過去の行為に何度も後悔し、過食嘔吐に伴うリスクの記事を読み漁って、自分の中で「明日から絶対吐かない」と心に誓っても、吐かずに過ごせた日はありませんでした。
その度に、自分は意志が弱い。死ねば良いのにと自己嫌悪に襲われました。
高校時代は食べる量が多い時期(らしい)ので、吐いても胃液が出るまで吐くのはしんどく、中途半端なところで辞めてしまっていた結果、Maxで64kgまで太ってしまっていました (吐いてなかったらどうなってたやら)
今も残る、下半身の肉割れを見る度に悲しくなります。
裏で吐いているけど表面上よく食べる私は専門学校に入学した後、周りからは「フードファイター」の認識が染み付いてしまっていました。
当時Twitterが盛んであったが故に、大量の食べ物の写真をアップし、みんなから「いいね」を貰うことに快感を感じる日々でした。
「いいね」がもらえたらそれで良い
当時のニュースでこの言葉はよく見かけたのですが、見る度に共感しました。今思えばSNSでの承認欲求が過食嘔吐を助長させるなんて怖い時代です。
その時も、周りから「なんでそんなに食べても太らないの?」って言われる事があっても「野菜をたくさん食べているから」「実は運動をしているから」と言って、"吐いている事実"を伝えることはありませんでした。
「いっぱい食べる君が好き♪」なんて言われたら、後で吐いてるなんて尚更言えないです。
その頃からは魔法が強くなったからか、食べ物を味わうという事を忘れ、ただただ無心で胃の中に食べ物を詰める"作業"になっていました。
嘔吐によって前歯の裏が溶けてしまっても、身体が冷えて過ごしにくくなってしまっても、コンプレックス(足の太さ)が悪化しても、それでもストレスが溜まってしまったりスイッチが入ると、やってしまうくらいどっぷりハマってしまっている状態。
自分では歯止めが効かないのです。
そして社会人になった今も過食嘔吐の魔法は解けないまま。
学生時代に比べると落ち着いてる日の方が断然多いですが、一度波に乗るとやはり止まりません
しかし、最近は考え方が変わって「過食欲に襲われてる今は自分が潜在的に辛いと感じている証拠だからこの際吐いて楽になってしまおう」「身体に負担がかからないように水をたくさん飲んだりのど飴を食べたり、歯を守るためにガムを噛んでおこう」みたいな過食嘔吐とうまく共存していくようになっています。
食べ過ぎたとしても、今すぐではなく次の日に調節しようと思えるようにもなってきているので、ある意味克服に近い状態だと思いますが、やはり今でも鳥の皮や焼肉の脂身を食べるのはどうしても怖くて家で食べるときは避けてます。
「痩せている」という事が必ずしも正しいとは思わないけれど、痩せている方が自分の着たいと思う服を着れるし、痩せてる方が綺麗だから周りからの印象や対応だって絶対良い、人生絶対楽しいに決まってる。と私は思います
でも、食に支配されるような人生じゃ痩せてても楽しくない…
だから正直、吐いては食べてを繰り返し土日を無駄にしたり、夜通し繰り返してそのまま夜が開けて出社したり… そんな今の生活は嫌。
美味しいものをしっかり味わって誰かと食べる楽しさをシェアしたい、本来の自由な時間・お金を過食嘔吐で潰したくない。
そう思っているはずなのに、この病気を治すことは本当に難しい。
一定期間過食嘔吐しなくて治った!と思ったらふとしたきっかけでまた再発するし、私の場合は拒食症のように目で見てすぐ異常だと思われるものではなく、普通体型で目に見えないから自分も他の人も"健常者"と思いがちなんですよね。
私は今後、過食嘔吐に縛られない人生を送りたい。
その為には周りの理解とサポートが大切だと思っています。
だからこそ私が摂食障害であること。私だけではなく世界のあちこちで摂食障害で苦しむ人がいることは、今後もお付き合いしていく方には知っておいて欲しい。
この記事が、そのきっかけになれたら幸いです。
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