東京ビッグサイトで開催されている働き方改革EXPOに参加し、いくつかの講演を聴講しました。
「働き方改革」ということが世の中でしきりに言われていますが、それだけではなく、「働きがい改革」が必要であるということが世の中の潮流になって来たように感じます。
ハーズバーグの言うように、衛生要因(給与や職場環境)は、悪ければ働く満足感を悪化させるが、良いからといって、それだけで満足感を感じることはできないのです。
仕事内容への関心や、社会への貢献等の動機付け要因があってはじめて、満足感を感じることができるのです。
働きがいに関しては、多くの講師が触れておられました。
GPTWの荒川陽子代表は、働きがいの中心には信頼があり、信頼は信用、尊重、誇り、連帯、公正が基本となると言っておられました。
働きがいのある会社の大企業部門で1位となったシスコシステムズ合同会社の鈴木和洋会長は、働きがい、生産性の向上には、会社のカルチャー(会社と社員の相互コミットメント、多様性)とプロセス(仕組み)を整えることが重要であると言っておられます。
また、鈴木さんによると、どの会社でも良く使われている週報、日報は、感情を排除した上で作成されるもので、もっと社員の感情を出させる仕組み、例えば、今週楽しかったことは何ですか? いやだったことは何ですか? 等の質問を出して、チャットで自由に書いてもらうことが効果があるということです。
社内で起きていることを、良いことも悪いことも社長が発信して透明性を確保することも、会社と社員との間の信頼性確保に貢献するようです。
中規模企業部門1位の株式会社コンカーの三村真宗社長は、働きがいのドライバーとして、①夢、志、大義との一体感(仕事に対する誇り)、②視野の高さ、裁量の大きさ、自発的行動、③成長の実感 の3つを挙げておられます。
会社と社員との関係について、(株)リコーの瀬戸まゆ子CHROは、「主従関係から対等な関係に移行しつつある」、「マネージャーは社員を管理するのではなく支援する」とおっしゃっていますし、カゴメ(株)の有沢正人常務執行役員は、「会社と個人とがフェアな関係を築くことが大事だ」と言っておられます。
(株)日本M&Aセンターの有賀誠常務執行役員も、「管理する会社では、イノベーションは起きない」と発言されています。
これらをまとめると、これからの時代は、どの会社も働きがいを充実させることが重要になり、それを実現するためのキーワードとして以下のものが挙げられると感じました。
●会社と社員、社員間の相互信頼
●多様性を認める
●社員の自立・自律
●透明性
●管理から支援
●社員の感情の理解
●裁量の大きさ
●会社と社員の対等な関係
時代は大きく変わろうとしていますが、まだまだ昭和の働き方にしがみついている会社も沢山あります。
会社に頼らず、自分が活き活き楽しく働ける場はどのようなものなのかを考える方々が増えて欲しいものです。
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