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アラフィフ母さん、初めての北アルプス縦走記【1日目】 ~燕岳登頂&燕山荘泊
2022年夏、北アルプス縦走(燕岳→大天井岳→東天井岳→常念岳)へ家族(大学生の息子二人とアラフォー妹)と行ってきました。
初めての3000m級の本格的な登山は、
地上世界とは違う「山の常識」や
登って発覚した「新たな事実」や
改めて気づいた「大事にしたいこと」
の連続でした。
せっかくなので登山初心者の貴重な経験として記録しておこうと思います。
「これから山歩きや登をはじめようかな」という人や、すでに登山に親しまれている人にも参考になれば何よりです。
登山への経緯、参加メンバーの体力、事前の工程表などはこちら(⇩)。
燕岳登山口(中房温泉)へ
さて、1日目、2022/08/01㈪。
予定表はこんな感じ。
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都内の我らの自宅に、妹が車で迎えに来てくれたのが4:30。
荷物を積んで出発!、、、してすぐ、近所のコンビニで朝&昼ご飯用におにぎりサンドイッチおやつ等を調達。
車中で朝ごはんのおにぎりなど各自を頬張り、おやつの分配なども済ませます。
早朝ゆえ渋滞等もなく順調に車を走らせ、安曇野しゃくなげの湯近くの第5駐車場へ。
ここで車を停め、タクシーに乗り換えて燕岳登山口(中房温泉)まで。
実は前夜、中房温泉登山口への道が雨量規制で通行止めに。
「朝になっても解除されてなかったら、出発が遅れる or 登山口変更の可能性もある」
とのガイド妹からの連絡があった道です。
山での行程は天候次第、と改めて認識。
幸い、朝の見回りで問題なかったらしく通行止めは解除。当初の予定どおりに登山口へ到着できました。
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快晴〜!
燕岳登山口。この地点ですでに標高1426m。
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登山口では、登山計画書を出したり、トイレに行ったり、集合写真を撮ったり。
次男はここで登山アプリYAMAPをダウンロード(家でやってこーい)。
長男はダウンロードせず、じいじの置き土産?の印刷された地図(ビニールで封入)を所持。とりあえず全員が山の地図を携帯します。
いざ、登山
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まずは、ガイド役の妹が先頭で登りはじめます。
事前に、登山の記事を読んだ限りでは、今回のルートは初心者でも楽しめる鉄板の大人気コース。
ただ、同年代の友人(男性・ソロ登山家・穂高岳登頂経験アリ)には、
「合戦尾根の急登、油断めさるな」
と、だいぶ脅されました。
最近は山歩きもご無沙汰だったので、大山(神奈川)辺りに行って足慣らしをしてこようと思いつつ、天候不順で決行ならず、本番を迎えた身としては心して臨みます。
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大きな岩場も。なかなかダイナミックな山道。
途中、ベンチがあるところで休憩し、おやつも頬張ります。
山グッズを購入したお店の山ガールな店員さんに行動食のリサーチしたところ、
「私は餡子が好きなので、ミニ餡ドーナツを持っていきます」
と言っていたのを思い出し、朝のコンビニで調達。息子たちにも配給。
こんな感じの個別包装のもの。⇩
山登ラーの妹が山の行動食(エネルギー補給)として持ってきていたのは、王道のナッツとドライフルーツ。
テニス選手のジョコビッチとか、アスリートもゲーム途中に食べてますね。こんなの。⇩
中でも、大人気だったのがこちら。⇩
何これ、おいしー!
疲れた体にレモンの酸味が染みるぅ。
「山の友達に教えてもらったんだ。クエン酸が疲労回復にいいんだよね。あと、これ食べて酸っぱいと感じるかどうかで疲れ具合がわかるとか」
酸っぱいとどうだったか、、、忘れましたが、息子たちにも大人気(後日談:テニスとか他の運動中にもいいね、と帰宅後さっそく購入)。
そんな具合に、適度に休憩を入れつつも、まずまず快調に登ります。
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「合戦小屋まであと10分」のサイン。
あと一息! と疲れた脚に力が蘇ります。
合戦小屋にて名物を食らう
合戦小屋に到着。
ここまでで、首にかけた手拭いはかなり汗を吸ってます。もちろんTシャツも汗だく。速乾性の素材ですら、絞れるほどですから、山では綿素材の衣類はタブーというのが身にしみます。
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幟があるように、こちらの小屋の名物が、、、
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スイカ。
今回来れなかったじいじの分まで味わいます。
こんなに美味しいスイカは、子どものころの臨海学校の海辺で食べた潮味のきいたスイカ以来かも。
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ご時世柄、注意書きも。
合戦小屋の地名の由来はこちら⇩
鬼退治と鶴の恩返しが合わさったような、日本昔話チックな由来です。
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スイカを堪能した後は、持参のお昼ご飯タイム。
空腹は最高のスパイス、セブンイレブンの「ローストチキン&スパイシーチリ」は、もともと美味ですが、今日はよりいっそう美味。
食べている間に、汗だくのシャツ&リュック背面を日にあてて干します。そんなこんなでゆっくり(一時間ちょい)休憩。
トイレをすませ、いざ、燕山荘へ!
