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ねこのわがまま


我が家のねこは11歳

ある野良猫が、物置で5匹の子猫を産み育てていた内の1匹だ。
厳しい野良社会で育ち、最後は我が家に置いていかれた。
物置で過ごしていたある冬の日、死にそうになっていたところを私が抱き上げ、病院へ連れて行き、助かったのだ。
その後、冬の間は家の中で過ごしていたのだが、春になると外に出たがり、家猫にしたかったのだが束縛するのも苦しくなり、
「自分の人生を大いに楽しめ!外の世界もたくさん見て来い!」
と、出入りを自由にさせるようになった。
我が家の周りは畑や田んぼが多く、車の出入りが少ないので交通事故に合うことはない。

問題は、よそ様の猫。
発情期になると「なごぉ〜ん、なごぉ〜ん」とやってくる。
我が家のねこは、元メスだから発情期がよく分からない。こういうオスにはどう対応して良いか分からず、
「こいつ、私のテリトリーを荒らしに来たな!」
と、ケンカ腰になるから大変なのだ。

若い頃はいつも傷だらけ。どれだけ治療費を払ったか…動物病院では有名になった。
ここ数年は大人しくなってきたけど、春になるとネズミや鳥の捕獲に大忙し。

最近は、夜間作業に忙しい。
昼間はどっぷりと寝ていて、夕方になるとガッツリとご飯を食べ、いそいそと畑へ出かける。テリトリーの巡回とネズミ取りに励んでいる。

夜11時ごろ、私の就寝時間に合わせて帰宅し、私の隣のねこ布団で寝るのだが、
「んっ!あそこで取り逃した獲物が気になる…」
と、夜中1時に起きて出かけ、2時に帰宅。仮眠をとると朝4時に出かけ、5時に帰宅。
熱心なのは分かるが、その出入りのために私は起こされ、窓を開け閉めする…
私は、寝不足だぁー!
私の起床時間には、隣でぐっすりと寝ている。いきなり揺り動かし強制的に起こしたくなる気持ちを抑えながら、私はそぉっと起床する。

朝日から顔をよけて、無防備に寝ている


「ねこのわがまま一つで腹を立てるなんて、人間として小さいではないか!」
と、父はねこを甘やかすから、私も我慢してわがままに付き合っている。(心の大きな人間になりたい…)

人間の娘だったら、夜間の出入りは許される行為ではない。しかし、ねこのわがままは許されてしまう。何故なら、寝姿がとても可愛いからだ。ねこって、良いなぁ。

この背中が可愛い🩷

せめて「鍵を持って出入りしろ!」と言いたいのを我慢して、今夜も就寝時間を迎える。
寝不足は体に良くないのだが、可愛いから仕方がない。


『わがままがゆるされるのを知っている あなたは可愛い耳ある小悪魔』

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