児童作品展
『夏の日の思い出 色と重なりて 画用紙飛び出す児童絵画』
小学生の頃、夏休みの宿題の一つに【絵画】があった。
あの頃は遊びに夢中で、夏休み最後の1週間で全ての宿題を終わらせようと、画用紙に適当に絵を描いて提出していた記憶がある。
そんな私が【MOA美術館児童作品展】の存在を知った時、衝撃だった。
熱海市にあるMOA美術館、初めて訪れたのは15年前。
美術館の一角に【児童作品展】とあり、受賞した作品が展示されていた。
書道と絵画 「ほんとに小学生が書いたの?」
すごい作品だった。
(トップの写真はMOA美術館1階の児童作品展コーナーです)
私の住む街では全国展がなく、自治体や県のみ。
秋になると全校朝礼で校長先生から表彰状を受け取る、それだけでも誇らしかった。
「全国展があるのに、なぜ我が街では参加しないのだろう?こんな田舎からでも、全国展に参加できるなんて素晴らしいことではないか!」
調べていくと、地域ごとに実行委員会を立ち上げ、各学校に働きかけ、収集し、審査会を開き、表彰式・展示会を行い…まあ、大変!
私の力では無理だと分かった。
ところが10年前、父がMOA美術館の館長さんと親しくなり、私が児童作品展のことを話すと、
「やってみましょう。協力しますよ。」
とおっしゃってくださった。
父も私も、MOA美術館の会員でもなく、ただ純粋に地域の子供達に全国展を体験させたい、熱海MOA美術館を見せてあげたい、その想いだけで実行委員会を立ち上げ、動き出した。
もちろん、私達だけでは力不足なので、市役所文化課と市教育長、そして市長を巻き込み、たくさんの力を借りて立ち上げた。
立ち上げた当初は、事務局と実行委員の意見が違いすぎて衝突ばかりだった。
しかし、MOA美術館館長さんから
「3年間は我慢して続けてくださいね。その後は流れるように進むから。」
と言われていたので、間に入り汗を流した。
「主役は子供たちです。子供たちが素晴らしい体験を出来るような会にしましょう!」
そう言い続けてきた。
そして、今年は実行委員会立ち上げから11年、
第10回児童作品展を開催できる。
昨日、審査会が行われた↓
毎年、学校が合併して生徒数が減っていく。
それでも、事務局と教育長が各学校にアピールしてくださって、年々応募総数が増えている。
審査会場も小さなところから始まり、今は大きな体育館で行われるようになった。
実行委員や事務局の皆さんがとてもよく動いてくださり、そして、教育長と市長が心良く協力してくださり、11年続けてこられた。感謝。
我が実行委員会では、上位受賞者6名の親子を熱海MOA美術館へご招待している。
〈海無し県〉に住んでいる私達は、海が見れるだけでも興奮する。
コロナ前はみんな揃って行っていたが、3年前から旅費とお昼代を副賞としてお渡しして、全国展会期中に熱海へ各自で行っていただくようになった。
受賞者のみなさんから「行って来ました!」と楽しかった報告が葉書で送られてくると、とても嬉しくなる。
そして、全国展を観た子供たちは刺激を受けて、翌年さらに力の入った素晴らしい作品を出品してくる。
我が街の子供達の作品力が上がってきたので、審査会でどの作品にどの賞を選択するか、年々難しくなってきている。嬉しい難題だ。
子供たちのあふれるエネルギーと才能から力をもらって、これからもたくさんの汗を流そう。
私達の活動は、Instagramで紹介しています↓