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【読書】ラジオじゃないと届かない

大学の後輩、野坂尚也の朗読によるAudible作品、今回はTBSラジオのディレクター、プロデューサーの宮嵜 守史氏による経験談とラジオ論の本です。

私はTBSラジオはラジコやPodcastで結構聴いてるんですが、Session、アトロク2、そして『武田砂鉄のプレ金ナイト』……といった番組が中心。
宮嵜氏の主な仕事である深夜のJUNKは、『伊集院光 深夜の馬鹿力』を除いて、聴いてきていませんでした。

なので、本書で語られている、爆笑問題、山里亮太、おぎやはぎ、バナナマンらのJUNKについては番組を聴かない状態で「そういう番組なんだなー」と思うのみという感じです。

ですが、本書のAudibleのスゴいところは、著者と彼らお笑いタレントの対談が多く掲載されていることで、それを音声で聴くのです。
JUNKメインキャストの他は、極楽とんぼ、ハライチ、アルコ&ピース、パンサー向井、ヒコロヒーなど。
彼らの声や口調を再現する尚也にはビックリです。
まあ、アルコ&ピースとかヒコロヒーはどんな人かイマイチよくわからないので、どこまで再現できているのか判断できませんが……
極楽とんぼなんか特にすごい。
ものまねというほどの露骨な似せ方ではないのがとても良くて、書籍の対談でもあることが感じられつつも、極楽とんぼのお二人がその場にいるかのようです。

内容としては、ラジオのADからプロデューサーにまでなった宮嵜氏の体験から、ラジオの意義を考え直すといったもの。
全体に、お笑いタレントによる深夜ラジオのコミュニティ感覚などについての話が多いですが、ここに東日本大震災の体験がはさまることで、その味わいも一気に深まります。
「ラジオじゃないと届かないよなあ〜」って思わせる話になります。

印象的なのは、『オールナイトニッポン』の影響の大きさですね。
何度も話にあがります。
これはもう、SF映画の話をするときに『スター・ウォーズ』が出てこないことがない、ってのと同じなんでしょう。
オールナイトニッポンの影響のもと、深夜ラジオに挑戦するお笑いタレントが構築した、1990年代後半から21世紀のサブカル史の側面もあるので、ラジオだけでなくお笑いに興味ある人にとっても面白い内容なんじゃないでしょうか。

そして本書についてはとりわけ、Audibleで聴くと多くの人にとって楽しめるようになってるんじゃないかと思います。

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