風邪をひく
『熱ありて猫と共に寝る昼は数年ぶりの贅沢時間』
風邪をひいた。
ここ数年、流行病のおかげで予防はしっかりしていた。
そして、伯父伯母の介護があるので「絶対に風邪をひいてはいけない!」という緊張感もあった。
先月 伯父が亡くなり、慌ただしい日々が少し収まった途端、風邪をひいた。体は正直である。
病院で4日分の風邪薬をいただいたから、その間に治るだろうと思っていた。しかし、ふらふらの体でご飯を作り、掃除をし、そんなことをやっていたら、ある日寝込んでしまった。
一日中 布団に包まり、猫と一緒に寝る。
体が地球の核に引っ張られるように重い。
頭の中を空っぽにしてこんこんと眠る。
こんなに眠ったのは何年ぶりだろう。
熱があるのに幸せな時間だった。
体が急に楽になり「抜けた!」と感じた時、
外の空気はすっかり秋になっていた。
庭の小さな畑、種を蒔く時期を逃してしまった…
悔しい。自然は待ってくれない。
この年で風邪をひいてみると、今までずいぶん無理をして動いていたことに気付く。心は若いままでも、体はきちんと歳を重ねている。
たかが風邪だけど、健康のありがたさや今後の活動の良い教訓となり、私にとって一つの区切りとなった。
みなさんもどうぞご自愛くださいませ。