様々な定義を使った教育への活用
4つの定義を意識すると、マニュアル作成にも、電話応対にも役立つというお話をしました。
今回は、この4つの定義の、教育の場面での活用です。
例えば、「語尾伸びを止めましょう」と目標を掲げたとします。
一人のオペレーター(電話対応者)は「やりたくありません」と反発します。
別のオペレーターは「できません」と自信を失います。
そのようなときにも、4つの定義にもとづいてもう一度説明してみましょう。
1.直示的定義
良い例と悪い例のデモテープを録ってオペレーターに聞かせる。聞き比べた感想を言ってもらうなどすればなお良い。
「語尾伸び」という言葉は分かっても自分の話し方には無自覚な人も多いので、まずは知ってもらう。
2.発生的定義
「●名の一般人にモニターをお願いした結果、語尾が伸びると馴れ馴れしい印象につながることが分かったので、当社では語尾伸びを止めましょう、という方針になりました」など。
なぜ、このような指導が始まったのか、その契機を伝えて納得してもらう。
3.機能的定義
「プロとしての印象をお客さまに与えることで、説得力が出て、納得してもらいやすくなります」など。
このような指導を受け入れることでどのようなメリットがあるのかを理解してもらう。
4.操作的定義
「語尾の一つ前の音で止める意識を持ち、最後の音節は添えるように言いましょう」など。
頑張れ、まじめにやれ、という精神論にならないよう、手順を分解して伝えます。
4つの定義を使いこなす
オペレーターが何に対して反発し、何に対して疑問を持ち、どのようにできないと感じているのかによって、定義を使い分けて説明します。
あるオペレーターからは「何度もそのような指導を受けているが、自分にはできない」と相談されました。よく話を聞くと「一切語尾伸びしない対応なんて、不自然ではないか」と考えているために、語尾伸びが直せず、何度言われても語尾伸びが直せないことで自信を失っていることが分かりました。
そこで操作的定義として「共感を表す場面では語尾が伸びてもよいので、情報提供のときは語尾伸びせずに案内しましょう」と伝えたところ、「スッキリした」と喜んでいました。
この4つの定義を使えば、“「語尾伸び」ミニ研修”も可能だと思います。
たった4つを覚えるだけで色々と活用できますので、皆様のセンターでもいかがでしょうか。コールセンターでなくても使えると思いますよ。
では、また。
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