燕山荘へ向けてのラストの登り
たっぷりの休憩&エネルギー補給、ここまでで3分の2は来たという達成感もあり、疲労感はあるものの引き続き快調に登ります。
夏山シーズン真っ盛り、ですが、ほどよい混み具合なのでしょうか。
基本、視界に入るのは私達パーティーで、ときどきすれ違ったり、追いついたり、といった感じです。
山では登りが優先なので、すれ違うときは、下りの人が道の脇に寄ってすれ違います。また、後から追いついてきた人にも先の道を譲ります。
その際、
「こんにちは」
「ありがとうございます」
「お気をつけて」
など、挨拶を交わします。
合戦小屋の直前では、下りマダムから、
「スイカが待ってるわよ。がんばって!」
との激励が。
同じ山の時間を共有してる連帯感、いいですね。
高度が上がり、空気も涼やかになってきました。
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燕山荘が見えました!
もう一息。
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到着〜!
燕岳を望みつつ、まずはチェックインします。
燕山荘にチェックイン
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チェックインする人の列。
盛況です。
実は、出発直前の7月下旬、燕山荘スタッフに陽性者が出て営業を自粛のお知らせが燕山荘のサイトに。再開の判断を固唾をのんで見守っていました。
幸い大事なく、保健所・医師との相談の末、営業再開となったのが3日前。
このご時世、予定の変更は天候要因だけではないと痛感。
宿泊できる幸運をかみしめます。
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去年がちょうど100周年の燕山荘。歴史を感じる、でも、現代的な装備(二重サッシや水洗トイレ!など)も施された、かなりハイカラな山小屋です。
燕山荘グッズの並ぶ売店は終始賑わってました。
さて、チェックイン後は、大きな荷物を部屋へ置き、サコッシュやウエストバッグのみの軽装で、本日のメインイベント、燕岳へ!
女王、燕岳へ。長男の急所発覚
燕岳(つばくろだけ)
山域:北アルプス南部
都道府県:長野県
標高:2,763m
常念山脈の北部にある花崗岩と花崗岩砂礫とで構成された山。(中略)表銀座コースの始発点として有名で、大天井岳で分岐して槍ヶ岳へ常念岳へと志す登山者でいつも賑わっている。
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花崗岩の山、燕岳、白い岩の山肌に低木の緑のコントラストがきれい。
「コマクサ! こんなにいっぱい咲いてるの見たの、初めて!」
高山植物の女王と言われる花だと、妹が感嘆してながら教えてくれます。
目を上げれば、雄大な稜線のパノラマ。彼方でひときわ目立つ頂は槍ヶ岳。
眼福、眼福、としばらくはなだらかな道を絵画から抜け出したような完璧な景色に囲まれながら進みます。
あ、でも、「眺めながら」はNG。
景色を愛でるときは、必ず足場のよいところで立ち止まって、と肝に銘じます。
これが、ここまで登るなかで私が痛感したこと。
山では文字通り「一歩間違うと命取り」です。ちょっとバランスを崩しただけでも「ヤバい」という箇所が其処ここにありました。
このときは身軽でしたが、重いリュックを背負っていると、ちょっとバランスを崩しただけで体ごと持っていかれます。
山は美しく、厳しい。
これまでは感じなかったコワさをひしひしと感じました。
1000m程度の山歩きでも、同様の心得が必要と兜の緒を締める心境(戦っても勝ってもいませんが)。
さて、そんな感慨にふけったり、周囲を愛でたり、写真を撮ったり、燕岳を堪能しながら登る我らアラフォー&アラフィフ姉妹。
そういえば、息子たちは、、、
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若者はずいぶん先へと行軍してます(後に速足の理由が判明)。
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イルカ岩。
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イルカ岩とコマクサ。
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メガネ岩。
登りたくなりますが、登らないようにと注意書きがあります。
名所を抜けて最後の岩場を上がって登頂。
息子たちが待っていました。
なぜか長男は地面にぺたりと腰をおろしています。これまでの行程を思えば、さして疲れる場所ではないのですが、はて。
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山頂で記念写真。
いやぁ、いい眺めだねぇ、と見惚れる間もなく、
「早く下りたい」
と主張する長男。岩に腰をつけて立とうとしないので、どうしたのかと聞けば、「コワイ」と。
うんうん、山は怖いよね。その感覚は正しい。
とはいえ、膝を曲げてなるべく姿勢を低く保ち、常にどこかを触ろうと彷徨うその両手の動きは、、、
え、まさか高所恐怖症?
