山口祇園祭
小さな頃、よくわからないまま、「大きな声で、わっしょい、わっしょい」と町内の友達と家の近くを練り歩いたことを思い出します。ハッピを着て、カチカチ音を立てて、獅子舞を被ったり、お神輿を担いで、お菓子をもらったり、普段とは違う賑やかなひと時を楽しんだのを思いまします。そんなお祭りに参加したのは、本当に小学生の頃くらいで、以後は基本的な見て楽しんだり、少しお手伝いをする程度でした。活気があって、賑やかでいいな〜と遠くから静かに見て楽しむ程度でした。
でも、今年はお知り合いからお誘いをいただき、移住後で初めて地元の大きなお祭りに参加させていただきました。山口祇園祭というお祭りで、600年も続く由緒のある地域の一大イベントです。昨今はコロナ感染拡大などもあり、中止や規模が小さかったですが、今年は山口市はニューヨークタイムズの「2024年に行くべき52カ所」にも選ばれたおかげで、街には期待や盛り上がりの雰囲気が漂っていました。
その雰囲気はお祭りの出発点である山口市にある八坂神社へ集合して実感しました。例年、街の代表やお祭り関係者などが一同に集まり、神々しい様子を遠くから見ていましたが、今年は伝統的な衣装である鉢巻、サラシ、半股引き(はんまた、はんだこ)、足袋を着て、御神酒をいただき、神社の神紋のスタンプを体に押してもらい、お神輿の担ぎ手として、他の多くの担ぎ手の人たちと参加しました。
初めて参加するため少し緊張気味でそわそわしつつ、知り合いの顔を探し不安を解消しながら、今か今かと気持ちがワクワクしてくる感じを楽しんでいました。御神酒も程よく体に周り、気分もいい感じでした。そんな中海外のyoutuberの方に声をかけていただき、今回のお祭りに関してインタビューを受けることができました。
冒頭で子供の頃にはよくわからないまま参加していましたが、今回参加することで何かに気づけた気がしているのですが、このインタビューで答えたことは、「初めてなので、顔馴染みの人も少ないですが、街の人たちと一緒に何かをすることで一体感やつながりを感じたり、縁起をいただいたりできると思う」というようなことを伝えました。お神輿を担ぐ前になんとなく感じていたことをお伝えしました。うまく答えられなかったかもなと思いながら、徐々にお神輿を担ぐ時間になりました。
これまでに見てきたことはありますが、実際に担ぐのは初めてでした。なるべく積極的に参加したいと思ったので、大事な場面では前へ前へ出て参加しました。多分一度にお神輿を担いでいた人数は25人前後だったのではないかと思いますが、顔の知れた人はほんの数人でした。担いでいた人たちの多くも同感だと思われますが、日頃はお会いしたことのない人たちと力を合わせて、700キロほどの重さのお神輿を担いだわけです。三つグループがありましたが、それぞれにリーダーや補佐役のような役割を担った常連さんたちがいて、彼らの声に合わせ、大きな声で「わっしょい、わっしょい」とみんなで掛け声を出し、お神輿を担いで走ったり、ぐるぐる回ったり、お神輿を高く上げたりの繰り返しでした。街の賑やかな通りをみんなで力を出し、大きな声で、順番に協力してお神輿を担ぐ。爽快感がものすごかったです。お祭りを続ける理由がよくわかりました。機会があれば、お神輿を担いだほうがいいです。ぐるぐる回っている時には、お酒も入っているので、なんとなくふわふわしてくるし、本当に人混みの中でぶつかり合いながら、大声を出し練り歩いていると馴染みのある通りも非日常になります。
お祭りの意味が自分なりになんとなく分かり始めてきました。と、実感しながら、通りの人たちに目を向ければ、コロナで静まり返っていた街に活気が戻ってきたことに感動しているおばあちゃん、お神輿を担ぐ姿を見て思わず声を出す子供達、非日常の光景をもの珍しく見ている人たちの様子が目に映りました。お祭りってこういうことなのかとなんとなく理解できました。
お祭りという一大イベントは、やる人も見る人もお手伝いする人もみんなになんらかの大きなエネルギーをもたらすんだなと。
初めてながらも約2時間お神輿を担ぎ、目的地の御旅所まで神様をお連れして、一段落。本当に楽しくて深夜まで興奮しっぱなしでした。楽しかった〜!7月27日(土)は来た道を八坂神社へ戻るお祭りの最終日となります。楽しみです。
ご興味があれば、初日の一部始終がyoutubeに上がっていますので、見てください〜。よく見るとところどころ私が写っています。探してみてください。お会いしたことがない方には全く意味がない情報ですが。笑