ネパール9日目:アーティスト、ヴェニス・ビエンナーレ、若者の集まり
11月15日(金)
体調不良からだいぶ回復しましたが、まだ万全とは言えない状態でしたので、朝食はホテルの屋上でムスリ(Muesli)をいただくことにしました。前回食べた時のものとは少しアレンジが変わった感じがありましたが、今日のアレンジは希望していた感じで大変美味しくいただけました。時折、盛り付けの感じが変わるのもありですね。
さて、今日のおおまかな予定としては、Museum of Nepali ArtとTakpa Galleryに行くこと。
まずはTamel地区にあるMuseum of Nepali Artへいつも通りInDiveで配車をして行くことにしました。参考にカトマンズ市内のInDriveでのバイク配車移動料金はだいたい85NPRから185NPRくらいでした。日本円で100円から200円くらいだと思います。
さて、早速、Tamel地区に入って行き、少し見覚えのあるところを通って行きました。でも、入り乱れた道に入るとほぼ記憶を辿れません。私の滞在しているPatan地区と比べるとヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアなどの海外観光客が多く、観光地という感じがとてもあります。
そんなPatan地区の中にMuseum of Nepali Artという美術館があります。2020年に設立された美術館でKathmandu Guest Houseという複合ホテルの敷地内にありました。また、Kathmandu Art Houseという地元アーティストのスタジオ・コンプレックスも2021年に設立されていました。
Museum of Nepali Artの受付で一応、割引があるかを確認するために、カトマンズ大学で客員アーティストとして教えていますと伝えましたが、割引は学生のみとのことでした。ただ、インターネットでは、大人の正規料金が700NPRとなっていたところ、500NPRで入場させてくれたのでラッキーでした。
展示構成としては、細密画をテーマにし、伝統的な宗教彫刻や絵画とともに現代のネパール人アーティストの作品が並置されているという感じでした。まだ、ネパールのアート・シーンやアーティストの名前をよく理解していませんでしたが、先日、カトマンズ大学の芸大生達から聞いたネパールの重要なアーティストの作品がいくつかあることに気づきました。
Samundra Man Singh Shrestha、Shashi Bikram、Kiran Manandharと言ったネパールのアーティスト達です。
ただ、キャプションがなかったり、近くに配置していなかったりで、たくさん展示されている作品は、どれが誰の作品かとても分かりにくかったのは残念でした。
そんな中、確実に誰の作品かわかるものがありました。カトマンズの大きなお祭りで雨乞いのために高さが25mほどにもなるチャリオットを引いて街中を練り歩くお祭りをモチーフにしている作品です。細かな街並みを積み上げと雲や太陽を幾何学的な模様でペン描画した作品です。この前のJan Kath Rug + Art Space Kathmanduでも作品があり、前回、カトマンズ大学でもお会いできたSujan Dangolさんの作品でした。
その後は、Kathmandu Art Houseを見学してみることにしました。一階はショップになっていて、2階と3階は主にペインターのスタジオ、4階はタトゥーショップになっていました。スタジオは一般公開のためにドアが開けてあり、誰でも見学できるようになっていました。作業をしているアーティストもいました。
一通り見終わって、来る時に見覚えのあった場所に徒歩で戻りました。Garden of Dreamというところです。Tamelの喧騒の真っ只中にあるオアシスのような場所。綺麗に整備された建築や庭園が魅力的なところです。入場料は400NPR。足早に見終えて、敷地内を出たところで再度館内マップを見たところGreenhouseやNurseryと書いてあったので、もう一度入って見てみようと受付に行きましたが、持っていたチケットは使用済みだからもう一度チケットを購入してくださいと言われてしまいました。確かにチケットにはSingle Use Ticketと書いてあったので、見落としていたのが悪いのですが、ほんの1~2分敷地内から出ただけだったので、再入場させてほしかったな~と、普段のネパールのゆるさからは想像外の対応でしたので、ちょっと残念でした。
その後はTakpa Gallery。InDriveで10分くらい、85NPRの距離にありました。ここのギャラリーに来たかった理由は、オーナーのTsherin Sherpaさんが2022年のヴェニス・ビエンナーレにネパール代表として参加していたこと。また、ネパール初のパビリオン参加であったこと。ヴェニス・ビエンナーレで見た時に印象に残ったのは、真鍮か銅で作られたヒンドゥー教や仏教などの宗教彫刻の手の動きをいくつも絡み合わせた作品でした。伝統的に受け継がれている宗教彫刻をコンセプチュアルに変化させていて、ありがたみと革新的な姿勢が見られ、とても印象的でした。
Takpa Gallery内にも彼の作品が数点展示されていたので、じっくりと見させていただきました。伺った時の展示は、Thankaという仏画と現代美術を学ぶ学生の展覧会で、ネパールの伝統や革新を支援するプログラムでHImalayan Art Initiativeが主催、スイス大使館の協力で実現した展覧会とのことでした。展示されている作品のそばにはキャプションがあるのですが、ほぼ全てに赤丸シールが貼られていました。*赤丸シールは売約済みの意味。
さて、その後はホテルに戻り少し休憩した後に近くを散歩。ようやくお腹が空き始めた頃に、先日、出会ったSinging Bowlを売っているJapanのところに顔を出しに行きました。さらっと様子を見たり、挨拶をしに行き、夕飯を食べに行くところで、昨日体調不良だったから、スープと麺が入った料理が食べたいのだけど、どこかいいとこ知らない?という感じで伺ってみたら、営業中なのに連れて行ってやるよとお店の向かいの裏路地に連れて行ってくれました!
入るや否やなかなかいい感じのお店。お客さんも少なくいいタイミングでした。Hot Pot Noodle(250NPR)と地酒ロキシー(raksi)をいただきました。Newari料理でも使われているBeaten Riceから作られたもので、日本でいう米焼酎になると思います。お店の人と色々と会話をしていると、少しずつお客さんが増えてきたと思ったら、みんな店主さんの気の合う友達でここがある意味溜まり場になっているようでした。
お店の壁面にはネパールのマップが飾られていて、目に止まったのがブッダの誕生地。話を聞いてみるとルンビニーのカピルヴァストゥ。今回の滞在中に行ってみたいな~との思いが膨らみ、聞いてみると、仲間の中には旅行代理店の事業をしている人もいるとのこと。旅費や旅程をおおまかに聞くことができ、参考になりました。飛行機や夜行バスなどの選択肢があるようでしたが、行くとなると最低2~3日は確保した方が良いとのこと…今回はちょっと難しいかも。
と、この方と話を進めていたら、なんと先述したSujan Dangolさんと親戚だとか!早速、一緒にセルフィーを撮って、Sujanさんに送ったところ、「ネパール界隈でいいネットワークに繋がってるねとのメッセージが帰ってきました!」
ここに集まっていたのは、建築士、旅行代理店、銀行マンなど30代くらいの男性達が7~8名くらい。興味や波長があって知り合ったらしく、将来的には何か事業をやろうと計画もしているとのことでした。
また、明日!