失敗なきところに成功体験はない(1)
子育てって旅だなあって思うんです。
子供は色々やらかしてくれます。子供が5人いると、成長するにしたがってやらかしてくれることの規模と被害総額が大きくなっていきます。
たとえば、当時18歳だった次男くん。
一生懸命貯めたお金でアメリカから日本訪問。お金を使い果たしてもう羽田から上海経由でアメリカに帰ってくるだけって状況で、飛行機に乗り遅れたりしてくれる。
そこで、「ママ〜どうしよう」って電話がかかってくる。こっちはドジャーズスタジアムで、3つのグループのコンサートの真っ最中。コンサートの爆音で聴こえないから、トイレに駆け込んで個室が非常対策本部に早変わり。スティーリーダンがステージに上がっている。ちょうど、同じコンサートに元夫も来ていることがわかったが、あちらはさっさと電話の電源を切ってしまっていた。まあいい。コンサート会場は、電池のなくなる速度が速いから、そっちの方が気になったのだろう。
安いチケットを買っているから、全てがややこしく、しかも中国語。(だから$30高かったエアカナダにしろと言ったのに)
「とにかくカウンターで頼み込んで非常用のキャッシュを投入してすぐ別便で上海へ行きなさい。そこから予定の便に乗り継ぐのよ。」と指示した。
なんとか、上海にたどり着いたと連絡が来た時には、アーティストはドゥービーブラザーズから、イーグルスに代わっていた。お互いに、携帯のバッテリーが切れそう。で、中国ではメッセンジャーが使えない。そこへ追い打ちをかけて銀行のキャッシュカードがATMマシーンの故障で出てこなくなったらしい。上海在住の友達に助けてもらおうと私が電話をしたら、彼はなんと同じロサンジェルスに出張で来ていた。
数十回の対策本部(私)からの指示に従って動いたところでバッテリーが2%。ああ、ダメだ。
母は祈りを込めて
「人混みの中から、この人なら助けてくれるという人を見つけて、しっかり事情を説明して助けてもらいなさい。君の健闘を祈る。アイラブユー」で、音信不通。やることは、やった。運を天に任せるしかない。(続く)