ネパール19日目:翻訳、誕生月、バイク移動
11月25日(月)
朝食にMateoさんの創作パンケーキ。小麦粉にバター、塩、お湯をしっかり混ぜて、フライパンで焼いた生地にジャムやピーナツバターをつけていただきました。見た目よりも結構ボリュームがあって、食べ応えがありました。しっかり朝食を食べ終え、午後の授業の後にはすぐにKhamjeを離れなければいけないので、荷物のパッキングもしっかり準備をしておきました。なかなか居心地の良い部屋でもう少し滞在できたらよかったとも思いますが、今回はこのタイミングがちょうど良いのでしょうね。
さて、ちょうどDhaputi Houseを出発しようとした頃に、小学生たちがこの家を通りがかり、軽く挨拶してくれました。受け持った生徒ではなさそうでしたが、朝礼の時に覚えていてくれたのだと思います。これは好都合だと、その子たちの跡を追って学校へ向かいました。大人の私たちがなかなか着いていけない。山で育った子達はやっぱりタフですね。凸凹の山道を歩き慣れてる。途中、水力発電用にパイプの連結作業をしているところを通り、ものの15分ほどで学校まで辿り着きました。
到着後は昨日と同じように朝礼が始まりました。今日はこちらの校長先生は急遽地区全体の集まりに出なければいけなくなりご不在でしたので、一応、先日、その校長先生と相談していた昼食のことについて、英語の先生に問い合わせてみましたが連携が取れていなかったようでした。授業後30分ほど待ってくれれば、ご飯と有り合わせで昼食を提供できるとのことでしたが、次の学校の授業や午後には別の街への移動もあることを考えるとここで食べると時間がもったいないので、次の学校でなんとか対応してもらうことにしました。
朝礼に関しては、先日同様、ネパールの国家、地域の歌、ブレイン・ジム、クイズなどが行われ、それぞれのクラスへ。
今日は昨日とは担当するクラスの順番が逆になるとのことで、最初のクラスは7年生のクラス。今回もかなり自由で私たちだけで担当させていただきました。その間、校庭を見ると先生方はちょっと日向ぼっこしているようでした。実際このクラスの担当の先生は誰なのかとても気になりましたが、早速、授業開始。今日やることは、昨日の課題の確認。でも単なる確認はしたくなかったので、私の携帯電話を渡して、順番に学生同士にインタビューをして動画撮影してもらう形式にしました。とりあえず、どうしたらいいかは私がMateoさんにインタビューする形でお見せしました。人生でやりたいことを20教えてくださいという課題。
課題ができている子もいれば、まだ終わっていない子もいたので、まずは完了してる学生に携帯を渡して、課題ができている他の子を探してインタビューしてもらいました。家を建てたい、世界を旅行したい、エベレストに登りたい、世界一のお金持ちになりたい。いろんな言葉を話したい、医者になりたいなどなどがみんなの口から出てきました。ただ、15~6人の学生がいる授業なので、一人1分程度でお願いしましたが、恥ずかしがり屋の子達は、ものの30秒ほどで終わってしまう子たちもいました。しっかり1分話してくれた子もいました。男の子も女の子もエベレストに登りたいと言っていたのがとても印象的でした。やっぱりエベレストを登頂するということはネパールの人たちの中でもとても栄誉なことなのですね。
事前にMateoさんも少し何か課題を出したいと言っていたので、後半10分ほどはMateoさんにバトンタッチしました。彼からの質問は、「あなたにとって、山とはなにか二つの単語で表現してください」というものでした。なかなかいい質問だなと思って聞いていると、「大きい」「美しい」「誇り」などの単語が出てきましたが、「神」という単語が出てきた時にはネパールの人たちの精神性の一部を垣間見た気がしました。
そんな感じでMateoさんの担当分も順調に進んでいったのですが、聞いていた時間よりも10分ほど早めに終業の合図。早い。終わっていなかったけど、終わりにして、次のクラスへ移動。
次のクラスは4年生のクラス。言い忘れましたが、クラスに入るとまずはみんなが起立して出迎えてくれます。座ってくださいと伝えないと起立したままになってしまうので、座ってリラックスしてくださいと毎回伝えていました。このクラスでは昨日この地域のあるものを絵に描いてもらっていましたので、その確認をしつつ、やってみたいことがあったのでお願いすることにしました。それは朝礼で歌っていた国家や地域の歌の翻訳と昨日図書館で出会った地域のお年寄りから聞いたお話がまとめてある出版物の中にあったJunbesiのMoon Printの話の翻訳です。国、地域、この町といったスケール感でネパールのことを理解したかったからです。
このクラスも15~6人いたので3つのグループに分けて、それぞれの翻訳に取り組んでいただくことにしました。その間、一人一人が描いてくれた絵を見させてもらい、記録撮影もさせていただきました。みんなそれぞれに自分の住む生活環境を賑やかに描いてくれていたので、生活の雰囲気が伝わってきました。中にはかなり緻密に書き込んでくれた子もいて、とても参考になるものでした。
さて、だいたい20分ほどして翻訳作業が落ち着いたので、最初のグループに発表してもらいました。ネパールの国歌の翻訳です。要約すると「ネパールにはたくさんの花があるようにたくさんのエスニック・グループやカーストがあり、豊かな自然がネパールを象徴するもので、そこには世界に名高い勇敢なゴルカという戦士たちがいる。そんなさまざまな人たちが生まれ平和な国がネパールは、ヒマラヤ山脈地域、丘の地域、平らな地域があり、たくさんの歴史遺産があります。」という内容の歌でした。
