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クレームの大小で対応は変わらない
例えばネット通販の問い合わせ窓口としましょう。
きちんとしたメーカーの商品にも不良品が紛れていることはあります。
それに対し、別にお怒りになることもなく交換を希望されるお客さまもいらっしゃれば、声が割れて聞き取れないほどに怒鳴りまくって電話をかけてくるお客さまもいらっしゃいます。
そのようなお客さまに、どう対応すればいいのでしょうか。
大概のコールセンターであれば、不良品の対応は既に決まっていて、①返品&返金 ②交換 ③どちらでもOK、という具合です。
※納品書や説明書があること、購入から1週間以内、などの条件は通常あります
この対応を、クレームの大小で変えてはいけません。
プレゼントを渡せないまま、相手が亡くなった
分かりやすいように極端な例を出します。
親孝行な娘さんが病床のお母さまに誕生日プレゼントを贈ろうと購入した商品が、届いたら割れていた。誕生日には間に合わず、交換品が届く前に病態が急変し亡くなってしまった。
このような状況では、お客さまである娘さんから泣きながら電話がかかってくる可能性があります。
こうなると、返金や交換をしてもお母さまにプレゼントを渡すことはできませんから、どうしていいか分からなくて上長に代わってもらおうとする対応者もいるでしょう。
これに同情してしまう対応者は、心の底から謝っているのに相手はいつまでたっても許してくれず、最後には客に向かって逆ギレしそうになるということもあり得ます。責任者がお客さまの自宅まで行って謝罪するべきと考えだす対応者もいることでしょう。
対応は変えず、共感する
しかし、対応は変わりませんし、変えてはいけません。
ただ、そんなつらい状況でお電話をくださったことに感謝し、そのつらさに共感するだけです。
共感は、相手の気持ちに寄り添うことですから、相手がほんの少しだけイラッとしているならそれに寄り添いますし、号泣するほどつらいならそれに寄り添います。
ここで私が使い分けている同情と共感を、この娘さんへの対応を例に簡単に書いておきます。
同情:大好きなお母さまに最後のプレゼントを渡せなくてかわいそう!
共感:大好きなお母さまに最後のプレゼントを渡せなくてさぞおつらいだろう
共感するだけでうまくいくの!?
このような質問も出てくるかもしれませんね。
それについては、次回。
それではまた。
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