ジェットコースターやらフリーホールで、いつも泣いて腰を抜かしていたのは次男だったはず。その次男は、平気な顔で立っているのに。
どうやら、先を急いだのも、下界を目に入れるのが怖かったという理由のようです。登るまで、本人も自覚がなかったらしい。
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山頂から、あっというまに下りていきます。
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こんなにきれいで雄大な眺望を楽しめないなんて、、、
ちょっとお気の毒でした。
憧れの燕山荘、いまだけ?通常の3倍快適な環境
燕岳から下り、燕山荘の食堂で買ったおやつ&生ビール(私だけ)で無事登頂を祝います☆
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おやつは辛党の息子たちに選ばせたら、プリングルス(ポテチ)とさきイカというビールの最高のおともをセレクト。たまたまですが、ナイスアシストです。
登頂後のビール、くー、たまらん❤
「ここはね、ケーキも美味しいんだよ❤」
と妹(下戸)が楽しみにしていたケーキは、時節柄の諸事情でお休みでした(ちょっと残念ではありましたが、私的にはビールが飲めたのでノープロブレム)。次回のお楽しみにとっておきましょう。
夕飯は到着順に割り振られ、私たちは18時から。
その他、燕山荘設備ほかQ&Aは、こちら⇩。
燕山荘の館内案内図はこちら。⇩
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私たちは、第一別館1階、一般客室(3畳)×2(私と妹、息子たちの配分)を利用。コンパクトながらプライベートな空間が保持され、なかなか快適でした♪
、、、と、コンパクトと書きましたが、ネット上で、過去の他の方の登山記などを読んでいると、
「山小屋では、2人で1畳。3畳に見知らぬ男女が6人でひしめき合って寝る山小屋泊の洗礼を受けた」
などの記述があるように、いつもの山小屋よりも、かなり余裕のある空間どりです。昨今の“時節柄”ゆえでしょうか。または、8月の繁忙期とはいえ、平日だから? 通常の3倍、快適な空間(かも)。
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着替えをしたり汗をかいた衣服を乾かしたり布団に持たれてうたた寝したりしているうちに、夕食の時間になり食堂へ。
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たいへん美味しゅうございました!
ふだんの夜は炭水化物控えめの母さんも、この日はご飯もきっちりいただきました。息子たちと妹はおかわりも。
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時節柄、ついたて付の黙食。
燕山荘オーナーの赤沼さんがスライドを使って山のマナーや注意点などを解説してくれます。
山で守る3つのルールとマナー
1.自然のものは自然のままに
2.持ち込んだものは持ち帰る
3.野生動物にエサを与えない(ゴミを捨てることは餌付けと同じ)
このルールは、登山者だけでなく山小屋の人々にもあてはまる、というエピソードとして紹介されたのが、合戦小屋の名物スイカの食べ残し。
以前は、スイカの皮を穴を掘って埋めていたそうですが、甘い匂いを嗅ぎつけてツキノワグマが掘りおこすように。以来、ゴミとして下界へ降ろすようになったそうです。
土に帰るであろう野菜の残がいですら、本来そこにないものは山の営みを乱すのですね。「下界から上げたものは残さず下界へ」が山のルールです。
夕食時のオーナーのお話のほか、通常時はホルン演奏などもあったようです。
こちらで、赤沼オーナーのホルンとお話も。⇩
食後は、燕山荘内を探索。
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食堂脇、玄関の売店スペース。
人のいない貴重な瞬間に撮影。
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さてと、山道に加え、階段の昇り降りですでに脚が悲鳴をあげております(部屋の梯子を下りる際、一度つりそうになりました)。
マッサージボールで指圧しながら、明日へ備えます。
YAMAPによる活動記録はこちら。⇩
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ほぼ予定通りの工程でした
(2日目)
・・アラフィフ母さんの最近のお仕事・・
「いざとなるとフレーズが出てこない…」
「TOEIC高得点! でも会話は苦手…」
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著者は、多くの企業や講座で英語のセミナーや、エグゼクティブ向けの個人コンサルなどを担当している、手塚朱羽子先生。
クライアントさんから、
「目からウロコ!」
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