次のグループは地域の歌です。「Chom den de」というタイトルの歌とのことでした。早速、翻訳内容としては、「Chom den deは教育の神様で、Sherpa文化の神様です。私たちはより良い知識と幸福を得られるようにこの神様にお祈りします。仏教文化では、Chom den deに私たちの健康と繁栄をもたらしてもらえるようにお祈りします。」
最後にJunbesiのMoon printについて、「私は月なのですが、ある時、怠け心に甘えて、休むところを探したところ、川向こうの山に囲まれたところにちょうどいい石を見つけたので、そこに降りて休むことにした。Junは月の意味で、Besiは山に囲まれたところという意味。そこからJunbesiという名前がこの町についた」という内容でした。と実は発表の最中に、また想定外の終業の合図が。残念ながら最後のグループの翻訳文を記録撮影し損ねてしまいました。
小学4年生くらいの子供たちが携帯など見ずに、自分たちの力だけでここまでしっかりと翻訳をしてプレゼンをして、私たちにより良い理解をもたらしてくれました。そのおかげで多角的にこの町や国のことをよりよく知ることができました。
この学校の授業も終わり、先生方に挨拶をして、昼食の段取りを確認し、次の学校へ向かいました。移動中はMateoさんが最近始めたPodcastのための対話をして歩みを進めました。しばらくして、次の学校につきました。到着する頃にちょうどコーヒーを入れてくださっていたので、それをさっといただき、昨日の1年生くらいの子供達のクラスへ。
ホワイトボードは昨日書いたものがそのまま残されていて、大事に受け止めてもらえていることが伝わってきて嬉しかったです。さて、今日は昨日先生たちにも話したカレンダーのアイデアと子供達の絵を連携させたいと思っていたので、みんなの誕生日を聞いて、誕生月にまつわる絵を描いてみましょうと伝えました。Chungba先生が子供たちにわかりやすくネパール語にして通訳してくださり、もう一人の先生がそれぞれの子供達のネパール暦での誕生日を西暦に直してくれました。そのおかげで私たちも誰がいつ誕生日なのかが分かりました。9名くらいの子供達で全ての月を埋められないのはわかっていましたが、興味深いことに6月生まれが3人もいました!隣の幼児クラスにも確認しにいってくださり、なんとか1年分全ての月を網羅できることが確認できました。生まれた月のイメージを新緑だったり、雨の月だったり、落ち葉の月だったり、雪の月だったりとみんな静かに集中して描き上げてくれました!
最後にこのアイデアが実際に授業に組み込まれ、地域のことを伝えるアイテムになり、少しでも収入につながることを願いますと伝えて、授業を終えました。
Chungba先生とバイクの配車の確認をして、到着する2時30分ごろまで、まだ1時間ほどありましたので、ランチ・タイム。そのころにはお腹も空いていたので、Chungba先生に教えてもらったレストランへ。店主さんからは簡単なものでもいいかということでしたが、しっかりとオムレツ付きのシンプルなダルバートのセット。十分です!と美味しくいただきました。まだ、時間があったので再度校内を見て周ったり、フランスからのトレッキングのグループが来校していたので対話をしたりしていたら、Chungba先生達の授業が2時20分ごろに終わりました。ナイス・タイミング!先生達と最後の会話や挨拶をしているところにバイクのお出迎えが来られました!とてもいい経験と思い出ができました。
Mateoさんはその町に残り、私だけバイクでKhamjeへ向かい、明日のJeepに乗るためにPhapluという町へ向かうことに。このKhamjeからPhapluが案外大変でした。20kg程のスーツケースをライダーの後ろで私の腿の上に乗せ、リュックを背負って、急勾配や凸凹のある山道を約1時間ちょっと。しがみつけるところがライダーのジャケットしかないので、本当に落とされないように体重を前よりに維持して行きました。途中、悪路すぎるところが2~3箇所あり、その場合はスーツケースを私が担いで登っていくという状況もありましたが、なんとか無事にPhapluにつきました。
本日の宿泊先はHotel Dream。いい名前!しかもPhapluの空港の目の前。一階はレストランで、部屋数も多く、個人的にはなかなか良い感じのホテルでした。こぢんまりとした部屋に通してもらい、一泊500NPRとのこと。ありがたい!山の方が険しい生活のため、宿泊費が高いイメージがありましたが、本当に良心的!
さて、落ち着いたところで先ほどバイク移動で目に入った健康器具のある公園へ歩いて行ってみることにしました。今年の夏頃に台湾にいた時にいろいろな公園で見かけた健康器具です。まさかネパールの山奥で見られるとはと感動して、記録撮影をしまくりました。
夕飯にはMomoと以前カトマンズの裏路地のサンドイッチ屋さんなどで噂に聞いていたThombaを試しに注文。飲み方がわからないので、ネットで調べると飲み終えるたびにポットで渡されているお湯を注いで飲むとのことで、味が薄まるまで飲み進めようと思いましたが、最終的に6杯くらい飲んだところで、体も温まり、お腹も膨れ、それ以上は流石に明日の早朝に支障が出てはいけないので、ここで終わりにして暖かく就寝できました!