ネパール13日目:ボクシング、ズボン修理、ホスピタル・アート
11月19日(火)
今日は朝6時前に起きました!というのもクラスの学生の一人が毎朝ボクシングのジムに通っているということで、見学を許可してもらえたからです!朝方のまだ薄明かりの中、教えてもらったKASA Boxingというジムまで15分ほど歩いて行きました。
到着した頃にはすでに練習は始まっていて、クラスの学生の姿を確認し、その後、トレイナーに挨拶をして見学をさせていただきました。ネパールでボクシングの練習を見られるのはなんとも嬉しいこと。約20名ほどの方がウォームアップ、筋トレ、フォーム確認、シャドー、スパーリング、
ストレッチなどの行程をそれぞれの経験に合わせて練習を進めていました。練習は約1時間半ほどでほぼ休みなく続きました。俊敏性、的確さ、パンチ力、判断力、体力、テクニックなど、素人の私が見ても、過酷な練習に見えました。私にとっては目新しいものでしたので、見学中ずっと動画撮影をさせていただきました!
練習の後半にはネパールで一番尊敬されている元ボクサーでジムのオーナーの方とも簡単な挨拶ができました。先人の偉業がよく伝わってきました。このジムは2022年に創設されたようで、今では午前に3クラス、午後に3クラス、夜に3クラスあるとのことで、女性も含め多くの方が通っているようでした。
練習見学後は、昨日ズボンのボタンが取れてしまったので、修理をしてもらえるところを探しました。カトマンズの市内を歩いて回るとミシンが置いてあったり、テイラーがあったりしたので、ホテルの近くを探してみると、衣服修理をしてくれる店がありました。早速、作業中の店主さんに相談してみると、快く引き受けてくれました。いくらですかと聞いたら、「いくらでもいい」とネパールらしい回答が来ました!じゃ、「100NPRで」という感じで交渉成立。ものの2~3分で修理完了!しっかりと直してくれました!
そして、今日はネパールのホスピタル・アート見学の日。Sanjeep教授が忙しい中、調整をしてくださり、学生達と共にKanti Children’s Hospitalへ。この病院のホスピタル・アートはカトマンズ大学アート&デザイン学部のwebsiteにも掲載してあり、ネパールに来る前からとても気になっていました。実現に至った経緯としては、2018年頃のカトマンズ・トリエンナーレの一部としてSiddhartha Art Galleryが主催し、Health Transformed by Artというプロジェクト団体がカトマンズ大学アート&デザイン学部やネパールのアーティストとコラボしたプロジェクトとのことでした。
プロジェクトは大きわけて2つあり、一つは子供達に好まれそうな色使いやキャラクターっぽい壁画ともう一つは医療現場ででた消耗品を消毒して組み合わせた彫刻作品のいくつかとのことでしたが、彫刻作品は残念ながら残っていませんでした。この他にもこのプロジェクトとは別に設置された壁画がいくつかあり、その中の一つは1997年にプロジェクトとして公式に制作され寄贈されたものもありました。
普段、学校やギャラリー、美術館といった環境を想定して制作している学生達にとっては、こういった病院環境に身を置いて、訪れる患者さんの顔や対応する医療関係者の姿を見たり、病院の建物や今回の実物作品を見たりすることで、アートの有用性が確認できたようでした。みんなと一緒に来れてよかったです。
その後は先日一人で伺ったTakpa Galleryへ伺い学生達と共に見学。今回はギャラリーの方にしっかりと解説をしていただきました。
その後、ランチを食べ、Siddartha Galleryへ。ギャラリーのオーナーの方ともお話ができ、展示作品を一通り見させていただきました。ヘルスケア・アートや役立つアートに興味があり、カトマンズ大学でそういった手法を伝える授業を受け持たせていただいていること、先述したホスピタル・アートの事例に興味があり、見学しにいってきたことなどを話すことができました。オーナーの方も「アーティストでもあり、アクティヴィストの一面もあるんだね」と、暗黙の了解のごとく、さらっと深みを込めて返答してくれました。
Siddartha Galleryのある場所はいろいろなお店が入っている歴史遺産で、Baber Mahal Revisitedという場所にあります。先日、再開したDomaさんのお店もあった場所です。Siddartha Galleryと目と鼻の先の距離にありました。ここに来て、10年ほど前の記憶が空間的に体を通して蘇った気がします。
その後は22日から伺うSalleriの方へ行くためのJeepのチケットを購入しに行き、今日やることは大体、落ち着きました。
ちなみに夜ホテルの方に戻った頃に、日本に興味のある地元の人から声をかけられ、立ち話していたら、子供達が2人いることに気づきました。人懐っこくしていたので、この方達と一緒かと思いきや、知らない子達でペンを売っているとのことでした。「いくら?」というと「20NPR」。ペンを見せてもらうと私がよく使う先が細いタイプ。買っておこうかなと思い財布を見ると、さっと出せるのは「10NPR」しかありませんでした。「おつりある?」と聞くと、ポケットから札束が出てきました!「めっちゃお金持ち歩いてるじゃん」って、みんなで話ししばし賑やかな時間を過ごしました。最終的には私と子供達で「アイスでも一緒に食べよう~」って感じで、私の携帯の写真を見ながら過ごしました。
明日は、受け持った授業最終日!学生みんなのプレゼンが楽しみです!