50歳で100mile走る - ハセツネ2024 夜明けのゾーン入り -
三度目のハセツネは、せっかくの好天を活かせず、最悪の17時間35分。でも、諦めず頑張ったご褒美か、最終盤で人生4度目の「ゾーン」を体験出来ました。
初めての晴れツネ
三度目にして初めての晴天。絶好の大人の運動会日和となった今年のハセツネ。日差しは強いものの、空気はひんやり。これなら好タイムが出せそうと期待しつつも、先月の信越五岳で寝不足が原因でDNFしてから調子が上がらず、高強度の練習が出来ていないのが気懸かり。ロードも含め、この先も大会が続くので、ここは無理せず自分のペースで行こうと決めて、スタートしたはずでした。
オーバーペースで早々に撃沈
序盤、ハセツネ名物の渋滞に捕まりながらも、好天のせいか、去年よりも少な目。気付けば自分の実力以上のペースの集団に入ってしまい、20キロ地点の生藤山あたりから足が重くなり、視力も落ちて、下りで大転倒して左肩と右大腿を強打。浅間峠に下りた時点で脚は売り切れ。三頭山までの登りで座り込むこと5,6回。後から来た友人に追い抜かれ、「今回はダメ、18時間超えるかも」と泣き言。キレイな星空をボーっと眺めながら回復を待ち、気を取り直しては少し進むを繰り返し。ハセツネはランニングじゃなくて「山岳耐久レース」なんだから、走らなくても良いんだよね、と開き直って、動かない脚を引きずりながら進みます。
困った時は深呼吸
これまでの100マイルレース等の経験上、動き続けていれば、そのうち脚が復活すると信じていましたが、それが「何時」になるのかは分かりません。意図的にやれる事と言えば、深呼吸を繰り返すこと。深呼吸によって副交感神経系を優位に導き、セロトニン分泌を促しネガティブ感情と疲労感を抑え、インスリンを分泌して肝臓にグリコーゲンを貯め込む。御前山、大ダワ、大岳山を越え、58キロ地点第三関門の御岳山に着く頃には、なんとか下りならゆっくり走れるまでに回復しました。そして、日の出山への最後の登り階段を這い上がって、初めて見る日の出山からの暁光に力を貰いました。
朝陽を浴びて「ゾーン」入り
日の出山からの残り10キロ。長い木段を下り始めても、まだ脚は動かず、2時間かけてトボトボと下る覚悟で金毘羅尾根のトレイルに入ったころ、ちょうど太陽が昇り始めました。立ち止まって、居合わせた選手と言葉を交わしてから、下りを再開したその瞬間、さっきまでとは違う感覚に気付きました。今回のゾーン入りも、過去3回中の2回と同様、夜明けに発生。どうやら私の場合のゾーン発動条件の一つは、朝陽を浴びてセロトニン分泌量が上昇することのようです。残りは下り基調の8キロ。登りも全く苦にならずに駆け上がり、2時間のつもりが1時間程の全力疾走でゴールしました。
次はどのレースで
朝陽がゾーン発生の要因の一つであることが分かりました。では何故、先月DNFした信越五岳では発動しなかったのか?寝不足とオーバーペースで崩れた自律神経バランスを戻しきれなかったのか?ハセツネは関門にゆとりがあるから歩いてでもゴールできる安心感でリラックスできたからか?朝陽に頼らずゾーン入りする方法は無いのか?
ゾーンに取り憑かれたおじさんランナーの旅は、まだまだ続きます。
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